3歳までの感情に絞る理由
こちらの記事の続きです。
今回は前回コメントをいただいた方の例を使わせていただいて、「3歳までの感情を探る練習」をしていきましょう。
こちらのメッセージで例に挙げてくれた、
を「3歳までの感情4種」に落とし込む作業になります。
なぜ感情を4種類に絞るのか?
この練習に入るまえに、感情スキルを上げていく際になぜ「3歳までの感情4種」にフォーカスすると良いのか?についてお話ししたいと思います。
「3歳までの感情4種」とは、
喜び
不安・怖い
悲しい
怒り
です。
まず1つ目の理由は、前回お話ししたように感情には無数のバリエーションがありますが、上の4つの感情以外の「その他」の感情については、4つの感情から派生した感情(派生感情)だから、ということになります。
例えば「恥ずかしい」という感情を例にあげると、「恥ずかしい」とは、
「誰かに自分がみられているという状況」
+
「そこから連想される喜びまたは不安」
が合わさって生まれてくる感情と考えることができます。
初めて人前でしゃべるときに、うまくしゃべれるかどうかという不安や、逆に自分の話で相手が喜んだり笑ったりしていることを想像しての嬉しい気持ちが、交互に来るときに、モジモジっとしたなんとも言えない気持ちになる。
つまり、派生感情というのは、
「状況(の認識、解釈)」+「基本感情(3歳までの感情)」
で生まれるということです。
そのため、関係的には「3歳まで感情」と「派生感情」は親子の関係になるので、感情をケアする際は、枝葉の「派生感情」をケアするよりも、大元となる「3歳までの感情」をケアしてあげた方がいいよね。
という話になります。
2つ目の理由は、前回もお話しした通り、感情スキル低めの人はむしろ、この「3歳までの感情」を認識したり表現することが苦手だから。
です。
例えばですが、会社の同僚に好きな人がいる30代女性「さち」さんがいるとします。
「好意」というのも派生感情の一つですが、これは「彼のことを考えたり想像すると嬉しい(喜び)気持ちになる」という「3歳までの感情」に、
「実際は今彼は私の彼氏ではない」
「会社から帰ってしまうと彼に会えない」
「彼と付き合うことができたら今よりももっとたくさん彼と会える」
などの状況を想像することで、もっと彼と近付きたいという願望が生まれ、それがいわゆる好意の感情になるのだと思います。
付き合ったら好意の感情が覚めるのは、
「いつでも会える」
という状況の変化が「もっと会いたい」という願望を減らすからかもしれません。
この女性「さち」さんが友人の「たかこ」に相談するときに、もし「さち」が自分の「3歳までの感情」を認識していなかったら、こんな風になりそうです。
たかこ:
「最近いい人いるー?」
さち:
「いい感じかなーっていうか、ありっちゃありかなーひと、いるにはいるけど、あんまり仕事できる感じじゃないし、あんまり接点もないんからなぁああ、、。」
たかこ:
「いやそうじゃなくて、好きなの?好きじゃないの?」
さち:
「え、、、。いや、、その、、好きっていうか、、まあ気になるくらい、、かな、、、そもそもあんまり喋ったこともないし、、なんていうか、、。」
たかこ:
「えー、じゃ私つないであげようか?」
さち:
「え!!!いいよ〜、、。恥ずかしいし。めんどくさいっていうか、、。」
たかこ:
「そっか!じゃ、またね!」
上の太字の部分は、派生感情に相当するものです。
実際にはこんなステレオタイプなやりとりはないかもしれませんが、
この、「派生感情」を並べ立てて「3歳までの感情」をはぐらかすという態度、行動は、感情スキルが低いことの現れ、特徴と言えると思います。
そしてこの特徴は、感情スキル要素『支援・達成』のスキルが低いということでもあります。
つまり自分が欲しいと思ったり、あるいは嫌だと感情的に感じていたとしても、それを支援したり達成してあげることができない状態に自分をもっていってしまうということです。これってもったいないですよね?
実際「さち」が自分の「3歳までの感情(彼と話せると嬉しい)」のままに行動して、結果がどうなるかというのはわからないわけですけど、そんなのはやってみないとわからないですし、やらずに派生感情を並べて人生つまんないって言っててもほんとに人生つまらなくなるだけ、だと思うんです。
なので感情スキル低めな人ほど、「3歳までの感情にフォーカスしてあげる」のが大事なんです。
3つ目の理由は、派生感情は思考が作っているから。です。
派生感情は”感情”という名前をつけているものの、実際のところは、「状況」を認識したり解釈する思考の部分が生み出しているため、基本的には思考の産物といえると思います。
・自分のことをどんな存在だと思っているのか
・周りの人をどんな人だと思っているのか
・自分の中の普通
・自分がこの世の普通だと思っていること
などの認識があった上で、
「恥ずかしい」になったり、
「屈辱」になったり、
「みじめ」になったり、
「寂しい」になったり、
するわけです。例はもう無限にあります。
なので派生感情をケアしても、それを生み出している思考をただ助長したり再確証したりすることになるだけで、感情のケアにはなりません。
例えば「惨め」だと思う感情をケアしても、
・自分がみんなからバカにされてる、適当に扱われている
という認識を自分で強めているだけでむしろ自分で自分の首を絞めるようなものです。
そうではなく、「惨め」のもとにはきっと「悲しい」があると思います。その「悲しい」という「3歳までシンプルな感情」を認識できたり、ケアできるようになることが、まずはとっても大事なんです。
感情の種類は少ないほど悩みにくい
「3歳までの感情」に絞る理由を3つ説明しましたが、もっと簡単に言い換えると、感情の種類が少ない人ほど悩みにくいと考えると分かりやすいかと思います。
身の回りに、すぐ怒るけどすぐ機嫌治ったり、感情的なんだけど陰湿じゃなかったり、なんか感情スキル高めだよなーって思う人いませんか?そういう人が例えば、「やるせない」とかいいますかね?笑
究極、人間以外の動物がもつ「快」「不快」の2種類しか感情がない、に近ければ近い人ほど、無駄に悩むことがありません。
いきなりそうなる、というのは難しいかもしれませんが、まずは自分が複雑にしている感情というのを絞って「3歳までの感情」に落とし込んであげるだけで、気持ちのあり方はだいぶ変わるのでおすすめです。
具体的に練習をしようとおもいましたが長くなったので次回の記事でさらに続けたいと思います!
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