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【レガシー】鬼滅の刃でレガシーチャレンジTOP8入賞【石の呼吸:解説】

ここしばらくマジックのトーナメントで結果を残せていなかったため怪文書芸人の汚名を着せられていたが、アメリカが大統領選挙で大騒ぎしている中、それは起こった。

11月7日、最近始めたZwiftで汗だくになっていた僕はその日、週末の日課であるレガシーリーグに参加するためMagic Onlineを覗いていた。するとレガシーチャレンジの開始時間が欧米のサマータイムが終わり日本時間21時スタートとなっていたため、せっかくだからとレガシーチャレンジに参加することにした。

第6ラウンド、URデルバー戦は相手がスクリューを起こす場面もありもう一歩というところだったが、《戦慄衆の秘儀術師》にひっくり返されてしまった。まぁ、こんなもんか。4-2は上振れ。

すると、直後に第7ラウンドが開始された。この時点で僕の脳裏を過ぎったのは「参加者62人ってスイス7回戦だっけ。早とちりでツイートしちゃってダセェな自分」ということだけだった。相手はRUGコントロールで、メインは《王冠泥棒、オーコ》合戦に勝ったこちらが取ったものの、サイド後はそれを逆にやり返されてしまった。基本土地中心の3色に《不毛の大地》《もみ消し》《アーカムの天測儀》というマナ否定戦略冬の欲張りセットみたいなデッキで、心底性格悪そうでリアルにいたら友達になりたくないタイプだと思った。

総合戦績が悪化してしまった。まぁ、勝ち越しできただけでも御の字と言えようか。その時だった。ブラケットがおかしい。まだ時計が動いている。

あれ?

よもやよもやだ。なんと自分、オポ差で第6ラウンドで敗れた相手の上にいた。しかも負けが決まった瞬間に「My first TOP8...」って断末魔を上げていたのが完全に煽りになってしまった。大変申し訳ない。しかしルールはルール。僕は選挙の結果にイチャモンをつける前大統領ではない。

そして第7ラウンドだと思っていたのはシングルエリミネーション一回戦だったのだ。ていうか《もみ消し》デッキで7回戦無敗って、いくら今日の人でもひき逃げ起こして逃走中にタクシー運転手に説教食らうレベルだ。とんかつDJに謝れ。

閑話休題。自分が今何を懸けて戦っているのかすらわからない、マジックオンラインのスーパーファミコン以下のUIの話は置いておいて、レガシーチャレンジTOP8は紛れもない事実のようだ。これ、自分イキっていいやつですよね?

出しますよ?全集中イキりの呼吸、常中を?

壱の型:成り立ち

僕は行き詰まっていた。僕の愛するレガシーフォーマットは、近年のパワーカード大量発行の煽りを受けて鬼に変貌してしまっていた。

なんだかこれらのカード、カードに勝たせてもらってるって感じで、矜持が失われているような気がする。まぁ実際強いのだから、使いたい人は使えばいいのだが。

フェアデッキはさらに地獄で、《王冠泥棒、オーコ》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《戦慄衆の秘儀術師》で泥沼のアドバンテージ合戦だ。僕はここで足止めを食らっていた。オーコを倒してもウーロに勝てず、ウーロを倒せるようにしても今度は秘儀術師に勝てないのだ。

これらを掻い潜るには、別のベクトルで勝負しなければならない。ポイントは、鹿に止められないこと。そう。探し求めていた日輪刀は、もう持っていたのだ。

使われなくなって久しい。

《真の名の宿敵》の使い方は、体が覚えている。僕が開発し、かつてReid Dukeも触った伝統的なバント、Tempo Bantだ。そこに、レガシーに巣食う鬼を討つ武器と呼吸法を織り交ぜたデッキ、その名も鬼滅の刃

こうして日輪刀が完成した。

弐の型:採用理由

Snowko環境によって《不毛の大地》は一時価値を落としていたが、Snowko以外のデッキを見渡してみると、RUGデルバー、デプス、デスタク、エルフと、刺さらないデッキが無いことに気づく。これからの時代、トレンドは《アーカムの天測儀》で色を増やすのではなく、《不毛の大地》による色の減算だ。マナを縛る目的で起動する場合は、相手が土地を置けなかった等、スクリューの確信がある場合にのみ撃つこと。

