30歳、普通自動車免許を取る(本編④)

前回のお話はコチラ

教習とは別に、応急救護という科目があった。
この科目は、万が一事故を起こしたときや事故に遭遇した時に、救急車が来るまでの時間に出来ることを習う科目だった。
なんと、連続で3時間。

人工呼吸と心臓マッサージの練習用マネキンみたいなやつが6体横たわっていた。
顔の部分にはプチプチ(緩衝材)がかけられていた。
こっわ。

まずはじめにビデオで、手順の説明があった。

「意識の確認の仕方」として、成人のマネキンの肩を叩いて「もしもし!わかりますか?!」と言っていた。
お手本を見せてくれている男性が、見たことないぐらい、ものすごい真緑のシャツを着てるのが気になっていた。

その後通行人として出てきた二人が全く同じ真緑のシャツを着ていたのを見てニヤニヤしてしまった。

その後、幼児のマネキンに対して、「わかる?!わかる?!」と、子供にはきちんとタメ口なのが私のツボに入ってしまい、笑いが堪えられなかった。

バレないレベルでギリギリ切り抜けホッとしていたが、その次に乳児のマネキンに対して、「わかる?!わかる?!!」と言ったあたりで吹き出してしまった。

いや、意識あってもわからんやろ。

真面目に受けたいのに、全く頭に入ってこないビデオだった。
心臓マッサージの練習したり、三角巾の結び方練習したりして3時間が終わった。
なんかもうずっと半笑いだったけど、もしその場に遭遇したらちゃんと手当しようと思った。

余談だけど、昔、新宿で突然おじさんが目の前の階段から落ちて来たことがある。
おじさんは頭を打って動けなかったので横にして、ベルトを外してあげて、マフラーを貸してあげて枕代わりにしてあげたとこまでは良かった。
救急車呼ばなきゃ!と思うんだけど、いざそうなるとパニックで「救急車って何番だっけ」となるし、思い出してもスマホのパスコードのところにずっと119を入力して弾かれるを繰り返してしまった。
嘘だろ、と思うんだけど、実際は本当にそうなる。
ピンチの時こそ冷静にならないといけないなとその時思った。
(おじさんは無事隊員さんに運ばれていきましたがその後は不明。意識あったし多分大丈夫?)

さて!すべての教習が終わり、遂に卒業検定の日!
私は緊張するとすぐにお腹が痛くなるタイプなので、もうその日はずっとお腹が痛かった。

仕事を昼で早退し教習所に向かったが、ずっとお腹が痛かった…。

何故なら仮免の試験の時に試験官怖すぎて緊張しすぎて盛大にミスったから\(^o^)/

そして遂に車に乗る時が来た。
試験官一人に対し、教習生3名。

車に乗ったら試験官が喋りだした。

「何!みんな緊張してんの?!気楽にいこうよ!リラックスリラックス!!!」

えっ?仮免の時と全然違うやん…。

試験のコースのスタートまでは試験官が運転していたのだが、その車内もずっと喋っていた。
その試験官の方は二輪の指導員もしてるらしく、バイク大好きでバイクの話をしていた。

「俺はねえ!Kawasakiだよ!やっぱ男はKawasakiだよねえ!今の時代男はとか言っちゃいけないけどさあ!」

大学生の男の子が「俺Ninja乗りたいです」とかなんとか言っていた。
私は「HONDAが好きなんです〜」とか言って濁した。

すると、
「俺はKawasaki好きだけどさ、教習車はHONDAだよ!
HONDAは強いのよ〜、過酷な状況でも壊れないね!
教習生が乗るんだからさ、下手な人が運転してバタバタ倒しても壊れないね!すごいよ!!」
とHONDAをベタ褒めしていた。

私「Kawasakiはどうなんですか?」

試験官「Kawasakiはねえ…まあ…うん。ちょいちょいね。不具合あるね。Kawasakiはねえ。。でも良いんだよ…。」

と若干勢いが落ちた。
この感じ、音楽で言うところのメタラーに似てる

検定が始まる前までの間ずっと喋っていた。
本当にこの試験官の方のおかげでかなりリラックスできた。ありがたや。
腹痛も治った。
路上も方向転換も、多分何もミスせず楽々でおわった。

なんかあっけなく卒業した。

卒業祝いの粗品封筒には初心者マークが入っていた。
あとは学科本試験を受けるだけやー!!!

週明けすぐに行くことに決めた。

つづく…

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