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21世紀の新世界

【過去の演奏会より】

日時:2024年1月6日(土) 14時から
場所:ザ・シンフォニーホール(大阪)

指揮:瀬山 智博
ヴァイオリン:前田 妃奈
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

【演目】

モーツァルト:歌劇 「フィガロの結婚」序曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 「新世界より」 op.95
シュトラウス:ラデツキー行進曲 (アンコール)


昨年代弾きであったにも関わらず、難曲のブラームスの協奏曲を見事に弾ききった前田妃奈さんが、チャイコフスキーではどんな演奏を聴かせてくれるのだろうか。また21世紀に入ってずいぶん時間が経つのにこのタイトルは何だろうと思う気持ちもあり、見に行った。

前回のブラームスでの前田さんは、実にのびのびと若々しい弾きっぷりだったが、今日は体調が良くなかったのか、または疲れがあったのか。以前のような表情や様子はなく、ひたすら演奏に集中している様子だった。姿勢をまったく変えず、一歩も動かない。もちろん技術は特上で、初めて聴く人にとっては素晴らしいの一言だったと思うが、彼女のイメージはまったく変わっていた。時々首を振ってオーケストラのテンポを取っているところを見ると、オーケストラとのテンポ感が違うのかとさえ思った。

一方指揮者はステージ慣れしているが、少し焦り気味の指揮で、指揮台の上でぴょんぴょん飛び跳ねることもあった。指揮棒を持たず、指先まで丹念に動かして体全体で曲想を伝えようとしていたが、協奏曲はテンポが遅く、ソリストのテンポではなかったように感じたし、「新世界」ではフレーズごと、アゴーギグやディナーミクがかかるごとに腕の振りが端折り気味になってテンポが合わず、オケが難儀をしていたように思えた。

関西フィルハーモニー管弦楽団は上質のいい音を聴かせてくれる反応のいいオーケストラで、特にトップ奏者のレベルが高く、コンサートミストレス、第2ヴァイオリン、クラリネット、フルート、オーボエ、ファゴット、ホルンは秀逸だった。

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