「《氷牙のコアトル》がいるかもしれない」ブラフが成立するため、氷雪でない土地が禁止カードになってしまったので泣く泣く採用。コールドスナップの絵が一番すき。

石の呼吸:壱の型。サイドボードが整理されていない時はメインから抜くカード筆頭だったが、ある程度仮想敵を絞ってからはそういうことも減った。最近当たらないが、減らすのは奇跡コントロール相手の時ぐらいか。

石の呼吸:弐の型。日輪刀を持ってくる。先述の《戦慄衆の秘儀術師》そしてデスタクにエルフが多いこの環境、《梅澤の十手》が思った以上に強いため、決して時代遅れではない。

石の呼吸:参の型。《王冠泥棒、オーコ》を掻い潜り、《疫病をもたらすもの》非採用デッキに対しては抜群の安定感を誇る。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は気合で何とかしろ。お前はできるやつだ。

石の呼吸:肆の型。Tempo Bantと言えば《もみ消し》だ。今回のレガチャレではあまり役に立たなかったが、そもそもこの石の呼吸法はデスタクの誘発ウザすぎ問題に端を発している。《静寂をもたらすもの》、《倦怠の宝珠》が真面目に検討するレベルだったのだ。《静寂をもたらすもの》のパワーを1にした張本人は《願いのフェイ》を2マナ1/4飛行にした奴と同じだと思っている。

石の呼吸:伍の型。このカードの採用理由は一つ。《戦慄衆の秘儀術師》に全集中だ。後の項で触れるが、秘儀術師こそが今の環境定義カードだと思っている。

石の呼吸:陸の型。最近まで自分でも使い方を間違えていたが、盤面にクロックがいない場面では、「持っていないもの」くらいに考えた方がいい。押されている状況では、マストカウンターに当てることができてもどの道展開が遅れて負けるのだ。

石の呼吸:漆の型。クロックこいつだけでオムニテルに勝った時は打点の増え方がキモ過ぎて若干引いた。

石の呼吸:捌の型。アグレッシブさに欠けるため、1枚をサイドボードに落とし、先手後手で使い分けている。《紅蓮破》に引っかからない除去兼クロックはやはり強力だ。

石の呼吸:玖の型。エルフ、ホガークに劇的に刺さる。しかし除去耐性がうんちなのと序盤に引かないと意味がないので、もう1枚くらい枠を割きたい。

石の呼吸:拾の型。主にデスタクや、サイド後に《森の知恵》《花の絨毯》が入ってくるSnowkoに対して。

石の呼吸:拾壱の型。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を諦めたが故に自然に採用が可能になった。みんなもこれで《ウーロ》を追放して炭治郎になろう。

参の型:立ち回りとTIPS

石の呼吸は変幻自在なので、相手によって立ち回りを変えられるが、基本的には壱の型《貴族の教主》から参の型《真の名の宿敵》または漆の型《王冠泥棒、オーコ》に繋げていくのが基本的な動きだ。しかし、落ち着いたとは言え《王冠泥棒、オーコ》へのガードは依然高い状況だ。《紅蓮破》《赤霊破》を構えられていないか、出すタイミングには細心の注意を払いたい。

サイド後、1マナ浮かせて《王冠泥棒、オーコ》を唱えると、《紅蓮破》を持っている相手でも勝手に《夏の帳》ケアで忠誠度能力を使わせてくれる。

現在のレガシーを定義しているのは《氷牙のコアトル》ではなく、明らかに《戦慄衆の秘儀術師》だ。除去できない時は、《真の名の宿敵》を立たせるか、《梅澤の十手》で毎ターンパワーを下げ続けるしかない。

日輪刀の選択も、《戦慄衆の秘儀術師》がいるかどうかが基準になってくる。対コンボは、自分が1ドローで有効牌を引く確率よりもディスカードで妨害する方が体感で勝てているような気がする。

レガシー鬼殺隊になろう

レガシーの鬼達は信じられないスピードで殺しにくるし、ちょっとのミスを全力で咎めてくる猛者ばかりだ。フェアな方法でアドバンテージを奪っても簡単に取り返してくる。新しく刷られるカードはそんな鬼たちの血肉となるようなものばかりで、鬼殺隊に有利なものは少ない。

「レガシーおもんない」そう考えた時もあった。しかし、諦めてはいけない。諦めなければ、いつか僕のように鬼の首を取ったかのようにイキれる結果がついてくるのだ。頑張ろう。今日から君もレガシー鬼殺隊だ。

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最後にヤバそうな自己啓発本のリンクを貼って終わります。

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