俺ゲー of the イヤー 2024

挨拶

今年は衝撃的なゲームに数多く出会えたので書きたくなった。
「今年に発売された」ではなく「今年初めてプレイした」ゲームや移植作品が対象となる。
筆者の主観のみで選んでいるので、その点はご了承下さい。

ゲームが各賞にノミネートされた理由は当然のこと、ゲームそのもののレビューや思い出などもセットで語っているので非常にボリューミーな記事になっています。

目次はネタバレになるので無しです。ではどうぞ。

2024.12.25 一部賞の受賞作品を追加。文言の修正や追記。








衝撃の出オチだったで賞

何だよこのゲーム!!! っていうやつに送る賞。

1/8192

仏教の曼荼羅空間で運の禅問答に挑む旅。 墓石や仏像が彩る幽玄の世界で、8192分の1の涅槃に到達せよ。

ゲーム概要(公式ページより)

青の扉か緑の扉を選び続けるゲーム。1/2で当たりで、13連続当たりを引けばクリア。
まぁなんというか……「これはゲームか?」という感想に尽きる。
悪ノリで深夜にワイワイみんなで同時に遊んだりする、コミュニケーション促進のゲームとしては上等。


アクアリウム

かつてゲームセンターで稼働していたという……にはあまりにも稼働数が少なかったであろうパズルゲーム『アクアリウム』
商品ページがあるわけが無いので、RTAイベントで走った動画で紹介。

凶悪なスキル『チェンジ』で自分と相手の盤面を交換する様は、視聴者の困惑と笑いを誘ったとかなんとか。

実際のところは出オチと言い切っていいゲームではなく、ちゃんとパズルゲーム要素もあるし、スキルを使った対人戦も面白そうではある。想定ではチェンジ1強ではないはずだ。しかし、それらを掘り下げる機会が無かったので今回はここにノミネート。

来年誰か対人して研究しませんか? 言われたら基板、持っていくんで。




衝撃の移植・リメイクだったで賞

生きている内に移植やリメイクに出会えて良かったというゲームに送る賞。

スパイクアウトFE(龍が如く8内ミニゲーム)

龍が如くシリーズの舞台にはゲームセンターがあり、実際にSEGA製のアーケードゲームが遊べるものがある。

龍が如く8では、スパイクアウトFEというゲームが遊べる。
これは、1999年にゲームセンターで稼働開始してから2024年まで、一切家庭用に移植がされていないゲームであった。

内容としては3Dになったベルトスクロールアクションと言う感じ。
次々に出てくる敵を、ボタンとレバーの組み合わせで様々な技を繰り出して、吹き飛ばしてまとめて倒したり、コンボを決めながら倒していくというもの。
あまり他に類を見ないゲームではあるが、シンプルな操作で激しく爽快に遊べるゲームとなっている。

龍が如くシリーズの開発者がTwitterにスパイクアウトについての話題を出していたので紹介。スパイクアウトが、龍が如くのバトルシステムの元にもなったという話に触れている。それにしても、熱量が凄まじい。

龍が如くシリーズには触れたことが無かったが、数年前に通っていたゲームセンターでスパイクアウトFEに出会い、移植が無いことを残念に思っていた時期があった。それが25年越しに奇跡の移植。当然のノミネート。

なお、龍が如く8はチャプター1でゲームセンターに行けるようになってから一切ストーリーを進めていない。これはこれでちょっと勿体ない気もしている。


スーパーテトリス3他(テトリスフォーエバー)

筆者のスーパーテトリス3に対する思い入れは、以下の記事を読んでもらえれば早い。

幼いころサンタさんに貰ったゲームであるスーパーテトリス3。SFC実機では現役で動くので、移植が無いことを特に残念に思ってはいなかったのだが

まさかの現行機への移植である。しかも、BPSの他のゲームもセットになって。
これにより、魂のゲームである『スーパーテトリス3』を、皆様にも気軽に触れてもらうことが可能になった。納得のノミネート。


怒首領蜂最大往生

数々の弾幕STGを世に出したCAVE製の弾幕STG。アーケード版が2012年に稼働しており、XBOX360へは移植が出ていた。

今このゲームを家で遊びたい人は、発売がもう15年以上前になってしまったゲーム機であるXBOX360を用意する必要がある。さらに、プレミアになってしまったディスク版のソフトを用意する必要がある。それはあまりにも厳しい。そんな中で、急にSwitchへの再移植が発表され、急に発売された。往年のシューターもより気軽に遊べるようになったほか、新規ユーザーの取り込みにも効果を期待できるだろう。本当にありがたい。

