しづき ふみか

アラサーの統一感のない日記をエッセイと呼びたい

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幸せはムーミンの形をしている

なんのキャラクターが好き?と聞かれたので、"ムーミン"と答えた。 子どもと関わる仕事をしていたときのことだ。 子どもたちは当時の戦隊ヒーローとかジバニャン、すみっこぐらしのキャラクターとかの話をしていたと思う。 その中で少し古いムーミンはあまり知られていなかったようで、なにそれ?という顔をされた。 ムーミンは妖精なんだよ、とざっくりした説明をしたけれど、ちょっと困ったような返事がかえってきたから、すぐにすみっこぐらしの話に戻した。 それが、思いのほか子どもたちに響いて

    • 読み継ぐ本

      先日、ふらっと天狼院書店に立ち寄った時に"読継本"という企画と出会った。 その名の通り、本を読み継ぐことで繋がることもできるよ!という感じのこの企画。 どこかの誰かの感想も味わえる読書体験っていいなぁと思ったのと、ワンコインで買える手軽さが気に入ってまずは一冊購入することにした。 購入する本のタイトルはわからない仕様になっているので、前の読み人が書いたメッセージからインスピレーションで選ぶ。 そういえば昔、別の書店でタイトルを隠した本を買った時は自分の好みに合わず、最後ま

      • 午前にお散歩しよう作戦

        昨年の今頃と比べて、体重が10キロ近く増えた。 ストレスによる過食と運動不足のダブルパンチだとわかっちゃいるけど体が重い。とはいえダイエットしますか?と言われたらそれは話が違うので、どうか今より体重が増えませんようにと神に願っている。 もちろん、そんな都合のいい神などいないので仕方なく重い腰を上げることになった。 大昔通っていたホットヨガ?とか陸上部時代を思い返してランニング?とか色々考えたけど、どれも今の自分の生活には馴染みそうもない。 食事制限はストレスが溜まるので、日

        • アラサーに有効な空気清浄機ことスキップとローファーのみつみちゃん

          スキップとローファーの最新8巻がついこの間発売された。 なにそれ?読んだことない。という方は作者のツイッターで1話が無料で読めるので、まずはそちらをご覧ください。 高校生が主人公なのに、なんでこんなにアラサーの私に刺さるんだ?と思ったら掲載誌がアフタヌーンでした。これもしかして少女漫画じゃなくて青年漫画にカテゴライズされるのかな? 最近のアフタヌーンの連載めちゃくちゃ面白いのが揃っててびっくりする。おおきく振りかぶっても青野くんに触りたいから死にたいもダーウィン事変もフ

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          6本

        記事

          人の話を聞くのをやめる、一人親方的働き方のススメ

          仕事に復帰する時期が決まった。 それがあまりにも嫌なので、もっと休んだほうがいいのでは?とか、いっそ転職するか?とかも考えたけど、頭に浮かぶ選択肢の全てが嫌でどうせ全部嫌ならもう進むしかねえなとなった。 かろうじて以前と環境だけは変わるようなので、休職前の反省を活かして次の場所では人間関係をできる限り円滑にしたいなと思っている。思っちゃいるけど方法が思いつかない。思いつくならとっくにやってるし、休職するまで追い詰められることもなかっただろう。 追い詰められた末に休職したのに

          人の話を聞くのをやめる、一人親方的働き方のススメ

          「誰ともわかり合えない」という砂漠を潤す物語たち

          自分の中に確かに存在しているのに、うまく言語化できない気持ちがたくさんある。 言葉として形作ることができないまま、そう感じたという事実だけが心に残ってしまうのは、ちょっとさみしい。 かっこよくいうと、砂漠に1人取り残されているみたい。 だけど時々、思いがけないところで形作られたその気持ちに出会える時がある。私ではない誰かのエピソードとして、誰かが抱いた気持ちとして表現される瞬間がとても愛おしいから、私は物語を愛している。 そう考えるに至ったのは、違国日記のあるエピソードを読

          「誰ともわかり合えない」という砂漠を潤す物語たち

          休職中でも楽しく読めるお仕事漫画こと「税金で買った本」のこと

          休職初期、布団からから出るのにもたくさんのパワーが必要だった頃、貪るようにアプリで漫画を読んでいた。 いろんなアプリを試した中で、特に気に入ったのがマガポケという講談社のアプリ。1つの無料チケットでちゃんと1話分読みきれるところとか、話買いでも購入したのと同じ扱いになるところとか、漫画の種類が豊富なところを重宝していた。 そんなお気に入りのマガポケでたくさん読んだ作品の中の一つが、この度「全国書店員が選ぶおすすめ漫画」に選ばれた。 "図書館お仕事漫画"のキャッチコピーを持

          休職中でも楽しく読めるお仕事漫画こと「税金で買った本」のこと

          よしなが大奥から学ぶ暗記できない日本の歴史

          大学の同級生に「歴史の勉強がしたい」と言っていた子がいた。 私にとって歴史は暗記するもので、勉強するものだという認識が薄かったので、当時はその夢があまりピンと来なかった。だけど、その子が言っていた「歴史は調べれば調べるほど深くて、今わかっていることがすべてじゃい」という言葉とその表情は心に強く残っている。 私がその言葉の意味に少しだけ近づけたのはそれから10年ほど経って、よしながふみの「大奥」を読んでからだった。 同作は、過去2回の実写映画化、1回のドラマ化を果たし、現在

