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ピコの未来
先日、ピコの記憶を掘り起こしたが、今、最新のピコを見て、気持ちを整理している。
ピコとは、かつての子ども向け教育玩具だ。その最新モデルが登場し、親として、また自分の内なる子どもの声を聞いて、どう評価すべきか考えた。
親の目線から言えば、必要な要素を網羅している。素晴らしい。
日本おもちゃ大賞受賞というお墨付き。他のレクリエーションや習い事と比べた場合の圧倒的コスパの良さ。職業体験という、子どもの将来に繋がらないはずがないコンセプト。別売りのソフトでアンパンマンやディズニープリンセスと遊べる拡張性。Switchより安く、プレゼントにうってつけの価格帯。見本のようなプレゼンテーションだ。
一方で、内に眠る私の子どもの目線から言えば、少し物足りないかもしれない。遊んでいないので実際のところは分からないが、綺麗すぎて雑さや混沌の要素が足りない。優等生なのだ。もっと予想外の驚きがほしい。触れてはいけないような、でも重要な気がして何故か目を惹く、荒削りな人間らしさが欲しい。
例えば、スポーツトレーナーであるイチローからリモートでアドバイスを受け、身体能力を十二分に発揮した野生動物を相手に、大谷翔平とピッチングを競う。そんな奇想天外な展開がほしいのだ。
BGMはYOASOBIが良さそうだが、PKC-Zやチョーキューメイ、ILLITも意外性があっていいかもしれない。
子どもの脳内の混沌を再現するには、何でもありの発想が欠かせない。
別売ソフトのアンパンマンに、汚れてしまっためいけんチーズをハンカチで拭くゲームがある。意外性があって面白いので、ダダンダンも含め他のキャラクターも遊びたい。万物を慈しむ心が育つ。こういうツッコミどころのある唐突感が大事だ。子どもはゲラゲラ笑いたい。
全体的には非常に良い製品だと感じる。次回、売り場で実際に手に取ってみようと思う。真面目な親心と、子どもの遊び心。その両方を満たせるだろうか。