見出し画像

【MFT2024直前企画】30年プログラミングを続ける原体験3選+Code & Magic

30年以上プログラマーをやっているムンペイと申します。

来週9月21日22日の2日間、東京ビッグサイトで開催される Maker Faire Tokyo 2024 にサムライアプスというサークル名義で、Code & Magic (コードアンドマジック)というプログラミングを学ぶ子供向けの少しハイレベルな教育サービスを出展いたします。

今回は、直前の宣伝企画として、Code & Magic を開発する私を作った原体験を3つ紹介いたします。


1.ベーマガでとにかく写経

なんといっても、私のプログラミングの原体験は、ベーマガでした。

まだネットは高額で自由に使えなかったころ、マイコンBASICマガジン(通称:ベーマガ)が、プログラミングの可能性に魅入られた全国の若者の貴重な情報源でした。I/Oもありましたね。どっちが早かったのかな。

今思えばベーマガは不思議な雑誌で、基本的には写経(印刷されたプログラムを見ながら、自分のPCにそっくり打ち込むこと)で楽しむものでした。プログラミングを教えるというコーナーはほとんどありませんでした。

そんな、ベーマガがなぜ楽しかったかというと、ゲームができるということもあるんですが、PCの可能性を想像させるものだったんですよね。当時PCに向かっているのは、そもそもPCの可能性に魅入られた少年少女なわけで、そんな彼らが全国の猛者が作った面白いものを見せつけられたら、それはやってみたいわけです。そして、俺も作ってみたい、ってなったものでした。

別記事にも書きましたので、ご参照ください。

2.メガデモとBio_100%に興奮した

私のプログラミング入門期はインターネット前夜の時代で、特定のサーバーに接続して情報共有する「パソコン通信」という仕組み(サービス)が主流でした。

パソコン通信で情報を得て驚いたのはメガデモ、そして Bio_100% でした。

メガデモは、当時の10MHz前後のCPU、500KB程度のメモリ、GPUもなし、という非力なマシンで3D CGを含むグラフィカルな数分の映像を流すプログラムです。動画ファイルではなくてリアルタイムに計算して映像を作るもので、PCの性能を測る3DMarkというベンチマークの原始的なものです。

フィンランドのFuture Clewというグループによる「Second Reality」 はメガデモの頂点の1つで、何度も見ては感動し興奮を覚えたものでした。(実は先ほど例に挙げた3DMarkを開発しているFuturemark社は、このFuture Clewのメンバーが作ったものだったりします。)

Wikipediaで動画が見られます。(動画圧縮のせいでグラデーションが鈍っちゃってますね。繰り返しますが、本来はPCでリアルタイム計算&描画です!)


もうひとつ、私が興奮というかあこがれを抱いていたのは、Bio_100%でした。(ばいおひゃくぱーせんと、と読む)

Bio_100%とは私より若干年上の学生や社会人による同人グループでしたが、彼らの作るゲームは、当時の低スペックなPCで、なぜか高速にキャラクタが動き、なぜかマルチトラックの音楽が流れ、そして面白いのです。

さらに、Bio_100%に誘引された集まるその他の猛者たちが、パソコン通信上で繰り広げる生のやり取りも興奮でした。(私はビビッて参加したことはほとんどありませんでしたが。)

master.lib、WinGL、ProjectDPなど、彼らのソースコードを見て、すごい技を知り、自分でも真似して作ってみたりしたものでした。

今でいえば、生成AIのすごさを感じて、手元でモデルを試してみたり、いじってみたり、あるいは学習させてみたりして、誰かに使ってもらうことに当たるかもしれません。

3.フリーウェア作者になった

その後、Windowsの時代になって、プログラミングの時に欲しいツールを自作し、Vectorでフリーウェアとして公開したりしました。(いまもそのまま公開されています。)

GitHubのような仕組みがなかったので、Vectorや窓の杜などのフリーウェア公開サイトに登録するのが普通でした。

公開したツールの1つは、環境変数をGUIで編集するというニッチな需要のものなのですが、結構便利で自分でも常用していました。

このツールには面白エピソードがあって、友人が務めるとある会社で、委託先のSEがそのツールを使ったいたんだそうです。驚き&嬉しさとともに、同じような仕事をしている人には同じ需要があるものだという学びにもなりました。

他にも、ネット上でゲーム開発サークルとして活動したこともありました。私がメインとなったもの一本を含め、10本くらいは作品を発表したかなと思います。
このあたりは別記事に書きました。

「Code & Magic」で楽しさを伝えたい

そんな出来事を原体験として、プログラミングを趣味にそして仕事にして30年以上も付き合ってきました。
最近は、文科省の学習指導要領にプログラミング教育が導入され、大好きなプログラミングが注目されているのは素直に嬉しいですね。

教育関係各社からスクールや講座がまさに勃興しつつあるわけですが、論理的な思考法などをテーマとする学習教材という背景もあって、どうしても理論とか文法の話を押さえに行くような内容になりがちだなと感じます。

それはそれで必要ですが、私が感じできたような、プログラミングの無限の可能性からくるワクワクと、すごいプログラミングを見て感動して見せて喜ぶ部分を、なんとか現代っ子にも感じてもらえないものか・・・と思い、Code & Magic というプログラミング学習サービスを作り始めました。

イメージは、ベーマガのコンセプトの現代風アレンジです。
BASICではなく、Pythonで書かれたゲームプログラムを写経していきます。写経するコードは紙に印刷されていて、注文いただいたら自宅に届ける、という仕掛けを考えています。
最初は50行程度で書ける簡単なゲームから初めて、段々と高度な文法も取り入れていき、複数のファイルとリソースファイルを駆使するような本格的なゲームに進めていく想定です。
投稿要素についても、今後オリジナル作品を公開していく機能として実装していく予定です。

手取り足取りというよりも、ワクワクを感じてもらって自主性に任せていくイメージで、初学者なら誰でもというよりも、プログラミングにちょっとハマりそう and/or ハマりかけの子供たち向け、という感じかもしれません。

また、ゲーム開発フレームワークとして、Pyxelを採用しています。今のコンピュータはソフトウェアも含めて高度ですがその分複雑です。昔のコンピュータはOSを無視してHWをいじれるくらい単純で、誤って誤動作させるのも学びには良い環境でした。今の環境でそれを再現するにはどうすればよいかと考えていたところ、レトロな仮想コンピュータ上でゲームを作るというPyxelのコンセプトにピンときました。

来週9月21日22日の2日間、東京ビッグサイトで開催される Maker Faire Tokyo 2024 にサムライアプスというサークル名義で展示いたします。
ブース A-03-01 で、入り口を入って右すぐです。

展示では、最初のチュートリアル的ステージ2つについて、ソースコードが印刷された紙(魔導書と呼んでいます:タイトル背景の写真がそうです)を無料配布し、Code & Magicの写経を実際に体験いただけます。

Maker Faire にご来場を予定されている方は、ぜひ私たちのブースにもお立ち寄りいただき、感想などをお聞かせいただければとても嬉しいです!詳しい話は、また会場でお会いした機会に・・・。

これにて御免!

サポートのご検討ありがとうございます。 いただいたサポートは Code & Magic の開発運営などに使わせていただきます!