傍嶋飛龍の夢儚散文

芸術家 傍嶋飛龍の夢儚散文  ショートショート、短編小説を中心に投稿しています。 画家、万華鏡作家、超音楽的お遊び集団じゃねんず団長、廃材エコヴィレッジゆるゆる村長とマルチアーティスト傍嶋飛龍の小説家へ向けた習作プロジェクト。

傍嶋飛龍の夢儚散文

芸術家 傍嶋飛龍の夢儚散文  ショートショート、短編小説を中心に投稿しています。 画家、万華鏡作家、超音楽的お遊び集団じゃねんず団長、廃材エコヴィレッジゆるゆる村長とマルチアーティスト傍嶋飛龍の小説家へ向けた習作プロジェクト。

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自己紹介 

『あ、小説を書いてみよう』 大学生時代に、精神が病んでいて、原因を探るべく心理学の本を読み漁っていたらフロイトがこう言っていた。 「夢は無意識を知るための王道」と。 起死念慮なぜ生まれるのか?を考察するために夢日記を書き始めたのが私が文章を書き始めるきっかけとなった。 絵描きを志していたこともあり、私の夢は鮮明で色彩を帯びていた。そして夢の物語は荒唐無稽でありながらも、私へのメッセージとして象徴的に伝えられていることに気付いていく。 100話以上に夢日記を描き、それを分

    • 《夢儚散文41 センチメンタルジャンキー》

      苦しみの先にいつも頭の中にぱっかんと花が咲くんだよね。 そんな時、脳みその中は、芋虫が蛹になったみたいに中身はトロトロのポタージュになっちまって、今まで思い込んでいた『自分』と言う形状がなくなるって言うか、脳が自分をカタチ作っているから、脳がポタージュになっちまえば、自由自在な感覚になるって感じでさ、「上善は水の如し」と言うじゃない。俺の場合「上善は脳みそポタージュの如し」って感じで、頭が硬いって言うじゃん。それが無くなるわけよ。 『苦しみ』と言うのを悪く捉え過ぎなんだと思ん

      • 《夢儚散文40 歪曲遊戯》

        目を開けて、目を閉じた。 同じ世界の中での見えると見えない。 夕暮れの空色と光を遮断した暗黒色。 何度も目を開けては閉じてを繰り返し、 私は手を開いて両目を覆った。 鰐が潜む夕暮れが映り込んだ赤い池。 十数匹の鰐が水面に目と鼻を浮かべて一切波を立てずに静止していた。 足元に落ちていた干からびたアカハライモリを手に取って、赤い池へ投げ込むと池の中心から大きな波紋が広がった。 夕暮れの空の奥の奥に思いを馳せると、大気圏の外の宇宙の星が華々しく咲いていた頃から、この世界を眺めて

        • 《夢儚散文39 AI&愛》

          「愛って何だろうなぁ。トオルはどう思ってる?愛って」 黒縁メガネを光らせながらタカハシが語りかけてきた。40歳を過ぎて薄くなってきた髪の毛がクーラーの風で刈り残しの稲穂のように寂しげに揺らいでいる。いつもの癖で顎の無精髭を指で捻りながら、妙に胡散臭い眼差しから何やら言いたげな怪しさをトオルは感じた。 「いきなり愛とは何か?かよ。う、う〜ん、ボ、ボクの考えだと、愛とは『思いやり』かな。あぁ…でもでも思いやりも重い槍になる事もあるよな。良かれと思ってやってあげる事が相手にとっ

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          《夢儚散文38 孤独について》

          孤独の捉え方。 「独り」を寂しいと捉えるのか? 「独り」を自由と捉えるのか? 哲学者でもあるブレーズ・パスカルは言った。 「全ての人の苦悩は、静かな部屋に一人で座っていられないところから生じる」と。 独りあること。 創作する人は孤独といつも向かい合っている。 0から1を生み出すと言うことは真っ暗闇な空間から何か創造する。 見えているもの、見えざるもの。 孤独は扉。 扉を開けるか開けないかで世界の見方は大きく変わる。 まだ見ぬ扉の先の景色に想いを馳せて。 #夢儚散文⠀

