9-nine-_感想
面白そうだったから4つまとめて買った。プレイ開始時は、直前にやってた「恋と選挙とチョコレート」がだいぶ重たい話だったから軽そうで良かった〜とか油断してた。辛い。ここからネタバレ注意。
ここのつ ここのか ここのいろ(九條 都)
ストーリーについて
一作目ということもあってほぼ顔見せのようなものだった。1周目ラストでヒロインがポロリ(首)したのだが、2周目では犯人を打ち破るのではなく、敵の正体を知ることすらないレベルで直接的な接触を回避したことで生存したって感じだから実質何も解決していない。1周目で強制バッドエンドくらった後にタイトル画面から都が消えていたのはかなりクるものがあった。作品全体で四人いるヒロインも、この話では天と都のみがメインで出ていて、奇亜と春風はほぼ絡んでいなかった。ここでは基本設定と伏線をばらまくだけばら撒いて残りの3作で順に回収していくんだろうな。そしてラスト、都と主人公の翔(カケル)が幸せそうなのは良いんだが敵がちらっと姿を見せていたり都のスティグマが広がっていたりととんでもなく不穏な爆弾を持ってきやがった!!!この引きで次作まで一年間待たされた人たちはめっっっちゃ辛かったと思う。
ヒロインについて
物語序盤ですでにカケルに惚れ気味だからか通い妻みたいなことしちゃってるの最高かよ。ただ実は序盤で一人殺しちゃってるって事実に耐えかねて暴走しちゃった結果石化+バラバラとかいう酷い仕打ちを受けてるのが辛い。カケルと付き合い始めてからは、だんだん開発されていっちゃう都ちゃんかわいいってことに尽きる。まあいくらパラレルワールドで自分がたどった末路について聞かされて恐怖したからと言って付き合い始めて数日でキス+本番までいけちゃうあたりもともと素質はあったようだけど。
そらいろ そらうた そらのおと(新海 天)
ストーリーについて
前作と比べてかなり物語の本質に近づいてきた気がする。一作目であんなこと(首ポロリ)があった上に導入部がとんでもなく不穏だったから今度はどのタイミングでヒロインが惨殺されるんだと身構えていたが、今回は四人のヒロイン全員が協力してことに当たっていたからか終わり方自体は幸せなものだった。正しい選択をしたルートでのカケルは本当にカッコいいので主人公のボイスを切らずに見て欲しいところだ。ただ、正しくない選択をしたルートではとてもお辛い感じになる。定番といえば定番なのだが、誰の記憶からもその存在が消えるというのはキツい。今後の物語でもスティグマの拡大と能力の暴走が鍵になっていそうだ。
最後。お前にだけは味方でいて欲しかった...カケルが校外でどんな事件に巻き込まれていても学校ではお前とバカなやりとりしてくれたらそれだけで安心できたのに...
ヒロインについて
天(そら)ちゃんカケルのこと好きすぎんか...?隠し撮りアルバム作ったりとカケルにドン引きされることまでしてるし。兄妹の一線を越えるために「自分の処女が雑に散らされてもいいのか!」ってカケルを脅しちゃうくらいだもんなあ...まあそこが可愛いんだが。そういうシーンではカケルともども深みにハマっていっているのがエロかった。こういうタイプのヒロインが一番好き。
はるいろ はるこい はるのかぜ(香坂 春風)
ストーリーについて
ラスボスをもろすまでは行かずとも撤退させ、ほとんどの問題が解決され伏線が回収されたハッピーエンド。途中から誰が敵で誰が味方か錯綜していてなかなか見応えがあった。まさか当初の敵壊滅&ヒロイン全員石化&カケルの覚醒までが序の口になるとは思わなかったが。なんだかんだ当初の敵との共闘はアツい。そしてラストのタイトル回収が見事な美しさだった。これは確かに「ナイン」だわ...
ヒロインについて
この話でのヒロインである春風(はるか)は、他のルートでは完全に本性を隠していたようだ。冗談かと思っていた発言が尽くガチだったって...春風とカケルの情事は、授乳プレイをしたり目隠しして手首縛ってSMプレイをしたりとなかなか特殊だった。こいつらほんとに大丈夫か...?まあ春風は可愛いからいいんだけどね。
ゆきいろ ゆきはな ゆきのあと(結城 希亜)
ストーリーについて
しょっぱなからいきなり今までの3作とは違うゲームになってた。カケルの能力が明らかになったためストーリーの進行が異質すぎる。
後半、主人公より先に「ナイン」の心が折れそうでしたごめんなさい。いやまあラスボスがこんなにあっけなく死ぬはずないとは思ったけどさあ...あんだけ幸せなエピローグっぽい流れ作っておいてからの絶望に叩き落とす流れはまさにイーリスらしいのほんま腹立つわ。しかも今まではヒロインが死んでも「やり直せば救える」ってなってたのに今回は「やり直しても絶対に間に合わない」だもんなあ。カケルの部屋に希亜(のあ)の遺体をわざわざ運んでくる与一のタチの悪さよ。でもここでも折れずに虎視淡々と勝機を狙うのがカケルが主人公たる所以なんだろうなと思った。激闘の末に無事ハッピーエンドを迎えたけど、段違いの絶望を独りで背負った最後の枝のカケルを思うと複雑な気分になる。
ヒロインについて
希亜はもうこれ他のルートとは別人じゃん。「はるいろ」の猫のくだりでちょこっと見せてたどころじゃない中身がどんどん出てくるし。これをプレイした後は希亜のことが大好きになっていること間違いなし。だからこそ終盤の展開はあまりにも辛くなっちゃうんだが。最後の最後、カケルによる、世界線を股にかけた4股が希亜に認識されてたのは流石に笑った。
全体を通しての感想
非常に面白かった。これを最後までプレイして後悔することはないと思う。まあ終盤の展開で心をバッキバキにへし折りにくるのは難点だが。
選択肢が多くないノベルゲームは果たしてゲームなのかというのは誰もが思うところではあると思う。もはや小説ではないのか、と。でも、この「9-nine-」シリーズは、選択肢が少ないながらも紛れもなくゲームであって、少なくとも小説ではあり得ない。詳しくは実際にプレイして実感してほしい。
そしてこれ「ゆきいろ」のラストを見るまでは四部作かと思ってたけど5作目あるな???