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へき地教育についてへき地新聞に寄稿した文章の改訂版

へき地校における教育課題と研究発表
へき地校の教育課題は、全国的に共通したものが多いように感じます。そのため、どの学校も抱える問題が似通っており、研究発表の内容も似たようなものになることが多いのです。
私の教員生活も30年を超えますが、そのの半分をへき地で過ごし、その経験をもとに、研究発表会で紹介した取り組みの一例をご紹介します。今回の取り組みは、「言語活動と体験活動で表現力を育む」ことを主題とし、以下のような実践を行いました。

学校の特色と教育目標
私が勤務する学校は和歌山県南部の、幾重にも連なる山々と緑豊かな棚田に囲まれた山村にあります。地域の主な産業はシキミ(シキビ)や茶(色川茶)の栽培、有機農業などの第一次産業で、熊野古道にゆかりのある土地としても知られています。こうした自然と歴史に囲まれた環境を生かし、地域との連携を図りながら、地域特有の教育資源を活用した学びを目指しています。
教育目標として掲げたのは、「自ら学び、心豊かにたくましく生きる児童の育成」です。この目標達成のために、児童が日常生活の様々な場面で主体的に判断し、自立的に行動できる力を育む教育活動を行っています。

研究の概要:言語活動を通じて自己表現力を高める授業の工夫
まず、児童が相互に学び合える場を設定し、言語活動を基盤とした授業づくりに力を入れました。特に、国語科では目標を明確にし、児童が自ら学習目標に向かって進むための学習ルールの確立に努めました。読む、聞く、話す、伝えるといった言語活動の基本を大切にし、場に応じた適切なコミュニケーション力を養うための工夫と改善を重ねました。
特別活動では、児童が主体的に取り組める場として、児童会行事の計画から運営まで、協力して進める経験を通じて協調性と自主性を育みました。

体験活動と地域連携:地域の特性を生かした稲作活動
地域の特性を生かした取り組みとして、地域の共育コミュニティーと連携し、全校児童での稲作活動を行いました。田起こし、種モミ植え、田植え、除草、水の管理、稲刈り、脱穀といった一連の作業を児童自らの手で行い、成果を『みんなのたんぼ新聞』としてまとめて地域住民に配布しました。この活動は、地域の方々との双方向の交流の場として、児童たちが地域からの声を受け取り、それがさらに児童の活動意欲に反映されるという相乗効果をもたらしました。

ふりかえりと発表を通じた表現力の育成
稲作活動においては、作業前に全校集会で目標を確認し、作業後にはふりかえりの場を設け、感想や気づきについての発表を行いました。このプロセスにより、体験活動で得た発見を再確認する場、自己表現の場、互いを認め合う場として、意図的に言語活動を組み込みました。こうしたふりかえり活動を通して、児童は自尊感情を高め、思いを相手に伝える力が育まれていきました。



このように、地域の特色を生かした活動を継続することで、児童の自己表現力の向上を目指し、今後も地域に根差した特色ある教育を続けていきたいと考えています。





このような文章を、全国版のへき地教育新聞に寄稿していました。様々な取組をおこない、そして記録して発表していく。そんなことをしていながらも、和歌山県では認めてもらえないのです。
考えて行動することは、この県では無駄なことなのでしょうね。

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