見出し画像

【31日目】他者を許すための「幸せ」の知識(ジンセイのトリセツ)

◆うにから見た「キミと僕」

 さて、上級編最後の話題は

他者を「許すこと」

です。そのために必要な知識は、何回か前にお話しした

【うにのトゲ理論】

です。

 僕たちの命というのは、大きな『命のカタマリ』からニューっと伸びてきたトゲの先にぶら下がっているような構造をしていて、自分だけでなく命あるもの全員がそうで、そして全員が「そういう構造なのを知らない」という【地獄のルール】の上で生きている……その命のカタマリとトゲトゲをもし客観的に見ることができたら、生き物の「うに」みたいに見えるかも? というのが【うにのトゲ理論】です。
 ツメに顔を書く実験もしましたね。ツメの顔たちはみんな自分が『個人』だと信じているけど、あなたから見るとどの指もあくまで『自分の指』に過ぎないのだ、という話でした。
 これを全人類(全生物)に拡大したのが【うにのトゲ理論】なんです。

 すなわち……

 「うに」の視点からすると、僕もあなたも、あなたのキライなあんちくしょうも、みんな単なる「自分の一部」に見えていて、だからそれぞれがお互いにどう思っていようが、どんな生き方をしようが、全員がいずれトゲとして「自分に帰ってくる」だけなので、すべての出来事が本当に「なんてことない」んです。
 「うに」としては『時間の終わり』の「時刻」までそれらトゲたちが「どう過ごすか」というのを見守っていて、それ以外のことはあまり気にしていないはずなんです。
(これは半分エキスパート編の内容です……今はちょっとむずかしい話かもしれません)


◆「幸せ」というものが『なぜ』あるのか

 一方で、定命の者である僕たち人間はどう生きていったらいいのか?問題はそこです。

 実はこれ、前回までとうとうと語ってきた『幸せ』というものが

 なぜ『ある』のか?

という話でもあるんです。考えたことありますか? なぜ『幸せ』という感覚・状態が「存在する」のか……?

 今までの話で僕はモトの観点から

ココロという器官にはモトの【量】を増やすと幸せを感じる「仕組み・メカニズム」がある

と何度も書いてきましたが、その「理由」、言い換えれば「なぜそういう仕組があるのか?」についてはまだでしたよね。こういうことにもちゃんと理由があります。村上春樹の小説にも

『物事にはすべからく理由というものがあるのだ。』

(『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』より)

というフレーズが出てきますが、本当にそのとおりなんです。

 ではその『理由』とは、何でしょうか? それは『宇宙の終わり』というものが、空間がモトだけで満たされる瞬間を指しているからです。

?????

と思ったでしょ? 正直、これはそうとう難しい概念かと思います……くわしいことはエキスパート編でみっちりお話しますが、今はこのことを頭の片隅にでもなんとなく置いておいてください。そうすると、二番目のモトあつめがやりやすくなりますから。


◆うにの目的と僕たちの幸せ

 ところで、僕らは「幸せな方がいい」ですよね? これは異論がないでしょう。なぜ「いい」かというと、いい気分になるからですし、イヤな気分でなくなるからです。これも異論なし。

 問題は「どうして『いい』のか?」です。これには【うにのトゲ理論】の構造が関係しています。
 僕らという存在は「うに」のトゲの先っちょにぶら下がっている『うにの一部分』なんですけど、もし「うに」に

「こういう構造でないといけない」という『理由』

があるとするなら、それがそのまま僕たちの『ココロの構造』に反映されていないとつじつまが合わないことになります。なぜなら【うにのトゲ理論】では、僕らのココロはそのまま「うに」本体に物理的に直結しているからです。

 この状態で個々のココロに「モトを集めると幸せを感じる、という機能」がついているということは、それぞれの『個』のココロたちが自主的にモトあつめをしてくれるはず、と「うに」に期待されているということを意味しています。ビジネスライクに書くと「モトあつめにインセンティブが働く」という言い方もできますね……(インセンティブとは「自分からやりたくなる」という意味です)。
 なぜそう考えられるのかはさきほど書いたとおり、僕たちのココロというものが元から「幸せな方が『いい』と感じる」という造り・構造をしているからです。

 ここまでで、なぜ「うに」が僕たちに『モトあつめをさせたい』のか、という理由が推測できます。つまりそれが「うに」自身の目的だからです。言い換えれば、うにはモトをできるだけ増やすことを目的としていることになります。
 なぜなら……これが「最大」になったときが『宇宙の完成』……つまり、宇宙の時間が終わるときだからです!


◆宇宙の構造から解かるジンセイの『正解』

 この『宇宙の完成』についても、エキスパート編でたっぷりお話します。今は【14日目】でお話したとおり「宇宙(地獄)の時間には『終わり』の時刻がある」というところまでおさえておいてください。その時刻に「宇宙空間がモトでいっぱいになる」という瞬間が来る、ということです(その理由も次巻でちゃんとお話します)。

 実は「うに」という存在はね……なんと全知全能なんですよ。この地獄世界のことを何でも知ってるんです……あなたの知らない『相手の気持ちや事情』も、あなたにとって『未来に起こる出来事』も、それこそ僕たちがどんな人生を歩んで(その間にどんなことを「こっそり」やったり思ったりしたか、もですよ)、いつどうやって自分の中に帰ってくる(つまり地獄で死ぬ)かも、みんなみんなです。だって

全部のトゲが『自分』

なんですから。

 そして「うに」はまた、そういうたくさんの『時代』をへて、そして最後にはすべての生き物に「幸せ「だけ」しかない世界」=空間のすべてがモトでできている『宇宙の終わり』が「必ず来る」ことも知っています。「うに」から見たら、僕たちが体験している『今』という時間はそれまでのプロセス(過程)にすぎないんです。
(【14日目】の『積み木のお城』の話を思い出してください)

 だから、要するにトゲである僕たちもこの「うに」の思惑通りに生きればいい、ということになります。そうすれば自動的に幸せな人生を歩めるはずです。

 つまり……僕たちは

できるだけ「モトを増やす」生き方をすればいい

ということになります。これこそが「ジンセイの『正解』」というわけです。


←前の話
次の話→


いいなと思ったら応援しよう!

日南本倶生(みゅんひはうぜん)
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)