          《夢儚散文38 孤独について》

          《夢儚散文37瞑想迷走阿吽記》

          壊れた魂を修復しなければいけない。 そう思い立って、瞑想を始めようと思った。 瞑想とはなんぞや‼︎ この世界に多様を極める瞑想スタイル。 座る瞑想、祈る瞑想、踊る瞑想、絵を描くことも、歩くことも、食べることも、全て瞑想であるみたいな…っておい‼︎ 生きる事が瞑想そのものじゃないか! すでに瞑想していたのか? …と思うがそうではないとも言えるし、そうとも言える。 意識し始めれば瞑想であり、漫然と生きていれば瞑想ではないとも言える。 意識をする事で、世界線が変わる。 意識をしてい

          《夢儚散文37瞑想迷走阿吽記》

          《夢儚散文36 ただの誓い》

          勘を掴みたい。 心の中にある表現の感覚。 頭の使い方。 魂への繋がり。 無限の創造性への飛行訓練。 可能性を制限するな。 見ろ。 聞け。 味わえ。 感じろ。 考えろ。 表現し続けろ。 魂へ落とし込め。 自然体で綴れる人間になりたい。 心震わせる言葉を綴れるようになりたい。 #夢儚散文⠀ #小説⠀ #短編小説⠀ #ショートショート

          《夢儚散文36 ただの誓い》

          《夢儚散文35 孤独の愚流目》

          今日で35年と8ヶ月童貞。 この歳月は仏陀が悟りの境地に至った年齢だそうな。 随分と捻くれて生きてきた自負がある。 むしろこだわりとも言えるし、執念とも言える。一途とも言えるし、一心とも言えるのかも知れない。 幼稚園生の時だったかな。 元気っ子でよく笑う優しいハルカちゃんのことを好きになって、キッスを求めたんだ。 子供ながらにこの好きと言う感情をどう表現していいか分からず、たまにテレビで流れていたドラマのキッスシーンを見て「これが好きを表現する方法なのか‼︎」と思い込んでハ

          《夢儚散文35 孤独の愚流目》

          《夢儚散文34 時間の逆転》

          「カップの自動販売機あるだろ。忘れもしないあの日は猛暑でよぅ。 水分‼︎水分‼︎氷‼︎氷‼︎ってカップ自販機に金入れてさ、コーラのボタンを押したんだ。 そしたら、目の前で世にも奇妙な不思議な出来事が起こったんだ。この話の続き聞きたいか?」 トオルがファミレスでコーラを飲みながら語り始めた。 ダイスケとミカは顔を見合わせてから、トオルの方を向き直ると同時に「知りた〜い」と言った。 トオルはストローを煙草のように持って吹かし始めた。全く煙草を吸わない男のくせに、軽くイキって見せ

          《夢儚散文34 時間の逆転》

          《夢儚散文33 余白の空》

          袋小路に迷い込み、今まで歩いて来た道が間違っていた事に気づいた。 視界が歪むほどの酩酊のなか悪態をついて、道脇にあったゴミ袋を思いっきり蹴飛ばした。壁にぶつかり破裂したゴミ袋は轢かれた猫のように内容物をブチ撒けながら転がった。 勢い余って倒れ込み、アスファルトに頭を強く打ち付けると、鈍痛が走り右目の視界が赤く染まっていく。 死体が転がされるように力無く仰向けになり、ビルの隙間から見える余白の空を見つめた。 灰色の空と血で染めった空の下、電線に止まっている一羽の鴉が、顔を傾げる

          《夢儚散文33 余白の空》

          《夢儚散文32 未知との遭遇》

          あれは現実だったのか、幻だったのか、夢だったのか。記憶が歪んでいる気もしているんだけど、あの出来事をオレの曖昧な記憶というオモチャ箱に手を入れて発掘してみようと思う。  記憶 「36年前、小学生5年生の時だったかな。学校の裏手に森があって、舗装されていない細い道を登って行くと、廃車置き場があったんだよね。 古いバスや車やバイクが置いてあったんだけど、そのときよく遊んでいたタケシと一緒に潜入した事があったんだ。 もちろんトタンの柵がしてあったんだけど、木登りして柵を越えて、