アーケード版やXBOX360版で通常クリアはしているのでSwitch版は軽く触った程度だが、申し分のない出来と言えそうだ。さすが虫姫さま、怒首領蜂大復活、エスプガルーダⅡと、数々のCAVE製STGを問題無く(筆者を含め少なくない人が、移植度や遅延の具合にうるさい)移植してきたLiveWireである。

アーケード版とそれを微調整したアレンジモードの移植部分は超高難度。生半可なSTGの腕だと返り討ちに合うこと請け合いだが、弾が少なくなったノービスモードや、追加キャラクターの桜夜が喋りまくるVer.桜夜モードなど、腕前を問わず遊びやすいモードもある。それらも、ただ低難度というわけではないというのも、いちゲーマーとしては嬉しいところだ。

出来のいいトレーニングモードは全モードに搭載。公式のお手本リプレイを見つつ練習できるモードでは、攻略に重要なマニアックな知識の説明も完備しているのが嬉しい。

自機の当たり判定を小さくする、敵の弾を小さくするなど、どんな弾も避けるようなAIに操作させそれを眺めて遊ぶ等、公式チート的な要素もあり、遊び方も豊富。

難点は公式ネットランキングが無いところか。XBOX360版ではこれのおかげで色々な人のリプレイファイルをダウンロードして見ることが出来たのだが。まぁ昨今はちょっと検索すれば沢山動画が引っかかるのでその点は問題無い……のか?

にしても、今年はこのゲームの裏ボスである陰蜂がノーコンティニューで撃破されるなど、ある種伝説となったSTGが今になって急にSwitch向けに発売されるとは思わなかった。移植発表のニュースになってから実際発売されるまでも間もなさにも驚いたのでノミネート。


エアホッケー(Webブラウザ版)

…………。

なんて??????????????????????????

その昔、富士通FMVのパソコンにプリインストールされていたGAMEPACK作品の1つであるエアホッケー。マウスでマレットを動かして森の動物たちとエアホッケーをするだけの単純なゲームなのだが、その味わい深い3Dグラフィックは当時の少年少女たちの心を掴んだとかなんとか。

アプリ版はMicrosoft Storeでダウンロードすることが出来る。前半3キャラは無料だが、後半2キャラと対戦するには課金が必要。
昨今では某有名実況者がプレイしたことで大きな反響を呼んだほか、自分がRTA in Japanで走ったことで知った人もいるのではないだろうか。


そんな作品が、この度Web版で遊べるようになった。新キャラやバランス調整も加わっており、気合入りまくりである。

ところで。

なんか私やったRTAが認知されてるんですけど……。

Web版はアプリ版で使えたテクニックが軒並み封印され、超高難度となっている。話のネタとして遊んだり、腕に覚えのある方は挑戦してみてはいかがか。

開発元であるDatt Japanは今年になってから精力的にゲーム事業を再開したらしく、GAMEPACK作品のリメイクやグッズ制作を行っている。

なんとグッズのキャンペーンに応募したら当選してしまった。
走者冥利に尽きる。

それにしても会社の公式HPからゲーム事業の香りがしないのがまた面白い。

色々と今後に期待できて楽しみである。


衝撃の続編・アップデートだったで賞

何年待ったと思ってやがる! ありがとう! というゲームに送る賞。

Rivals of Aether Ⅱ

このゲームシリーズは、海外で制作されたスマブラDXライクのゲームだ。
キャラクターのデザインや技の独自性も高く、動きも非常にキビキビとしていて完成度がとても高い。
テクニックもDXと似たようなものが使え、スマブラSPよりもスピーディなゲーム展開があり、コンボもしやすくうまく撃墜した時の爽快感は非常に高い。
アイテム等はなく、対戦ツールとしてガチで遊ぶ競技性の高いものである。

前作が2017年に出ており、こちらはドット絵ベースである。
こちらはSwitchでも発売されている。

日本ではあまり馴染みのないタイトルであるが、海外では大きな大会も行われるなど、一定の人気がある。

作曲者が好きだったので1は発売当初から知っていたのだが、対戦相手にあまり恵まれず遊んだ時間は少なかった。それがまさか2024年になって続編が出るとは思わなかった。

