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【21日目】人類の意思と知性『アタマ』(セカイのトリセツ)

◆アタマと『意思』

 今回は「なぜ我々には『意思』があるのか?」という話です。

 そもそも、僕たちにはココロ(モトでできたパーツ)がありますので、カラダとココロだけあれば、本来なら十分な地獄ライフを送れるはずです。すなわち、生まれて、生きて、死んでいく。地獄ライフとはこれだけのシンプルなものであったはずなんです……ごちゃごちゃうるさい【アタマ】さえなければ。

 ちょっと復習しましょう……モトの考え方から、ニンゲンというものは

【三つのパーツ】の集合体

である、という話でしたね。すなわち「カラダ」「ココロ」「アタマ」の三つです。これらが対等な立場でくっついているもの、それがニンゲンというものだという話を入門編で書きました。ココロとアタマは見分けづらいのですが、自動的に感情を出してくるパーツがココロ、ごちゃごちゃ言葉で考えているのがアタマです。

 この『意思』を司(つかさど)る【アタマ】があるからこそ、前回みっちり書いたように、僕たちは色々なことで悩み、苦しみ、そしてストレスを感じるわけです。ではなぜ僕たちにこのやっかいなパーツである【アタマ】がついているのでしょうか。


◆ココロに逆らう力、それが『意思』

 くり返しますが、この【アタマ】はココロとよくケンカします。その状態を「ストレス」といいます。つまり【アタマ】さえなければストレスなんて感じなくてすむわけです。
 ですが逆に考えるとこの【アタマ】と、その機能である「意思」こそが

ココロに逆らう力(ちから)

を持っている唯一の機能なんです。

 カラダはあまりココロに逆らいません。ココロが思い浮かべたとおりに動いてくれます。怖いときは逃げる、苦しいときはジタバタする、面白いときは笑う、そういうことをしてくれます。ですが、人間には発達したこの【アタマ】があるから「今笑っちゃだめだ」とか「苦しいけど笑顔を見せないと」など、シチュエーションというものを判断して行動をコントロールできるんでしたね。

 そして前回『一番目』『二番目』のモトあつめを復習しましたけど、ココロだけに任せていたら『二番目』のモトあつめをすることがほとんどできないんです。
 初級編・上級編でたっぷりご紹介したとおり『二番目』のモトあつめをするには『ものの道理』というふうなものを

【アタマ】で理解する

必要があるんです。この『ものの道理』というのをモトの考え方で言いかえると、いったん自分のモトを相手に分け与えることで相手が自分にモトを返してくれる(可能性が高まる)、という「計算」や「予測」のことで、それができるのは【ココロ】ではなく【アタマ】なのだ、という話なんです。
 この【アタマ】を意識的に上手に使って『二番目』のモトあつめをすることで、『一番目』よりもっともっと多くのモトを【有】の状態に変えることができるのです。

 そしてこういう『【アタマ】が発達した生物』が誕生し、地球上にたくさん分布することが宇宙の「歴史のシナリオ」に書いてあったわけです。もちろんそれにも「理由」があるはずです。それはすでに「起こってしまっている」わけですから。


◆宇宙はなぜ『意思』ある人類を発生させたのか

 エキスパート編で書いてきたとおり、定められた「宇宙の終わり」に向かって『時間軸のシナリオ』が書いてあるのだとしたら、【アタマ】の発達した我々人類という生物が地球で発生し繁栄することも、シナリオの重要な部分として書かれているはずです。

 その理由はおそらく【アタマ】の機能の一つである「知性」の発生です。
 知性とは「気づく力」です。この知性というものがあるからこそ、我々人類は色々なことに

「気づく」

ことができたのです。たとえば

  • 水は高いところから低いところに流れる

  • 空間が「空気」というもので満ちている

  • 「ゼロ」という数がある

  • 体調不良の原因の一つは目に見えないほど小さな生き物のしわざ

  • すべての物体はとても小さなツブツブでできている

  • 最後のお菓子を食べると雰囲気が悪くなる

などなど。そして、21世紀の今

  • ココロは『モト』というツブツブでできている

  • セカイは『モト』というツブツブでできている

という新しい発見をこの「知性」がやってのけました。全ては人類の【アタマ】に「知性」が発達したおかげです。

 そしてそういうことももちろん宇宙の歴史、つまり『時間軸のシナリオ』どおりに起こっているはずです。
 では『時間軸のシナリオ』に「知性の発達」、つまり【アタマ】が発達した生物であるあなたや他の人が生まれる、ということが書き込んであるのはなぜか? それは人類に備わった高度な【アタマ】の働きで

『モトという仕組み』にみずから気づかせるため

ではないか、と僕は考えています。

 入門編の初めのほうで紹介したとおり、この『モト』という概念があれば

  • 僕たちはなぜこの世に生まれてくるのか?

  • なぜ生き物は死ぬのか、死んでしまったらその後どうなるのか?

  • そもそも「人生」というのもがどうして存在するのか?

  • 今僕たちが生きている「この世」とは何なのか?

  • どうして、人生ではツラいことばかり起こるのか?

という、今までは「考えても仕方がなかったこと」について、全部言葉で『説明』ができるようになります(そして本当にできましたよね……ここまでの話で)。
 古今東西、たくさんの人がこれらの「考えても仕方がないこと」で大いに悩んできました。特に『モトの話』では中級編で答えを出した「愛とは何か」という人類積年の大疑問にも、これまでに大勢の人が取り組み、さまざまな「カッコいい言葉」を残してきました。ですが、やっぱりそれもいまだに「考えても仕方がないこと」の中の一つで、結局は人それぞれ、自分で考えてね? ということになってしまっています。
 どうしてこういう「考えても仕方がないこと」にこれまで大勢の偉い人が宗教や哲学、スピリチュアルな視点で取り組んできたのかというと、そういう「考えても仕方ないこと」で自分自身がとても苦しんでいらっしゃったからで、その苦しみを取り除くために

ちゃんとした答え

を追い求めていたからにほかなりません。僕は偉人でもなんでもないのですが、やはり過去の人々と同じく「考えても仕方がない色々」に悩み、苦しんできました。そして、同じように苦しんできた過去の偉人たちの「知性」が発見した様々な「知恵」という助けを借りながら、30年ほどもがき苦しみ、そしてやっと『モト』にたどり着きました。

 『モト理論』はたしかに僕がまとめたものですが、僕がこの『モトの話』を書くことができているのは、これまで人類が一生懸命に【アタマ】を駆使して、そしてゆるぎない『意思』の力で答えを追い求めた結果として、僕がたまたま『モト』という結論にたどり着くことができたからだと思っています(「たまたま」は宇宙の構造上存在しませんが、あえてこう書きます)。

 ですから僕はこう宣言してしまいます。僕たち人類に【アタマ】が備わっている理由、そして「人生」の答えを自らの手でつかみ取ろうとする、人間の強い

『意志の力』

が備わっている理由とは、この『モトの話』を自ら見つけ出すことで、よりよい歴史の『プロセス』が進み始めるよう宇宙が「仕組んだ」からに違いないはずです。

 これをあえてものすごく古くさい言い方にすると
「神さまの思し召し」
なのかもしれません。

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 では次回からいよいよ……そういうふうな宇宙の『歴史のシナリオ』なんてものがどうしてあるのか? 誰が書いたのか? という話に入ります。そう、お待ちかねの【神さま】の話です。


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日南本倶生(みゅんひはうぜん)
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)