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刻まれた教訓
ある日、奥歯に激痛が走った。治療した歯の神経から知らない間に虫歯が進行し、歯の根が炎症を起こしていたのだ。私の日常は痛みに侵食されていった。
痛みは朝昼晩、休むことなく襲いかかり、私は24時間、連続して痛み止めを服用しながら必死に耐え忍んだ。痛み止めを飲み過ぎたため、服用している間は常に薬の味と匂いが口いっぱいに広がり、その異様な風味が脳裏に焼き付いた。
薬の効いた一瞬の静寂も、また次の激痛を前にして消え失せ、気がつけば夜明け前の薄明かりの中、ただただ孤独と苦痛の時間が流れていた。
医師の診断のもと、約一ヶ月という長い年月、歯の根の回復を静かに、しかし必死に待ったのだ。しかし、耐え難い痛みと精神的な疲弊むなしく、一本の歯が還らぬものとなった。
歯は私たちの健康や生活の質を支える礎だ。日々の何気ないケアが、いかに大切なものであるかを、痛みと失った歯が教えてくれた。あの日の絶え間ない激痛は、歯や健康への意識を決して忘れないための、厳しいながらも大切な教訓となった。歯は本当に大切だ。