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見せかけの充電

 二週に一回、家族全員の自転車に空気を入れている。空気入れは電動で、設定した空気圧になると自動で停止する。とても便利だ。バッテリーの容量も三段階で表示され、充電のタイミングもわかりやすい。

 さて、自転車に空気を入れることにしよう。確か、全員の自転車に二回分の空気を入れると、バッテリーの表示は三段目から二段目に下がる。つまり、六回分まで空気を入れられる計算だ。
 しかし、四回目が終わった時点で、実は一段分の力も残っていない。ここでいつも誤解してしまう。せいぜい車輪一つ分の空気を入れるのが精一杯なのだ。
 二週間に一回しか使わないため、見せかけのバッテリー表示をつい忘れてしまう。そして、「まだ動くだろう」と思って使うと、突然動かなくなる。ほら、バッテリー切れちゃったね。
 目に見えるものや、自分の思い込みに惑わされてはいけないのだ。と数ヶ月に一度、同じことに気付かされ続けている。
 では、何を信じればいいのだろう。



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