LOOPERS_感想

OPが結構ツボでプレイするかどうか迷っていたところにオタク仲間が薦めてくれたので購入。ボリューム自体は全く重くないが確かな満足感があった。正直なところ実際にプレイしてみるまでは「大丈夫だろうか」という不安もあったが、蓋を開けてみるとまさに外さぬ王道の物語だった。こういうのはすごくアニメ映えしそう。

序盤はホラーか??って感じの鬱々とした雰囲気と不思議(ところによっては不気味)な空気感で満たされていたが、ループに関する説明がなされた後は一転して「永遠」を楽しむ明るい物語となっていた。心が冷めきっていたはずのルーパーズが主人公のタイラによる宝探しをきっかけに元気を取り戻していく流れは青春の1ページという感じでとても眩しかった。初めは無愛想な女の子だったミアもどんどん可愛くなってドキドキした。

中盤では昏睡状態の親友のレオナに想いをかけるヒルダの描かれ方がえぐかった。どんどん心が磨耗していく様は、まさに「ああ、レオナもこうして壊れていったんだな」ということを思わせた。そしてここの描かれ方がきつい分、みんなの力を合わせることで奇跡を起こしレオナを起こすシーンの感動も深まっていた。大きな問題が解決して後はどうにかして帰るだけという段での観覧車のシーンはあまりにも不穏だった。

終盤、まあそりゃそうすんなり解決するわけはないよなって感じ。プロローグの時点で撒かれていた不穏の種がここにきて芽を出したうえそれに抗う手段が何もないという絶望。永遠を求め日常を拒んだ先にあるのも勿論深い絶望で。せめて少しでも希望のある方へとルーパーズが奮闘する姿は非常にアツかった。一度とりこぼしたくらいじゃへこたれないタイラの強さも見事だった。

冒頭でも述べたとおり、この作品は変に奇を衒わず王道を行くことに終始していたので意外性を求める人には物足りなかったかもしれないが、私としてはまさしく「こういうのでいいんだよこういうので」というやつだった。また、主人公は最近じゃめっきり見なくなってしまったタイプの熱血系で、どこまでもひたむきな性格なのでキャラクターとして嫌味がなかった。他のルーパーズの面々は新しいんだか古いんだか微妙なラインのキャラクター性であったが、根っこの部分では若者らしい真っ直ぐさがあり好感が持てるという点は共通していた。おおむね万人受けする作品だったと言える。

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