医師国家試験100A36(SLE)
22歳の女性。発熱と顔面の紅斑とを主訴に来院した。昨年の冬に両手にRaynaud現象が出現し、時々関節痛があった。1週前、友人と海に行き日焼けをした後の皮膚に水疱を伴う皮疹が出現した。意識は清明。体温38.6℃。脈拍92/分、整。血圧110/60mmHg。顔面に蝶形紅斑を認める。頸部リンパ節腫脹を認める。胸部に異常はない。手と手指との関節に腫脹と圧痛とを認める。血液所見:赤沈48mm/1時間、赤血球306万、Hb 10.2g/dL、白血球2,600。血清生化学所見:AST 25U/L、ALT 30U/L。CRP 2.0mg/dL。
この疾患でみられるのはどれか。
a 補体価上昇
b 血小板過多
c 好酸球増多
d 血清IgG4低値
e 抗DNA抗体陽性
Raynaud現象と蝶形紅斑が記載されておりSLEなのは容易に分かります。その他にも関節症状や口腔内に無痛性の潰瘍を形成することも診断基準に含まれています。
SLEはCoombs分類で3型アレルギーに分類される自己免疫疾患です。
自己免疫疾患は自己抗体の証明が診断に重要となります。(免疫血清学検査)
SLEでは核内の物質に対する抗核抗体が陽性になります。(dsDNA抗体,抗sm抗体)
a 補体価
減少(免疫複合体による補体活性化で消費される)
d IgGは自己抗体の存在により増加します