「めあて」と「ふりかえり」って有効なのか?
「めあて」と「ふりかえり」の現状と改善提案
現在、多くの学校で「めあて」と「ふりかえり」が授業の一部として導入されています。しかし、それらが形式的に運用されている現状が散見されます。例えば、国語の授業では以下のような例がよく見られます。
めあて:「主人公が、行動しなかったときの気持ちを考えよう。」
ふりかえり:「発表できてうれしかったです。」
ふりかえり:「意見がたくさん出ておもしろかったです。」
これらの例からわかるように、授業中に「めあて」は設定されるものの、その内容と結びついた授業のまとめとなるような「ふりかえり」が行われていない場合が多いです。教師自身も「ふりかえり」に対する指導を特に行わないことが一般的です。その結果、子どもたちは毎回同じようなことを書き続け、単に形式をこなすだけの活動になってしまっています。
特別支援が必要な児童の視点
このような形式的な「めあて」と「ふりかえり」の運用は、特別支援を必要とする児童に対しては特に問題となります。彼らは形式的な活動には敏感に反応し、整合性のない指導に対して強く反発します。このため、特別支援が必要な児童に対してはより具体的で納得のいく「めあて」と「ふりかえり」の設定が必要です。
新しいアプローチの提案
私の経験では、「めあて」を授業の最初に提示するのではなく、授業を進めた後で、子どもたちが理解できる段階で示すことをしています。例えば、次のように進めます。
「先生は今日、これができるように教えました。」
「今回「のめあ」はこれだったのです。」
めあての提示。
「じゃあ、めあてが達成できたかチェックね。ほんとうにできるかどうか、先生が問題を出すよ。」
この方法では、学習の成果を確認する過程そのもので「めあて」と「ふりかえり」として扱います。子どもたちは、自分の成長を実感し、納得の上で「ふりかえり」を書くことができます。このアプローチは、特別支援を必要とする児童にも効果的であり、全ての子どもが自信を持って教室を後にすることができるようになります。
授業時数の減少への対応
働き改革の影響で授業時数が少なくなる可能性があります。そのため、授業内容を効率化し、無駄を排除することがますます重要になります。「めあて」と「ふりかえり」を形式的なものから、本質的な学びの確認の場として再定義することが、限られた授業時間を有効に使う一つの解決策となるでしょう。
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