漢字が身につかないのは誰のせい?
漢字指導について思うこと
近年、How to系の教育書やSNSで紹介されている漢字指導のゲームには、様々なものがあります。例えば、「へん」や「つくり」を使ったものや画数当てゲームなどです。これらは、子どもたちの漢字への関心を高める効果があり、簡単に取り組めるため、子どもたちも楽しんで参加しています。若い教師にとっては、こうしたゲームは特に人気があるでしょう。
しかし、これらのゲームを行ったからといって、必ずしも漢字テストの点数が上がるわけではありません。ゲームとしては楽しいものの、漢字の練習に対する意識付けには繋がりにくいのです。教師として大切なのは、楽しい活動だけでなく、学習内容を確実に定着させることです。しかし、現状では、楽しいゲームで満足してしまい、漢字を覚えるのは家庭での練習任せになっていることが多いです。その結果、漢字を覚えていない子どもに対して、「練習しない子が悪い」「家庭が適切な環境を提供していない」といった責任転嫁が行われがちです。
しかし、毎日学校に通い、4時間半も授業を受けている中で、漢字を定着させることは本当に難しいのでしょうか。私も親として、子どもたちが自主的に漢字練習をするとは考えていません。子どもたちは、できることならサボりたいと考えるものです。私たちが仕事を家庭に持ち帰りたくないように、子どもたちもできる限り勉強は学校だけでと思っているはずです。
私の娘は、漢字テストという目標があるので練習していましたが、息子はテストに対する危機感がなかったため、全く漢字練習をしませんでした。息子には家庭で無理やり数問ずつテストを行い、覚えているかどうかをチェックし続けなければ覚えようとしませんでした。しかし、すべての家庭でそのようなサポートができるわけではありません。家庭に余裕と根気がなければ、難しいのが現実です。テストという目標だけでは、学級で覚えてほしいと思っている子どもたちに十分な動機付けができないのです。
では、私はどうしていたかと言うと、学校での練習時間を確保していました。毎日3つの漢字を覚えてもらい、その日のうちに必ずチェックを行います。翌日には前日の復習も行い、覚えていなかった場合はその場で再度覚えさせました。私は、基本的に漢字は学校で覚えさせるという覚悟を持って授業に臨んでいました。もちろん、漢字練習の宿題も出しますが、これは家庭学習の習慣をつけるためであり、ノートに何度も書かせることはしませんでした。代わりに、プリントでチェックする形式を取りました。
こう書くと、「国語の授業時間が足りなくなるのでは」と思われるかもしれません。しかし、だらだらと授業を進めるよりも、学んだことが確実に身についているという実感を持たせる方が効果的です。さらに、漢字を確実に覚えているという自信から、後々国語の学力が飛躍的に向上することもあります。新学期の当初は漢字練習に時間をかけますが、その時間は徐々に短くなり、定着率が上がることで、集中力も高まり、国語の学習効率も向上するのです。
漢字練習方法については、次回のブログで触れていきます。