静かな冬の朝
USJにドンキーコングのエリアができるらしい。任天堂のゲームをよく遊んだ身としては、いつか行ってみたいものだ。
また最近、京都に任天堂ミュージアムもできた。関西が羨ましい限りだ。
まだ何も決めていない頃だったら、父方の親戚が暮らす関西も良かったかもしれない。上京した父の血が代を経て戻ってくる。それも一つのストーリーだ。
さて、寒くなるとドンキーコングで遊んだ思い出が蘇る。休日の朝、平日は寝坊助な私が朝6時に目を覚まし、祖母の家へと向かう。錆び付いた階段をコンコンと鳴らし、2階にある入り口からそっと入る。
祖母は寝ていたのだろうか、物音がしないので特に挨拶はせず、灯油のストーブを点ける。まだ部屋は冷え切っていて、吐く息が白い。冷たいコントローラーを握る手が、かじかんだ。いつも通りスーパーファミコンのドンキーコングを最初から始める。
最初のステージではまだ息が白い。だが、次のステージに進み、目が覚める頃には、ストーブの火が部屋全体をじんわりと温めてくれる。やがて祖母が起きてきて、湯気の立つ温かいお茶を出してくれると、その香りにホッとする。子供ながらに、この瞬間が好きだった。
その後のことはよく覚えていない。日によって予定が違うから、記憶に残らなかったのだろう。当時は何気ない日常だったが、今思い返すと、あの静かな冬の朝のひとときが心に残っている。
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