          よしなが大奥から学ぶ暗記できない日本の歴史

          立川ってたのしい

          先日、推しに会うために立川まで行った時、会場近くのGreen Springsをフラフラしていたらめちゃくちゃ楽しかった。 ちょうどクリスマスシーズンだったので装飾がめちゃくちゃ綺麗だったんだけど、それ以上に各店舗の建物の作りがとっても魅力的で、じっくりみて回るためにまた立川に来たいなあと思わせる佇まいだった。 まちづくりってすごい。 各店舗をふらふらみて回った中で1番好きだったのが、SUPER PAPER MARKETさん。 イノウエバッジ店もありました。 併設なのか期

          立川ってたのしい

          私に代わって怒るムーミン

          フラッと立ち寄った雑貨屋さんで、ムーミンが怒っていた。 この表情だけ見ると伝わらないけれど、ムーミンは本来とても温厚な性格をしている。 けど、そんなムーミンも、怒る。 私の知っているエピソードだと、「カバ」と呼ばれて怒っているものがあったと思う。 ムーミンバレーパークで販売してるアングリームーミンのぬいぐるみのタグには、なかなか苛烈な場面が描かれているらしいので、その元ネタもいつか読んでみたい。 そんな、温厚だけど怒る時にはちゃんと怒るムーミンことアングリームーミンのト

          私に代わって怒るムーミン

          ランジェリーショップってテンションあがる

          風呂上がりに鏡で自分の体を見ていたら、なんか胸元のバランスが悪いな?と気づいた。 そういえば、と最後にバストサイズを測ったのはいつだったか数えると、ゆうに3年が経過している。 楽であることと肌のトラブル解消のために昼夜問わず無印のブラトップで過ごしていたこの3年間が体のたるみに表れているような気がして、急激に焦りを感じた。 勢いのままクローゼットの中のブラを見てみると、使い込んでへこたれている。よく考えたら、これを買った日が最後にサイズを測った日だから、3年は使い込んでいる

          ランジェリーショップってテンションあがる

          心の奥にしまっていた"寂しい"の気持ち

          V6が26年間の活動を完結した日、メンバーの1人が"寂しい"という言葉を使ったメッセージをくれた。 思えば、解散した日だけでなく、そこに至るまでの日々の中で幾度となく「寂しいよね」「泣きたい人は我慢しないでいいよ」と伝えてくれていたん。 だけど、そんなに何度も伝えてもらっていても、自分の中の寂しいの感情と言葉が一致したのは11月1日を過ぎてからだった。 まず、解散発表から9月くらいまでの私は、"悲しい"と"辛い"と"怖い"の感情があまりにも大きくて、その3つの感情にの根っ

          心の奥にしまっていた"寂しい"の気持ち

          V6のいる渋谷の風景

          ジャニオタにとって、渋谷は特別な思い出がたくさん詰まっている街だと思う。 番組協力が定期的にあるNHKやアーティストの手書きメッセージが展示されているファミリークラブは渋谷駅から向かうことが多かったし、当時は原宿にあったジャニーズショップも今や渋谷に移転してきた。 コンサートやグッズにお金がかかるからと原宿や渋谷の古着屋で安くて可愛い洋服を探した日々には、どうしたって青春が詰まっている。 そんな青春の街にいま、V6が溢れている。 こんな風にV6がこの街に現れることはもう

          V6のいる渋谷の風景

          V6から降り注ぐ抱え切れないほどの愛

          2021年11月1日に、V6が解散する。 地上波への出演予定もすべておわり、いよいよ解散を実感し始めている7年目のオタクはいま、彼らから惜しみなく注がれる愛に溺れそうになっている。 解散後も寂しくならないようにと準備してくれた活動の節々から、これまでV6を応援してきた日々と同じ以上の愛を感じられることが、たまらなく幸せで、彼らを好きになってよかったと心から思えることが嬉しくてたまらない。 V6としての26年間を誇りに思ってくれている。 ファンがどんな気持ちでいるのかを、想

          V6から降り注ぐ抱え切れないほどの愛

          ペリカンのパンのある朝ごはん

          日曜日の朝、早く起きた日には「バナナマンの早起きせっかくグルメ」という番組を見る。 バナナマンの2人が「うまい」とか「いい企画だね」と言いながらご飯を食べるだけのその番組を見ながら、寝起きの頭が少しずつ覚醒していくのが心地よくて好きなのだ。 そして、それと同じくらいペリカンのパンのある朝も素晴らしい。 カリッと焼いたトーストにベーコンと目玉焼きを乗せて食べると、お腹も心も幸福感で満たされていく。 「ペリカンのパン」というのは浅草・田原町にある老舗ベーカリーで販売しているパ

          ペリカンのパンのある朝ごはん

          母の本棚、私の本棚

          小学生の頃、母の本棚におさまるマンガを読むのが好きだった。 たくさんのマンガと、少しの小説。 本棚3つ分、パンパンに詰められたその場所は、家の中で1番好きな場所だった。  母の本棚 母の本棚には優しい物語がたくさん揃っていた。 たとえば、 石塚夢見の「朝倉くんちょっと!」 石井まゆみの「ロッカーのハナコさん」 高野まさこの「シュガーベビー」と「ワルツ」 大谷博子の「ペンションやましなシリーズ」 ひかわきょうこの「千津美と藤臣くんシリーズ」 大野潤子の「オーノのハーブ・タ

          母の本棚、私の本棚