ふたを開けてみると、2は対戦環境もよくなっており、ロールバックのおかげで海外勢ともある程度ゲームが成り立つ。1には無かったシールドと崖の読み合いも追加されており、スマブラ経験者ならかなり取っつきやすく素晴らしいゲームとなっている。

日本人のコミュニティも、定期的に大会が開かれるなど活発。宣伝も兼ねてのノミネート。


BLUE REVOLVER

2016年に発売された海外製の縦スクロールSTG。
弾幕系に属するSTGではあるのだが、弾の数はほどほど。そのかわりに弾のスピードで攻めてくるスタイル。

ゲームバランス、レベルデザイン、スコアシステム、グラフィック、楽曲、果てはオプションの項目に至るまで、とにかくSTGとしての完成度が高い。アーケードSTGの名作と言われているものにもまったく引けを取らない出来である。

あまりに全ての内容好きすぎて、一時期はスコアランキング1位だったこともあるぐらいやり込んでいた。光栄なことに開発者に覚えてもらっていた為、なんとスタッフロールに名前が載った。



そんなインディーズSTG界の大作が、無料でバージョンアップをするという知らせが出てから6年程立った2024年。遂に、遂にアップデートされたのだ。正直頓挫したと思ってた。

バージョンアップは、楽曲が増え(これ自体は楽曲が完成した段階で元バージョンでも使用可能だったが)キャラクターが増え、ゲームバランスが調整され、敵配置なども一部変更、ゲーム画面の左右におしゃれUIのガジェットが追加と、これでもかと言うぐらい盛りだくさんの内容。

一度のめり込むと予定していたRTAイベントなどにも支障が出てしまう為、現在プレイはほぼ封印中。いつ封を切るか悩んでいる最中だがノミネート。


衝撃のストーリーだったで賞

ふりかけ☆スペイシー

『ふりスペ』はネオ昭和×ギャグ×ビジュアルノベル!ゴスでブリなドレスを身にまとい、オタク文化を愛する「さぁたん」は2浪中のハタチ。ひょんなことから謎のワープに巻き込まれ、たどり着いたのはネオ昭和、出会うは狂気の女子高校生たち!?

ゲーム概要より

「何この……何……?」という感想が、遊ぶ前と1章を遊んだ後で変わらなかったノベルゲーム。
一定以上の年齢の人間をこれでもかと突いてくるネタと、毒とスパイスが効きすぎている表現と、ここには書けないレベルのアングラなネタが満載なのもあり、楽しめるかどうかは人によって完全に分かれると思う。筆者は恐らく半数も理解できていないが、それでも、味わいのあるキャラクターデザインと併せてひたすら笑えたのでノミネート。

あまりにもプレイするのにカロリーを消費する為まだ2章以降は遊べていない。そのうちやる……かも……。

ゼルダの伝説 知恵のかりもの

ついにゼルダの伝説でゼルダが主人公になった。そんなことある????
これに衝撃を覚えない人はいないんじゃないか? と、それだけの理由でノミネート。

今作のゼルダは、自身で戦う能力がない。
その代わり、箱、ベッド、木、果ては倒したことのある敵を借りて召喚することで様々なギミックを起動したり、敵と戦うことが出来る。このコンセプトだけで十分面白い。

借りられる物体や敵の種類が本当に多く、謎解きも自由度が高い。ベッドを積み重ねるだけであっという間に壁を上れたりする。案の定シーケンスブレイクなんかも見つかっているらしい。

初期ステータスでは召喚できるモノの数に制限があるので、ゲーム側で自由度をある程度抑えている点、ある程度ストーリーが進んだところから自由度が飛躍的に跳ね上がる点が素晴らしい。

スーパープリンセスピーチもそうだが、いままで助けられる側だった姫役が主人公になるってやつ、いいよね。


スペルトナエル

画面上のキーボードを物理的に動き回り、弾幕を避けながら魔法の呪文を唱え続ける戦略ローグライク

ゲーム概要より

概要を読んだだけでは想像がつかないゲームかもしれないが、PVを見れば一発。

丁度新PVがYoutubeに上がっていたので紹介しよう。

可愛らしい少女の「おじいちゃんなんて死んじゃえ!」という衝撃のセリフで始まるPV。その後はゲームの説明が入り、ストーリー中のある事実がテキストで流れ、PVは終わる。

