教育界の古くから続く言い伝えに翻弄されている
学校で働いていると、とても非科学的だと感じることが多いです。
私はなかなか融通がきかない脳みそを使っていて、論理的に説明してもらえないと納得できません。
逆に言えば論理的に説明さえしてもらえれば自分の意見と異なる意見も受け入れられるので、そういう意味では簡単なのですが...。
先生たちは経験と感覚に基づいて動いている人が多いと感じます。
教育界全体の経験知はものすごい量と質だと想像できます。
しかし、それを客観的に捉えて分析し、体系化する機能がないところがもったいないと思います。
科学では、実証性、再現性、客観性の3つが大切です。
実証性とは、問題に対する仮説が観察・実験により考えられること。
再現性とは、同じ条件で同じ結果が得られること。
客観性とは、導き出した結論が事実に基 づき客観的に認められること。
教育界にはたくさんの言い伝えやアドバイスがあります。
『黄金の3日間』
『初めのうちに厳しく叱る姿を見せよ』
『褒めて伸ばせ』
『飴と鞭』
などなど...。
全て根拠が見えません。
強いて言うなら経験が根拠でしょうか。
このアドバイスを受けて、実際にやってみると上手くいくこともありますが、上手くいかないこともたくさんあります。
何故なら「言い伝え」の言葉の裏に隠れている条件があるからです。
例えば...
厳しく叱る姿を見せよ
※ただし信頼関係もつくること
褒めて伸ばせ
※ただし褒め方とタイミングを工夫すること
条件まで読み解ける人はいいですが、私は読み解けないため翻弄されてきました。
とにかく再現性に欠けることが気になります。
ある先生なら厳しく注意することが効果的でも別の先生は優しく諭す方が効果的です。
ある生徒には褒めてやる気が出ても別の生徒は厳しい方がやる気が出るかもしれません。
ベテランの先生には、自分の経験をそのまま成功例としてアドバイスすることの危険性を知ってほしいです。
その経験はなぜ成功したのか、その根拠を論理的に分析した上で、今困っている若手の先生が再現できるようにアドバイスしてもらえたら助けになると思います。