【小説】神様の実験(ある侍女の記録)
村と村との間にポツンとある家には気をつけて。たいてい悪い魔女や鬼がいて、取って食われて命をおとす。昔から絵本にもそう描いてあった。自分がその旅人になるなんて思いもよらなかったが。
私はある屋敷の侍女で、博物学者の家主の言いつけで、家主の持ちものをある人物に届ける為に旅に出たのであった。
私は木箱に入ったその持ち物を背負い、革のトランクを手に下げ、あまりの重さに、旅のためにと家主が用意したスーツ仕立てのドレスとコルセットはもう既に外したい衝動に駆られていた。
しかしこの長旅で