中国のエンターテイメント特化のクラウドファンディングサービス
クオン中国支社代表の佐藤です。日本や韓国のキャラクターを中国で展開したり、逆に中国のキャラクターを日本や韓国で展開したりしています。
今回は摩点という中国のクラウドファンディングサービスを紹介します。
摩点とは
「摩点」は中国のエンターテイメント領域に特化したクラウドファンディングサービスです。
2014年の設立以来、ゲーム・アニメーション・音楽などの分野で数千万円をゴールとしたプロジェクトを2,000件以上成功に導いてきました。
摩点を活用している企業
リアル脱出ゲームなどを手掛けるOMESCAPE(中国語名:奥秘之家)は摩点を最もうまく活用している企業の一つです。
OMESCAPEは定期的に摩点でプロジェクトを行っており、累計約6億円の支援を集めています。
中でも、最も成功したプロジェクトは故宮出版社とのコラボレーションで、故宮をテーマにした謎解きゲームブックの開発には約3億円の支援が集まりました。また、その約半年後にはVCからもシリーズA2で約6億円の調達をし、現在は中国だけでなく、アメリカ・フランス・イギリスなどでもサービスを展開しています。クラウドファンディングの成功は、開発資金を集めるだけでなく、VCへのアピールポイントにもなっています。
摩点の特徴
摩点はKickstarterを参考にして開発されたサービスですが、Kickstarterと大きく違うのはエンターテイメント領域に特化していることです。
また、摩点でのプロジェクトの立ち上げは3つのコースから選択することができます。
・事前購入:購入金額を受け取った後に商品の製造やサービスの開発を開始し、支援者の元に届けます。
・投げ銭:支援者へのリターンはなく、ただ寄付を募るコースです。中国ではもともと投げ銭の文化があるので、こちらのコースでも一定額の収益を見込むことができます。
・ステップアップ:プロジェクトのゴールに段階があり、累計支援金額によってリターンが変動します。中国にはPinduoduo(拼多多)という共同購入のプラットフォームがありますが、摩点にもプロジェクトに共同で支援できる機能があり、支援者自身がリターンのために累計支援金額をより多く集めるために知人に紹介したりします。
クラウドファンディング成功後の動き
もちろん企業によって異なりますが、クラウドファンディングのプロジェクトが成功した後、企業は以下のような行動を取っています。
・販路拡大
クラウドファンディングの成功を実績とし、商品の卸先を探します。逆に小売店もクラウドファンディングで新商品をチェックすることが増えています。
・資金調達
OMESCAPEのように、投資家からも資金を調達します。
・新たなクラウドファンディングの計画
1回の成功に留まらず、さらに規模を大きくしたプロジェクトを次々と立ち上げます。
日本企業の摩点の事例
キズナアイ
現在(2021年2月11日)もプロジェクトは継続中ですが、終了まであと21日を残して481%達成しています!
ARを使ったWeChatミニプログラム開発のプロジェクトで、金額にして約150万円を集めています。
桜降る代に决闘を
ボードゲームの"桜降る代に决闘を"は2017年というかなり早い段階で摩点でプロジェクトを行い、なんと1136%達成しました。金額にすると約460万円になります。
まとめ
ステップアップ方式で共同支援を狙うのと、寄付だけでも一定額支援が見込めるのは非常に中国っぽいなと思いました。
また、キズナアイなどの事例を見ると日本の企業も中国のクラウドファンディングは活用できそうですね。
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