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運動会の練習では、リレーのバトンパスにまず関心をもってもらう
リレーのバトンパスを子どもたちに理論的に教えるには?
若い先生が私に質問をしてきました。
「運動会の練習で、どんなことをしたらいいでしょうか? リレーとか、もう少し練習した方がいいですか?」
私はニコリと笑いながら答えました。
「リレーのバトンパスは大切だから、まず話をしてから練習させるといいよ。子どもたちの意識が変わるからね。」
「どんな話をして、どんな練習をさせればいいでしょうか?」
若い先生は興味津々でさらに尋ねます。
「そうだな、例えば高学年の場合なら、こんなふうに説明してみるといいよ。」
私は少し考えてから話し始めました。
「まず、『みんな100メートルを何秒で走れる?』って聞いてみる。トップクラスなら14秒くらいだろうし、遅い子でも20秒くらいだよね。遅いと思っている子でも、実は1秒で5メートルも進んでるんだよ。カチッっていう間に5メートルもだよ!」
若い先生はうなずきながら聞いています。
「でね、『みんながそんなに速く走れるってことは、もしバトンパスで1秒早くできたら、他のチームより5メートル差をつけられるんだよ。2秒早くできたら10メートル! 5人ががんばれば、なんとトラック半周分の差を詰めることだってできるんだよ』って説明するんだ。こうすると、バトンパスの大切さがすごくわかるでしょ?」
「なるほど、それなら子どもたちも納得しそうですね!」
私はさらに付け加えます。
「そう、それから日本のリレーの話をしてもいいね。日本のリレーチームは、みんな100メートル10秒以上で走るのに、4×100メートルリレーでは38秒台なんだ。これは、バトンパスがめちゃくちゃ上手いからだよ。これを聞くと、子どもたちもやる気が出るんだよね。」
「すごい、やってみます!」
若い先生はすっかり納得して、体育の授業に取り組み始めました。
そして、授業当日…
気になった私が練習の様子をこっそり見に行くと、若い先生が子どもたちにこんな風に話していました。
「いいか、バトンパスは大切だ! 早くすれば5メートル、10メートルも差がつくんだから、がんばろう!」
…。
心の中で思いました。
「いやいや、大事な理屈が抜けてるじゃないか~!」
これだけだと、子どもたちは「バトンパスを早くする意味」がわからないままだよ…。
まとめ
大切なのは「なぜそれが重要なのか」を具体的な数値や例を交えながら伝えること。単に「がんばろう」では、子どもたちの意識が変わらないのですよ。