![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145151374/rectangle_large_type_2_098ce9e043ca30f579643567059c9e81.jpeg?width=1200)
【解説】最近のディズニーがおかしい➀ 入園料が高い
最初にお伝えしたいことは、こうなると思っていたということです。こうなる、つまり、おかしいと言われるようになるということは1996年頃から解っていたことです。出来事から原因をさぐるのは、東京ディズニーランドで長く指導監督職を務めた者にとって難しいことではありません。
しかしながら、このことを伝える人がほとんどいません。ディズニーを愛するからでしょうが、愛するからこそ気兼ねなく本当のことを私は書き述べていきたいと思います。
まずはこちらをサッとご覧ください。
最近のディズニーがおかしいと言われる5つの理由は?二度と行かないという声も?|インスパイヤ (inspyre.jp)
この記事の目次
最近のディズニーがおかしいと言われる5つの理由は?
理由①:チケットの値上げで高すぎるから
理由②:夢の国感が減ったから
理由③:アトラクション休止が多いから
理由④:アルコールが飲めるようになったから
理由⑤:キャストの質が低下しているから
「二度と行かないという声などの口コミも?」
「ディズニーは圧倒的に良い口コミの方が多いし、おかしいというのは少数意見!」
<引用終了>
今日のnoteでは理由➀の「チケットが高すぎるから」について解説します。
チケットの料金については以前にこちらのnoteに示しました。
入園料値上げと回収問題 ウォルト・ディズニーはカンカンに怒っている|中村むねひら (note.com)より
東京ディズニーランド入園料(大人)の値上げを以下のようにまとめましたのでご覧ください。
開園時3900円 → 現在10900円
1983~20年間 1,600円値上げ 141%
2003~20年間 5,400円値上げ 198%
40年間 7,000円値上げ 279%、
最初の20年間で1,4倍の値上げに抑えられていた入園料が、後の20年間で開園時の2倍に、40年間トータルで約3倍に値上げされたことが分かります。
<終了>
年度ごとの入園者数は以下の通りです。
1998年度 17,300,000人 東京ディズニーランド15周年
1999年度 16,507,000人
2000年度 17,300,000人
2001年度 22,047,000人 東京ディズニーシー開園(9月)
2002年度 24,820,000人
2003年度 25,473,000人 東京ディズニーランド20周年
2004年度 25,021,000人
2005年度 24,766,000人
2006年度 25,816,000人
ワンパーク時で1700万人ですから2パークになれば3400万人とはいえずとも、3000万人くらいの入園者数になると経営陣と株主たちは考えたのでしょうが、2パークになっても2500万ほど、単純計算で東京ディズニーシーは800万人の集客効果しかなかったことになります。
一方で株価を見ると現在は4500円、2005年12月末は6500円であり、2000年が6700円でしたから下がっていることが分かります。
私は株に詳しくないので株価解説は差し控えますが、入園者数と株価だけみても経営陣は「動揺した」と考えられ、先に示した値上げと(刺激性の強いアトラクション導入による)入場者数向上に走ったと私は考えています。
2003~20年間 5,400円値上げ 198%
単純化すると経営陣の「焦り」が値上げへとつながっていったと考えられます。
タイトルの「最近のディズニーはおかしい」の①である「チケットが高い」に関して少しだけ解説します。「少しだけ」と書いた理由は、以下のことは様々な「おかしさ」に当てはまるからです。
最近「コスパ(コストパフォーマンス)」という言葉を耳にします。支払った料金に対して相応な満足を得たか否かですが、これは個人差があります。そして、来場で満足した人はリピーターになり、不満足の人は「二度と来るか」になります。テーマパークに限らずラーメン屋さんでも同じです。
誰でも知っている「コスパが悪ければ“何も言わず”二度と行かなくなる」という前提(出発点)が明確でなければ、あらゆるビジネスは成立しません。紹介したサイトにある「ディズニーは圧倒的に良い口コミの方が多いし、おかしいというのは少数意見!」は前提である“何も言わず”が理解されていません。
SNSが存在しなかった頃でのディズニーランドでも「2件の苦情で1000人のゲストの信頼性を失う」と言われてきました。
オリエンタルランドの経営陣は「コスパ」についての認識が甘すぎる、自社の売上げと利益だけを考えているから「チケットが高い(だからもう行けないね)」という声が大きくなった」、これが今日のnoteの結論です。
結論を書いた後に以下のサイトが目に留まりました。読む必要はありません。
ディズニーリゾート“相次ぐ値上げ”は成功?客層の“足切り”で、客単価は5年で1.4倍に(週刊SPA!) - Yahoo!ニュース
コロナ禍以降、オリエンタルランドは従来の客数を重視する姿勢から顧客満足度を重視する姿勢へと転換しており、値上げや変動価格制の導入、そして入場制限を実施してきました。
<引用終了>
“足切り”で成功?とは、来ていただきたいゲストをセレクトして成功という意味に理解できます。つまり、裕福なゲストのためのパークに変革して大きな利益が出たということです、コロナによる「ディズニーロス」直後の2023年度には当てはまったでしょうが、少子高齢化が進む東京ディズニーランド50周年の2033年にはどうなるでしょうか。
ディズニー・テーマパークを知らない経営陣・・・ 困ったものです。