お笑い芸人
一般的に人と話していて、母と気が合わないせいで生まれる弊害は様々なところに潜んでいる。
例えば、会話の中でたまに登場する、旬のお笑い芸人の話題。
私はこの芸人の名前がことごとくわからない。
ちなみに、トムブラウンの存在は最近知った。初めて聞いたとき、外国人かな、と思った。違った。
なぜこんなにも知らないのかと言うと、自宅でお笑い番組を見ないからである。
お笑いだけに限らず、バラエティー番組全般、自宅で見ることはない。
なぜ見ないのか。
母がバラエティー番組を嫌うからである。母はバラエティーのみならず、CMも嫌う。そのため、自動的に視聴するチャンネルはNHKに絞られてくる。
しかしそんな母でもNHK内のバラエティー番組なら許容範囲らしく、その番組に出演していたお笑い芸人ならば私も認識している。
例えば、『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』を見てノブを認識し、(有吉は流石に知っていた。)『探検バクモン』を見て爆笑問題の2人を認識する、と言った具合である。
その影響で悲しいかな中高の時は、一番好きな番組を聞かれて『ブラタモリ』と『鶴瓶の家族に乾杯』を挙げるような変わり者になってしまっていた。
ちなみにお正月はもちろん、『紅白歌合戦』からの『ゆく年くる年』の流れである。他のチャンネルは見たことがない。我が家の食卓で『ガキ使』が流れることなど絶対にあり得ないのだ。
母がNHK以外に唯一見る番組は、ドラマである。ドラマ好きな母は、古い海外ドラマから最近話題のドラマまで、幅広く視聴している。しかしそれらのほとんどは録画視聴であり、CMは全てスキップされる。
まあ、CMは視聴者にとっていらない時間であったとしても、そこまで徹底的に排除する母には脱帽である。
そんな母のNHK教育を受けて育った私は、母と同じバラエティー番組が嫌いな大人に…ならなかった。
興味を持ったバラエティー番組はパソコンから視聴するし、CMが多くてもそれほど気にはならない。
一緒に同じ番組を見ていて揉めるのは、まあいつものことである。