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今の学校において思うこと
授業研究を参観していつも思うこと
中学校の授業を参観する機会が増えました。参観先の学校では、若い先生方が多く活躍されており、学校全体が若手中心で構成されている印象を受けます。私が高齢のため、そのように感じる部分もあるかもしれませんが、今の学校現場における大きな課題の一つは、若手教員の育成だと強く感じています。
中学校の授業で感じること
中学校の研究授業を参観するたびに思うのが、授業の意図や目標が明確でないケースが多いことです。研究授業では、生徒に話し合いや作業を取り入れた活動をさせようとする意図は見られますが、生徒の様子を見ていると、それが日常的に行われているとは思えません。さらに、授業の中で「何を達成したいのか」が不明瞭であるため、生徒たちも戸惑いながら時間だけが過ぎているように見えるのです。
研究協議の課題
授業後の研究協議にも課題を感じます。授業の進め方に明確な課題がある場合でも、協議では全員がその授業を褒める傾向が強く、正直な意見が出にくい雰囲気があります。たとえ「授業の意図が分からなかった」と感じても、それを口に出せる空気ではありません。
また、管理職が若手教員を擁護する姿勢も見受けられます。これは理解できる部分もあり、私自身、研究授業後に自分の学校で批判を受けた際には全力で反論してしまうことがあります。なぜなら、指導案の段階で授業の意図や狙いを十分に検討している自負があるからです。しかし、こうした状況を超えて建設的な議論を行うことこそ、若手教員の力を伸ばす鍵だと考えています。自分の授業意図や考えを正直に語る中で、より良い授業方法が見えてくるはずです。
自身の課題と管理職の役割
一方で、私は批判や改善点を率直に指摘するため、時に「嫌われる」存在になっていると感じています。さらに、私の指摘の伝え方が上手ではなく、本心が伝わらず、ただ文句を言っているように受け取られることもあるようです。この点は私自身の課題です。
こうした状況を打破するためにも管理職として学校づくりすることが重要だったのです。発言の内容よりも「誰が言ったか」が重視される現実があり、管理職の立場で意見を述べることで議論をより効果的に進められる可能性があります。
若手教員の指導で目指したいこと
次年度に向けて、私が取り組みたいのは、若手教員の指導です。ただ、この役職は退職校長に人気があるという現状があります。理由は明快で、指導教官という立場では授業を持つ必要がなく、授業観察後に「ここが悪い」「こうするべき」と指摘するだけで済むからです。この方法では若手教員の成長が期待できないのは明らかです。
私が目指すのは、若手教員と一緒に教材研究を行うことです。授業の準備段階から責任を共有し、共に試行錯誤を重ねることで、若手教員が主体的に授業を作り上げる力を養うことを目指します。授業が成功すれば共に喜び、失敗すれば共に改善点を探る。こうしたプロセスこそが、若手教員を育てる本質的なアプローチだと信じています。
教材研究の重要性
私自身、若い頃にベテランの先生方と一緒に教材分析を行う機会に恵まれました。その経験を通じて、指導書に頼らず、今の子どもたちに必要な力を見極めながら授業を組み立てる力を身につけることができたと感じています。この経験を若手教員と共有し、評価や批判だけでなく、共に新たな発見を目指す指導を実現したいと考えています。
まとめ
若手教員の育成は、学校教育の未来を支える重要な課題です。単なる評価や指導ではなく、共に考え、学ぶ姿勢を持つことが、真の成長をもたらします。現状に対する批判ではなく、具体的な解決策を提示しながら、若手教員とともに歩む姿勢を貫きたいと思っています。
ただ、こんな考えは和歌山県では通用するはずもなく、指導員は退職校長の仕事としてあてがわれていくでしょう。