ストーリー部分なのだが、ネタバレを避ける為ここでは一切記載しない。
世界観、設定、フレーバーテキストの細部に至るまで、とてもよくできている。ゲームの紹介を受けた当初はインフレゲー、ある種のバカゲーだと思っていた為、余計にストーリーの展開には衝撃を受けた。

今年では唯一プレイしてストーリーで泣いたゲーム。出会えて良かった。感謝のノミネート。




衝撃のビジュアルだったで賞

ストライクゾーンど真ん中に入ったビジュアルに送る賞。

この後紹介するゲームも含めて、ビジュアルに関してはSteamのストアページを見てもらったほうが話が早い。ただ、それだと味気ないのでゲームのレビューはしっかり行おうと思う。

∀stralbringer -蓋影のアーカリウム-

蓋影は『がいえい』と読む。意味は解っていない。

マウスで自機を操作し、クリックやキーボードのボタンでスキルを発動するタイプのアクション性と戦略性がが非常に高いSTG。

スキルは多種多様。シンプルに敵にショットを打つ、近づいて斬る、バリアを張るといったものがあり、組み合わせて自分だけのスキルセットを作ることが出来る。

通常の弾幕STGを想像してプレイすると、敵配置や弾幕に圧倒され、訳も分からずゲームオーバーになるであろう。
それもそのはず、システムと敵の攻撃を理解してスキルを使いこなすというこのゲームの本質は、数回程度のプレイで覚えられるものではないからだ。

本質が理解で来たところで、ゲーム内マネーでスキルのレベルやHP、シールドを強化していくことで攻略していくのが前提となっている難度なので、それだけでは結局歯が立たない。やり込みがいがあるが、恐ろしくユーザーを選ぶ作りともいえる。

どのようなゲームか理解した先には、唯一無二の操作性と爽快感を味わうことが出来る。このサークルは毎回そんな感じのゲームを出すよね。

で、肝心のビジュアル面。
ディストピア+SFの世界観を体現するキャラクターデザインとUI、それを彩るピアノを主旋律にしたBGM。
とにかくカッコいいの一言に尽きる。とにかくストアページを見てくれ。見ればわかるの気持ちでノミネート。

Space Invaders Extreme

皆さんご存じスペースインベーダー、を大胆に現代風にアレンジしたゲーム。
元々は2008年にニンテンドーDS向けに発売されたゲームが、2018年にPC版としてリメイクされたもの。

インベーダーならではの固定画面、上から徐々に降りてくる敵を撃破していくルールそのままに、インベーダーの形や色を特定の順番で倒す事で、パワーアップアイテムや敵の弱体化、スコア稼ぎのフィーチャーが得られるルールが追加されている。

それらのシステムを活かしやすい敵の配置、ユニークなボスデザイン、ルートによって上下する難度など、数々のSTGを作ってきたタイトーのノウハウが節々に垣間見える。

ZUNTATAのメンバーによるノリの良い楽曲、その楽曲に合わせて鳴っていくSE、プレイヤーのテンションをこれでもかと上げていく光の演出がとにかく素晴らしい。
あのインベーダーをここまで大胆にアレンジできたことに感動したのでノミネート。

ルールが若干複雑で、ミスに対するペナルティも厳しめではある点と、楽しむところまでいくのに一定の理解が必要な点は若干人を選ぶか。興味を持った場合は、遊び方をくまなく調べることをお勧めする。もちろん筆者への質問も大歓迎だ。


Windowkill

サバイバル系ツインスティックSTG。プレイフィールド自体が勝手に狭まるので、敵を撃つ傍らにウィンドウの枠を撃って広げるということをするゲームデザインが斬新。

ウィンドウと名の付く通り、プレイフィールドやボスがそれぞれ独立したウィンドウで表示されており、デスクトップ画面の上で戦いを繰り広げる。さながらブラクラやジョークプログラムのような動きをするのが見ていて非常に面白い。

自機、敵、敵の弾のデザインはシンプルで、色と形だけで区別がつくようにだけなっている。一切の無駄がないスタイリッシュなデザインと、何よりもスマイリーという見た目も攻撃方法も攻略法も衝撃のボスがいたのでノミネート。


衝撃のBGMだったで賞

ストライクゾーンど真ん中のBGMを奏でたゲームに送る賞。
音楽ジャンルにそこまで精通していない故、そのあたりで間違ったことを言っていたら申し訳ないと予防線を張りつつ……。