          《夢儚散文32 未知との遭遇》

          《夢儚散文31 擬音de会話》

          「最近新しい擬音作りに挑戦しているんだ。 是非、愛しのキミに聞いて欲しいと思ってね。いくよ! アニャアニャアニャ〜♪ ナロナロナロ〜♪ タグァンタグァンタグァン〜♪ ノミャッノミャッノミャッ〜♪ コルコルコル〜♪ トッツエトッツエトッツエ〜♪ ガリルガリルガリル〜♪ スヌルンスンヌルンスヌルン〜♪ キェメキェメキェメ〜♪ デメロンデメロンデメロン〜♪ ス〜ピッパス〜ピッパス〜ピッパ〜♪ ツッベクツッべクツッべク〜♪ キミマロキミマロキミマロ〜♪ アポケ〜アポケ〜アポケ〜♪ ッ

          《夢儚散文31 擬音de会話》

          《夢儚散文30ソリチュード派》

          「ねぇ知ってる?孤独にも2種類あってね。ロンリネスとソリチュードってのがあるの。ロンリネスは消極的孤独、ソリチュードは積極的孤独とも言われているんだけど、ワタシって孤独へっちゃらソリチュード派なんだけど、キミを見ていていつも思うんだけどロンリネス派なのよね。是非、ソリチュード派へ勧誘したいと思っているの。あくまで、思考の違いな訳なんだけどね。『ひとり、寂しい、孤独、辛い』って感情じゃ無くって『ひとり!自由過ぎる!最高かよ!瞑想的!宇宙と大調和!』ぐらいまで考えられちゃうともう

          《夢儚散文30ソリチュード派》

          《夢儚散文29黄色い鸚哥》

          「『悲しみは欲求から生まれる。恐怖は欲求から生まれる。欲求から解放された者に悲しみはない。恐怖も同じこと』、そんな仏陀の言葉を最近ネットの記事で見かけてね。人間の苦しみは欲求から生まれていると言うことを知ったの」 「え、そうなの?俺自身の今の苦しみの根源はすべて欲求だったのか⁉︎」 3日に一度は通っている近所のレトロな喫茶店檸檬。今日も息抜きでコーヒーでもと入ったら窓際の席に愛梨がいた。 愛梨は綺麗な長い黒髪で、横一直線でカットされている前髪はあの頃と一緒だった。細長い黒

          《夢儚散文29黄色い鸚哥》

          《夢儚散文28 失踪慕情》

          新月の夜と朝の狭間の時間は、虫の鳴き声も鳥の鳴き声もなくひっそりとしていた。 街灯が壊れている公園のベンチは顔の表情が全く見えないほど暗く、男と女はそんな暗闇のベンチに座り、一息つくと男が話を始めた。 「明日、失踪しようと思ってるんだ。逃げると言う選択肢もあっていいと思うんだよね。人生ってさ」 女は軽く首をかしげた。 「逃げるって何から?」 男は軽く笑って、電球の切れている街灯のシルエットを見上げて言った。 「結局のところ俺自身から逃げたいんだけど、押してもダメなら引けって言

          《夢儚散文28 失踪慕情》

          《夢儚散文27 明るい幻想》

          それはすぐそこにあるような気がしたので、手を伸ばしてはみたが真っ暗闇の中、開かれた手は宙を舞った。 曖昧な記憶。 深い霧の中、一瞬だけ姿を見た未知の動物を追っているような感覚。 気配は感じているので、私はさらに手を伸ばし続けた。 少し手の先に何かが当たる感覚がして、頭の中にジワっと広がる記憶の拡張と共に何かを掴んだ。 それは冷ややかな細長い尻尾のようで、鱗が生えている感触だった。ヘビかトカゲか?そんなイメージが脳内のスクリーンに映し出された。 尻尾は想像以上に力強く、必死に逃

          《夢儚散文27 明るい幻想》