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2月24日はツイン・ピークス・デーです


『ツイン・ピークス』というドラマをご存知でしょうか?
日本では1991年に放送され、一大ブームとなったアメリカの連続ドラマです。
女子高生殺人事件の謎解きを軸に、多様な人間模様を描いた群像劇で、舞台は米国の架空の町ツイン・ピークス。
ミステリー、ホラー、オカルト、コメディ、青春・恋愛ドラマ。全ての要素を備えつつ、どの枠にも収まらない、強い輝きを放つカルト作です。
2017年にリミテッド・イベント・シリーズと称し、完結編(?)が放送されました(何故この年に続編が作られたのか、オリジナル・シリーズに伏線があるのがすごい!)。
2月24日は、女子高生ローラの死体が発見され、FBIのクーパー捜査官が現地入りした日だそう。つまり、全ての始まりの日。
春に向けて、気持ちが明るくなりつつも、なんとなく落ち着かない。ソワソワするこの時期に観始めるのが相応しいドラマです。

リアタイではなく、成人後に観た私ですが、世界観にすっかり夢中になり、何度も鑑賞を重ねています。
ピーカー(ツイン・ピークスの熱狂的なファン)を名乗るほどではありませんが、監督のデヴィッド・リンチ作品が好きで、ほぼ全作偏愛している私から、『ツイン・ピークス』の魅力をお伝したいと思います。
古い作品ですし、アクが強いので好き嫌いは分かれると思いますが、ハマったら抜け出せない沼のような魅力がありますよ。

①個性的すぎる大勢の登場人物
総勢60人を超える登場人物が登場します。初見ではこの人誰だっけ・・・・?となることもあります。これだけの人数を登場させて話を展開するリンチは流石です(脚本を共同で担当したマーク・フロストの手腕も大きいようです)。
が、それぞれ皆さん強烈でどうしてそんな人物を思いつくの〜、と感嘆してしまう。ちょっとおふざけが過ぎるのでは、と感じるくらいやり過ぎなキャラもいますが。
丸太おばさん、片腕の男、赤い部屋の小人。殺人鬼ボブ。
美しい女子高生たちに、切れ者のFBI捜査官、心優しき保安官。読んでいるだけで胸がときめきませんか(私だけかな)。
必ず「推し」が見つかるはずです。


②単なる謎解きではない。哲学的示唆に富んだストーリー
優等生として評判の女子高生ローラ・パーマーを殺したのは誰か?この謎が物語の中心にあることは間違いありません。
捜査が進むにつれ、ローラや住民の裏の顔が少しずつ白日の元にさらされるミステリとしての面白さが、このドラマの見どころです。
が、人間の善悪や「家族」というシステムが抱える問題まで踏み込んだ意欲作とも感じます。エンタメ性との両立が素晴らしいです。
平和に見えた田舎町、ツイン・ピークスには恐ろしい悪が蔓延っていました。
精神世界を象徴する「ブラック・ロッジ」「ホワイト・ロッジ」、欲望渦巻く娼館「片目のジャック」など蠱惑的な場所が登場し、物語に深みを与えています。難解な表現も多く、私は一体何を見せられているのだ・・と置いていかれることもしばしば(特にリミテッド・イベント・シーズンは壮大で観念的)。
でも、リンチの作品は観れば観るほど理解が深まるスルメと同じなんです(私見)。
前回は分からなかった箇所が、次は「これはこういう事かな」と気づくんです。この瞬間が快感で、リンチ作品を観続けていると言っても過言ではありません。

③唯一無二の「エモ」さ。それはどこから来るのか
『ツイン・ピークス』を観ていると妙に懐かしい気持ちになります。少し怖いけれど甘美なノスタルジーに浸れます。
まるで、自分の故郷に帰ってきたような。昔ここに住んでいたっけ?この奇妙な世界に私も含まれているのでは、と感じる。
面白いドラマやよくできたドラマは多いですが、私がこの感覚を得られるのは『ツイン・ピークス』だけです。
リンチの撮る作品は、現実から半歩だけズレたような白昼夢感があります。ここがおかしい、と明確には言えないけれど、限りなく現実に近い、この世ならざる世界。自分がいたかもしれない、パラレルワールド。
リンチは自身の「夢」や過去に体験した不思議な出来事を作品に投影していると語っています(映画:『デヴィッド・リンチ:アートライフ』より)
これが、「懐かしさ」を感じる原因かもしれない。つまり、鑑賞者の潜在意識に共鳴するのではないか。
リンチの作品は、めちゃくちゃなようで意外とロジカルに出来ています。が、何度観ても辻褄が合わない事や、異形の者が登場します。それは、永遠にブラックボックスのまま放置されるべき謎なのかもしれません。見た「夢」を論理的に分析するのは無理ですもんね。

『ツイン・ピークス』への熱い想いを語ってきましたが、

オリジナル・シリーズ30話

映画『ローラ・パーマー 最後の7日間』

リミテッド・イベント・シリーズ18回

と、かなりのボリューム。決して気軽に鑑賞出来る作品ではありません(泣)
配信は、現在U-NEXTのみ。
とは言いつつも、この作品の魅力は相当なものですので、気になっている方が観るきっかけになれば良いなと思って書きました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

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