《夢儚散文41 センチメンタルジャンキー》
苦しみの先にいつも頭の中にぱっかんと花が咲くんだよね。
そんな時、脳みその中は、芋虫が蛹になったみたいに中身はトロトロのポタージュになっちまって、今まで思い込んでいた『自分』と言う形状がなくなるって言うか、脳が自分をカタチ作っているから、脳がポタージュになっちまえば、自由自在な感覚になるって感じでさ、「上善は水の如し」と言うじゃない。俺の場合「上善は脳みそポタージュの如し」って感じで、頭が硬いって言うじゃん。それが無くなるわけよ。
『苦しみ』と言うのを悪く捉え過ぎなんだと思んだよね。元々良いも悪いも認識次第じゃん。
ほら見てご覧‼︎
目の前にあるトイレットペーパーが無いって状況。予備も無いんだよね。多分誰か盗んじゃったんだと思うんだ。純真に用を足したかった俺が今ここのトイレに座っている偶然と言う奇跡。もう出ちゃってからの気づき。
無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎ 無い‼︎って思うから無いんだけど、
有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎ 有る‼︎
って思い始めたら有るはず‼︎
トイレットペーパーは無いんだけど、新たな道と言うか、こう言うときこそ、上善は脳みそポタージュの如しの出番なんですわ。
で、今ここ用を足している最中に届いた最愛の彼女からの別れのメッセージの追い討ち。ルミちゃんとは3日しか付き合ってないから、まだ彼女のこと全然知らないんだけど、最愛認定しておけば俺の中では最愛でしかなく!
幸せは歩いて来ない、だ〜から歩いて行くんだよ!って感じのフィーリングで歩みよったんだけど、「いきなり近過ぎ」って言われたんだよね。距離を詰め過ぎた事が敗因かも知れないな…いやそれじゃないか…夕飯の時、俺育ちが悪い癖に何を血迷ったかフレンチの店なんかはいっちまったから、ナイフとフォークとかスプーンとか作法とか全然知らんが、右手で左手でフォークとかナイフとかアレ…どっちだっけ、あ、もう忘れた。あの不様な食べ方がダメだったんかな…いや、聞いちゃいけないことを聞いちゃったのかも知れない。言葉のお痛。歴代彼氏の嫌だったところとか先に聞いといた方が今後のためになると思って突っ込んで聞き過ぎたか…あぁ、会話って難しいじゃん。俺ってあんまり空気読めないじゃん…あぅっ…気持ちが負けそうだ…自己否定モードに突入しそうだ‼︎
ダメダメダメダメダメじゃな〜い‼︎
アブナイアブナイアブナ〜イ‼︎
ダメとか無いからね‼︎
俺、ダメと言う概念を捨てたんだ。
だって『ダメ絶対』とかなんか麻薬撲滅ポスターとかでよく見かけるけど、俺、あの『ダメ』も『絶対』って言葉も好きじゃないんだ。断定し過ぎだろ‼︎
断定しちゃったら、俺の世界狭まっちゃうじゃん‼︎
俺の無限の可能性狭まっちゃうじゃん‼︎
俺と言うこの世界を認識できる唯一無二の男の自由を愛する絶対領域は死守していたいのだ‼︎
ルミちゃんにすぐフラれるし、昨日井の頭公園で放し飼いのチャウチャウに噛まれるし、そして今トイレットペーパーも無い絶望的状況を『空』の境地で乗り越えたいと思う。何物にも囚われない自由な心。執着せずにただただ在る俺…
深呼吸してみて気持ちが落ち着いて感じるこの世界。トイレで深呼吸はちょっとアレだけど、そんな事にも囚われずいたらあら不思議‼︎
悩み事なんて消し飛んじゃう‼︎
不自由さは俺が作っていたんだ‼︎ それじゃ自由は俺が作れるんじゃないか‼︎
今、心の扉全開放‼︎
もうこの勢いでトイレの扉も全開放して、隣のトイレにトイレットペーパーを取りに行く勇気をもてるかも知れない‼︎
できる‼︎ デキル‼︎ 俺ならDE・KI・RU‼︎
いざッオ〜プン・ユア・マインド‼︎
オ〜プン・ザ・ドア〜‼︎
レッツ・マイ・ビュ〜ティホ〜アメ〜ジングライフ‼︎ Go Go〜♪
あ、その前に…
『あ、もしもしルミちゃん!あ、そんなこと言わないでさ!もう一度、もう一度‼︎ 俺にチャンスを‼︎
…え、無い…無いなんて無いYO〜♪
俺には空しかないんだってYO〜♪
あ…あぁSO〜♪…
…とりあえずケツを洗って出直すね。グッバ〜〜〜イ♪』
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