Rivals of Aether Ⅱ

衝撃の続編賞でもノミネートしたゲーム。
前作から総じてBGMがよく、今作はそれを同じ作曲者がアレンジしたものなので2度おいしい形だ。

前作で特に好きなBGMがこちら。

Ⅱのサントラもすでに発売中だ。

対戦アクションゲームはこういう激しく熱いBGMでやりたかったんだよ! という自分の理想の形がここにあった。

作曲者はflashygoodness氏。日本では天国の塔というGB風なFLASHのゲームで知ってる人がいるかもしれない。

このホームページ、半ば隠しリンクのような場所に、氏の過去に作った曲があるのだが

アーカイブの中にあるSolar Diamondという曲が、とにかく染みる。チップチューンの音が好きでよかった。


Windowkill

こちらは衝撃のビジュアル賞でもノミネートした作品。
スタイリッシュな見た目、ゲームデザインなのは紹介した通りなのだが、それを彩る音楽もまたスタイリッシュなものが勢ぞろいしていた。

アンビエント調のメニュー画面にはじまり、ドラムンベース、チルアウトな曲まで揃っている。それがどれもこれも、長時間プレイするゲームにマッチしているのだ。

自分のHNである『むんべちゃん』のむんべは、ドラ "ムンベ" ースから取っているのもあり、非常に好みのドラムンベースがあったのでノミネート。


スペルトナエル

ゲーム中に使われている楽曲が、すべてフリー音源である。8bit系がメインだが、一部では壮大なゴシックメルヘン調の曲が流れることもある。
ドット絵溢れるゲーム画面に、8bitのピコピコ音が鳴り響くのはやはり心地いい。

筆者はそれなりにインディーズゲームを漁っていた時期があり、ゲーム中に使われる音楽やSEがすべてフリー素材と言うのはインディーズゲームでよくあることなのは理解している。なので有名な曲だと、別ゲーや動画で聞いたことあるとなりがち。今作は知らない良曲、良クリエイターと出会えたのが好印象でノミネート。

素材の再生リストがゲーム制作者によって作られていたので紹介。夢桜……良すぎる……


衝撃の中毒性だったで賞

時間を忘れて何度も遊びたくなるゲームに送る賞。

イラストリー

イラストが描かれたカードがプレイヤーに5枚ずつ配られる。プレイヤーは順番にイラストカードを1枚場に出しつつ、しりとりをしていくゲーム。

大抵の場合、無理難題(乾杯しているイラストと飛行機のイラストしか手持ちにない状況で『ぬ』が回ってくるなど)が襲い掛かってくるので、どうにかこうにかこじつけでしりとりを続けていくのを楽んでいくのが主題。

答えは何も単語である必要はない。時にはイラストの状況を想像力豊かに脚色して説明してみたり、ポエムを朗読したり、本当に自由な発想でしりとり(?)を続けていくのがポイントだ。

しかし、あまりにこじつけではゲームが成り立たない。それの正誤判定をするのは他のプレイヤーである。過半数が〇を出したら成立となり得点獲得となる。

もっとも、このゲームは最終的な得点がどうこうというより、追い詰められたプレイヤーによる荒唐無稽な、大喜利のような答えを聞いて笑い合うのが楽しい、ある種のコミュニケーションツールと言える。深夜テンションでやった時は本当に危なかった。腹が千切れるほど笑ったのでノミネート。

初プレイ時の筆者の問題作がこちら。

「つの字が見えたんだって!」「そうだけどそうは言わねーよ!」などのやり取りがあった

ボードゲームアリーナでも遊べる。仲のいい友達を数人集めてやってみよう。


Windowkill

ビジュアルやBGMでもノミネートされたが、ここにもノミネート。

ローグライク要素があるゲームはリプレイ性、中毒性が高いことが多いが、このゲームもその例に漏れていない。
雑魚の配置や一定時間経過後に出現するボスの種類がランダムである他、自機を強化するアイテムを買うショップの品揃えが毎回ランダムとなっている。

ゲームを始めた時の自機の性能は著しく低い。ボスは一定時間経つと容赦なく現れるので、それを倒せるように強化を間に合わせないといけない。
被弾が増えるとHPの回復にコインを取られてしまうし、同じスキルのレベルを上げようとすると大量のコインが必要になる。運だけでどうにかできるゲームにはなっておらず、プレイヤースキルが強く出るゲームデザインとなっている。

