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認知症になったら

お久しぶりです。

忘れた訳ではありませんが、過去に書いた記事の内容すら忘れるくらい放置していました。最近は一人である事から様々な事を考えてしまいます。

私の家族は兄弟は無し、祖父母と父は平成20年代に続けて亡くなり、母は存命の筈ですが、生前の父のDVにより精神を病み、現在は精神科の病院に入院しています。家族とは20年以上も音信不通ですが、恐らく今母に会った所で社会復帰は困難だと思われます。不幸なのか幸いなのかは分かりませんが、この様な混乱した時代に生きる事をしなかった事は彼らにとっては良かったのかもしれません。

さて、過去をふと思い出した時、家を出る前に既に祖父は認知症になっていました。

ある時祖母が

「じいさんが何処かに出かけてしまった!まったく!どうしようもない人だ!」

と笑いながらも非常に引きつった顔をしていました。

続けて

「仕方ないから私が探しに行ってくるわ!」

と、歩くより遅い三輪自転車で家を出てゆきました。

その話を聞いて、母以外はあちこち探しに回ったのですが、結局一番先に見つけて探し出したのは私でした。

それぞれの捜索ルート

雑多なマップですが、分かりやすくする為に作成しています。なお、現在実家は存在しませんので、個人情報なども問題はありません。

さて、私が一番先に祖父をほぼピンポイントで見つけました。彼は廃止されたゲートボール場に一人ぽつんとたたずんでいたのです。

読みとしては・・・

祖父は退職後に様々な趣味を持っていたが、中でも活動的に行っていたのは「ゲートボール」でした。他は神社の世話役や俳句に陶芸などもありましたが、「一番楽しそうに活動していた」事と「家からの距離が近い」事で第一の捜索場所として車を向かわせたら「いた」のです。

きっと、認知症になると以前に楽しかった事だけが思い出されて行動してしまうのかもしれませんね。

さて、見つけました・・・までは良かったのです。問題はそこから・・・

私「何やってるの!そんな所にいて!みんな爺さんがいなくなったって大騒ぎして探しているんだよ?早く帰らなきゃ」
祖父「これからゲートボールやるんだよ」
私「これからって言ったって、何も道具を持ってきていないじゃない」
祖父「大丈夫、道具ならみんなが持っているから」
私「それと、この場所は何年も前に使われなくなった場所なんだよ?」
祖父「大丈夫、これからみんな来るから」

このままでは何を言っても「大丈夫」で話になりません。かといって力づくで車に押し込んでも何かあったら大変です。そこで・・・

私「よし分かった!とりあえず皆が探しているから一度家に戻ろう!もし皆がここに来た時は電話をくれるはずだ、そうしたらすぐにここに送ってあげるから、まずは車に乗ってくれ!」
祖父「そうか・・・わかった・・・」

と、ある種の交換条件付きで渋々祖父は車に乗りました。

当時私は20代前半でしたが、不思議と話をまとめる事が出来ました。なぜ、そこで若造が簡単に話をまとめられたのかは今でも分かりませんが、無理や強引を前面に押し出さなかったからかもしれません。

そして、祖父を車に乗せ家に向かうと・・・

家から100m位離れた所に祖母が必死になって自転車を漕いでいました
(;´・ω・)

見つけた旨を祖母に伝えると、今まで引きつっていた表情が緩み

「そうか、ありがとよ。私も今戻るから、先に家に行っててくれ」

時間にして10分程度の出来事、それにしても10分で100mしか進めない祖母は一体・・・多分、かなり混乱していたのでしょう。その混乱も長年連れ添った夫婦の愛情だったのかもしれませんね。

さて、纏めますと・・・

・認知症は本人が理解していない
・否定されると意地になって時に怒り出す
・健康だった頃の楽しい記憶は認知症になっても強く存在する
・連れ戻す時は強引な事をせず、本人に納得してもらう事が大切

この一件で学んだ事です。

何かと家族の役には立てず、結果として家を出てしまいましたが、この時は「人の役に立った」と自信を持ちました。

そして、この経験は今の仕事にも役立てています。何かと言うと「酔客への対応」です。こう申しては大変失礼ですが、ひどく酔ったお客様は認知症の老人と変わらない時があります。

なので、お客様の行動を絶対に否定せず、自分にとって大変理不尽とは思いつつも・・・

「お客様、大変お疲れで申し訳ございませんが、ご指定の場所近くまで到着致しました。この先の場所を教えて頂けますでしょうか?」

と、極めて丁寧かつ下手に出る様にしています。

当然一声で起きる訳もなく、何度も何十分も繰り返す事は日常です。

でも、この方法でお客様は起きた後に

「あ?・・・ああ!ごめんね!思いっきり寝てた!」

と比較的気分よく起きて頂き、トラブルもなく降車して頂けます。

過去の経験は色々な所で役に立つ時がありますので、今の苦労もこの先何かに役に立つ。そう思い日々精進する事が大切なのかもしれません。

あー、日々精進です!とは昔のドラマ「グッドラック」で段田安則さん演じる太田チーフのセリフです。そして段田さんと岸田総理はなんとなく似ている感じがしますねぇ・・・( ´∀` )

さて、この先、日本も世界も皆様も私にも

幸せがたくさん待ち受けていますように!

強引や強制ではなく、自発的に何かを幸せにする

そんな世界観が地球全体に広がれば、未来はとてもまぶしく光る素晴らしい世界になる事でしょう。

それでは、また、お会いしましょう
(@^^)/~~~

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