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扉の向こうの指輪
ポケモンがヒットした頃から、バージョン違いのおもちゃが増え始めた。「デジモン」や「テリーのワンダーランド2」は育てられるモンスターに違いがあったりしたので、私を含む子供たちの購買意欲を掻き立てた。しかし、「ゼルダの伝説 不思議の木の実」の「大地の章・時空の章」は、まさしくそれらとは時空が異なっていた。
確かに、共通するキャラクターは登場する。しかし、マップ、ストーリー、ダンジョンがそれぞれ異なり、ゲームシステムが共通するだけの、まったく別のゲームだった。
この2作は特に思い出深い。妹と相談して二人でお金を出し合い、一本ずつ購入したからだ。兄妹で漫画も集めるほど熱中していた。そういえば、当時はゲームが発売されると、そのストーリーを踏襲した漫画や、4コマ漫画などが次々と登場したが、今でもその文化は続いているのだろうか。
しかし、ゲームを二本揃えたとしても、コレクション要素である指輪を全て揃えることはできなかった。妹は先に諦めてしまい、私も指輪があると思われる一筆書きの謎解きがどうしてもクリアできなかった。一ヶ月ほど粘ったものの、結局音を上げてしまったのだ。
全力を尽くしたので後悔はない。ただ、あの扉の先に何があったのか。今でもふと思い出し、気になることがある。