自身のスキル上昇後に運も重なると、記録は飛躍的に伸びていく。
シンプルだが、それが病みつきになるのだ。

サバイバル系と紹介したが、タイムアタック的な遊び方や縛りプレイをすることも可能である。関連する実績も多数あるのでわかりやすい。

操作キャラクターも6種類と数が多く、攻撃方法やスキルが全然違うので飽きが来づらい点も素晴らしい。


スペルトナエル

ストーリーやBGMでもノミネートされたが、ここにもノミネート。

敵の弾を回避しながら目的の文字を踏むというゲームデザインに、ローグライク要素のある買い物が合わさって、毎プレイ違う展開が生まれるのが素晴らしい。

登場する魔導書は、種類ごとにある程度法則性のある名前が付けられている。
攻撃しながら攻撃力も上げる魔法は、作中では炎系魔法に分類される。名前は「フレア」「ファイア」「ファイラガ」。体力を増やす魔法は「ホミィ」「ホイタラミ」「ホミホミアップ」
RPG作品やファンタジー作品に触れたことがあればピンときやすい、それでいて時に洒落の効いているネーミングが面白い。

魔法名の長さは、強力かどうかの度合いになることがある。しかし、長い魔法は唱えるのにも時間が掛かる。弾を避けながら文字を目指すという関係上、魔法名の長さというのは被弾のリスクも孕む要素にもなっている。
また、同程度の効果だが短い魔法、唱えやすい魔法は値段が高くなる傾向にあるなど、トレードオフとなっているデザインが素晴らしい。

『ン』『゛』『゜』『ー』『ッ』『ャ』『ュ』『ョ』という、魔法の命名によく使われる文字が右側にあり、文字盤の配置上では敵の弾の発射位置と近くなっている。これもまた被弾のリスクへと直結しており、プレイヤーの頭を随所で悩ませてくる。

ステータスを強化する魔法の他、戦闘を補助する動物や精霊を召喚する魔法もある。運に全てを任せるようなギャンブル魔法もある。ローグライク故、どんな魔法も使わざるを得ない瞬間が訪れるのがいいところだ。

ゲーム自体は高難度で、何度も何度もゲームオーバーになって1日目からやり直すことになるだろう。しかし、ゲーム中に使われる計算式やコツはTipsとして説明される親切な作り。それをちゃんと見ていれば、どのような攻略をしたらいいかの道筋も建てやすい。
自分が思った攻略法が、ショップの品ぞろえで成り立たなくなることは日常茶飯事。そこにアドリブを利かしていくローグライク要素がゲームの魅力とリプレイ性を一層引き立てている。

強くてニューゲーム的な要素もあり、それを駆使して攻略を楽しむのもまた一興。



これにて各賞のノミネートとゲーム紹介は終わりになります。
ここからは準大賞と大賞の発表になります。俺ゲー of the イヤー2024の準大賞・大賞に輝いたゲームはなんだったのか!








準大賞

Windowkill

準大賞に輝いたのは『Windowkill』

ビジュアル、BGM、ゲームデザイン、どれをとっても驚異的な完成度だった。これを超えるビジュアルとゲームデザインの衝撃は中々ないだろうと思わせてくれたのが準大賞の理由。
インディーズゲームは時としてこのような衝撃を与えてくれる。






大賞

スペルトナエル

大賞に輝いたのは『スペルトナエル』

ゲームデザインの圧倒的な完成度による中毒性の高さ、パロディやフレーバーテキストのセンス、練り込まれた世界観とストーリーが大賞に選ばれた理由。

数々の縛りプレイや、戦闘時間でのタイムアタック、RTAといった要素も思う存分楽しめた。

320円でこの体験が出来ていいのか? と今でも思っている。ビルドやストーリーのネタバレを踏む前に是非とも遊んで欲しい。この記事を書き始めたのも、このゲームを大賞としたかったからであり、自信をもって人にお勧めできる一作として紹介出来て満足している。


まとめ

これにて俺ゲー of the イヤー2024の発表は終わりとなる。
慣れないことをしたので大変疲れたが、1年間を振り返るという行為自体がとても楽しく、勢いで書き切れた。勢いゆえに誤字脱字や統一感の無い文章があると思いますがそこはもう許して!!!!!

来年も素晴らしいゲームに出会えることを祈っています。

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