固定観念に苦しめられないように
うつになる人は真面目な人が多い。
理由は自分に理想像を重ね合わせて、そこに到達していない自分に納得しないからだ。
いい加減な人間だと、「まあいいか」の一言で終えられることでも、真面目な人はそう簡単に割り切れない。
特に、自分だけでなく他人に迷惑がかかるような部分だとより顕著になる。
例えば、自分は相手を思いやって支えるよきパートナーであるべきだ、とか、こどものことを第一に考えてやれるよき父親/母親であるべきだ、など、自分の理想像に到達していない自分は相手に迷惑をかけてしまっていると考えてしまう。
そして迷惑をかけてしまう自分は生きている価値などないと極端な解釈をしてしまうことがうつの特徴だ。
だけど、そこまで真剣に考える必要はない。
だって相手が求めているのはいつも笑顔でいてくれればそれでいいのだから。
もちろん四六時中、ニコニコしている人なんて極稀な存在かもしれないけど、1分でも1秒でも笑顔でいる時間が長くて、その笑顔を見ることができるのならパートナーやこどもたちはそれだけで幸せになれる。
だから必要以上に自分を追い込む意味なんてないし、自分を痛めつける材料を探す必要もない。
それよりも今自分ができていることを探すほうがよっぽど有意義だ。
人はどうしてもあるものに目を向けず、ないものをねだる。
持っているものには興味を持たず、持っていないものに興味を抱く。
でもそうではない。
もっとあるものや持っているものに目を向けてやれば苦痛は安らぎに変わる。
苦しいことよりも楽しいと思えることを探してみよう。