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【32日目】他人がしてくることは、自分がするかもしれないこと(ジンセイのトリセツ)

◆宇宙の終わりと「うに」の気持ち

 前回の内容は難しかったと思います。特に中盤は
「宇宙の終わり……???」
という感想じゃないかと思うのですが……。

 でも、この【地獄世界】=宇宙全体が存在する「理由」というものがちゃんとありまして、その理由にそって宇宙というものは運営されておりまして、その結果、時間が必ず行き着く『ゴールの時刻』が「時間の終わり」でして……。
 その「時間の終わり」というのが『宇宙空間全部がモト』という状態になることでして……だから、僕たち生き物のココロは

「幸せになりたい」=「モトあつめがしたい」と思ってしまう

ように「うに」によって『プログラムされている』という話だったんですが……。

 このへんをちゃんと理解するには次の「エキスパート編」まで全部を読んでいただくしかないのではないかと思います。

 ただ、僕たちが今「幸せに生きる」ために、特に『他者を許す』ためには、この知識がどうしても必要なんです。どうしてそんな「宇宙の終わり」なんて知識がいるのかというと、『うにのトゲ理論』の

「うに」の気持ち

を理解するためです。


◆「うに」の気持ちを想像してみよう

 「うに」はトゲをニューっと伸ばして、その先に僕たち「個の命」をぶら下げています。その「個の命」(すなわち僕たち)は自分が「うに」の一部だとは知りもしません。ですが「うに」自身は当然のように「トゲの先の個が自分の一部だ」と完全に理解しています。
 あなたの命もそういう構造のもと、今この地獄世界に「存在する」形になっています。この構造は僕のもそうですし、あなたのもそうですし、そしてあなたのキライなあんちくしょうのもそうなんです。あなたはあんちくしょうと「別の人間」だと思って生きていますが、実は「うに」からは隣同士の「自分の一部」に見えいてる、という話でしたね。

 「うに」としては、その二つの「個の命」が地獄世界で何をするか、どういう関係になるか……それをひたすら慎重に見ています(世界中の生き物、全部を同時にです……全知全能だからです……器用ですね)。そして実は、その「個の命」がやりたいこと、やりたくないから避けたいことを

邪魔しない

という心づもりで、僕たちを見守っています。言い換えれば

「起こった問題を自分たちで解決する」という歴史

を邪魔しないように、ただ宇宙の終わりまで僕たちを見ています。
 ですが……時間の修正、という話もしましたね。宇宙の歴史全体を見て「こらアカンな」という場面は「うに」によってちょいちょい修正されています。ちょっと難しいですが、ゆえに僕たちが見ているのは常に「修正後」の時間・歴史なんです……僕たちは時間の修正を知覚できませんからね。

 結局のところ……「うに」からすると、その場でその出来事が起こるのは、宇宙の歴史全体という観点から『必然』なんです。あなたにイヤなことを誰かがやって、あなたがその時イヤな気持ちになる、という出来事もその一部なんです。
 そして……この出来事を「うに」から見ると「イヤなことをされたあなた」と「イヤなことをしたあんちくしょう」は

どちらも自分

なんです。繰り返しますが「自分が自分にやっているように見える」ということです。(天国はじゃんけんができない世界だ、と話しましたね……なんでも知っている、全知全能というのはそういう感覚なんです)


◆他人がしてくることは、自分がするかもしれないこと

 一方で、僕らは「うに」ではないので(地獄にいる間、ですよ。天国では「うに」と同化した視点で見られるはずです)、今起こっているイヤな出来事は『イヤなことをしてきた相手のしてきたこと』と当たり前に考えるはずです。相手は自分ではないのですから(相手は自分のカラダの外側にいる存在だからです……入門編の最後に書いたこと『カラダは【境い目】である』を思い出してください)。

 ですが、【うにのトゲ理論】を紹介したときに書いたとおり

あなたは、わたし

なんです。これはポエムではなく構造上の事実なんです。ですからシンプルに、こう考えられます。

『他人がしてくることは、自分がするかもしれないこと』

もし、誰かが自分にイヤなことをしてくる場面に差し掛かったら、一番にこう考えてみてください。相手は知らないんです、あなたが「自分自身」であるというシンプルな事実を。もし知っていたら、そんなイヤなことを他人にやったりしません(相手を殺して食べないと自分が死ぬ、という場合を除きます。これは生き物のプログラムなんです)。


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日南本倶生(みゅんひはうぜん)
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)