プロテインは何を売っている?(ルビ遊び編)
おはようございます。中崎雄心です。よろしくお願いします。
さて、
今日は一見真面目な問題提起でありながら、
実はその実大変大真面目なVIP戦略について語ろうと思う。
鉄は熱くに、口火は唐突に。
それでは一つ、行ってみよう!
■そもプロテインとは何か?
さて。
そもそも、プロテインに対しての前提知識は必要だろうか?
部活動やアスリートであれば言うに及ばずだが、要は人体の必須栄養素である「タンパク質」を粉末化したモノだ。
(細かい説明は省くよ!ガチ語りすると宗教戦争になるからね!)
一説によると、古代ギリシャ語で”第一となるもの”がその名の語源だそうな。
何せ3大の栄養素の一つに数えられるその偉大さ大切さは当然伊達じゃあない。
ただの筋肉増強どころか、その実「髪」「爪」「肌」と言った目に見えた美しさを構成するの物質もまたタンパク質がその根幹を担っている。
どころかなんと、不足すれば意外にも、「メンタル」に対しても大きな不調をきたすんだ。
実は「鬱」に対しても強力な予防薬となり得るというのは、まだあまり知られていないかもしれないね。
第一となるものの二つ名は伊達じゃあないぜ。
なんかカッコいいしな!
という訳で…
■必須な栄養素なので、万人にとって無駄にならない。
という所までは、なんとなく掴んで戴けただろうか。
身体が弱い人も、強くなった人も。
老若男女、強者弱者を問わずに「必ず」取り入れる必要のある栄養素だ。
胃腸が元気な男性ならいざ知らず、特に内臓が弱っているご老人やご婦人方には特におススメなこの逸品。
でも一方…
「昔飲んでみて、ゲロマズだった。」
という方も、やっぱりいるかもしれないね。
実は私も飲んでいた大学時代(15年前くらい)の時点でも、正直粉っぽくてあんまり好きにはなれなかった。
だがね?
■味はもう、とっくに飲めるものになっている。
いやぁ技術の革新は素晴らしい!
そもそこに問題があれば解決し、努力し、克服してきたのが我らが偉大なる人類史だ。
コレがましてや「健康に良い」「需要がある」「ほぼ万人に効く」ともなれば、そりゃもう当然「売れる」分野だ。
人手もテクノロジーも潤沢に注がれる為、実はもうこの問題は大分解決したと言っていい。
※少なくとも、最近飲んだプロテインはもう殆どココアと変わらないレベルにまでなってきた。
なんとエクセシオールカフェでは、バナナとブレンドされたプロテインシェイクが普通に売られていた程だ。
ちゃんと美味しかったし、そして美味しく飲む方法はもうとっくにありふれている。
後は皆が実感すれば、問題解決。
めでたしめでたし。
…
となる。
筈。
…だったのだが。
■機能で差別化するのが、難しくなってきた。
当然である。
「マズイ」という明確な弱点が解決してしまった今、後はどうやってプロテインを選べば良い?
「どのプロテインが効くか?」は論外だ。
Aのプロテインをずっと飲んで検証し、その後Bのプロテインをずっと飲んで検証する。
1年2年もかけて性能テストをする程実験したくは無いし、その間当然肉体の全盛期は止まらず尽きていく。
そして他者がどれだけデータを撮っても、
「効果には、個人差があります。」
の一言でオーバーキルだ!!
そりゃ数十人単位で誰かが人柱になれば真相は判るだろうが、イヤイヤ一体誰が好き好んでそんな失敗をしたいものか。
ならもう結果的に、「実際にムキムキな人がいつも飲んでいるヤツを選ぶ」位しか無かろうさ!
何事も文字通り、結局はその結果が全てだ。
だが!
■そもそもみんながムキムキじゃねーか!!
当たり前だろ!
誰がガリヒョロのタレントをCMに載せるんだ!!
実際にムキムキになるまでをドキュメンタリーで追っても、成果が出るまで3ヶ月から1年は絶対かかるだろ!(しかもビギナーボーナスはメチャクチャデカイ!)
んで持って例の「成果には個人差があります」だ!
「性能」は長い目で見なけりゃ判らんし、「味」はみんな美味しいときた!
だったらもう、後は大手の資本力で市場制圧すればそれで業界のトップは決着。
ゲーム、終了ー!
…
…
…。
いや。
■———-しかし此処に例外がある——————
そもそもだ。
そもそも。
何故、皆はプロテインを飲み始めた?
美容でか?
飢えでか?
或いは見栄で、憧れで?
そうだ。
そもそものはじまりには、
とても小さな、ほんのちっぽけな憧れがあったのだ—————!
■本当は、ずっと強くなりたかった。
そうだ。
最初は背伸びで、それでも大きく、強く、そしてもっとも逞しくなりたくて。
そして彼らはその粉に手を伸ばし、その苦痛にどうにか耐えて、そのやせ我慢を皆の前で貫き通した!!
だというのに、なんだ!
なんだ今のプロテインは!!
甘い!甘い!甘すぎる!!
何をうっかり飲みやすくしてくれてんだこのバカヤロウ!!
こんなイージーな代物で!たとえ筋肉が膨れ!育ち、肥大したとしても!!
それで強くなった自分を、どうやって己自身に誇れるんだ言ってみろ!!!
プロテインはもっと、俺たちを極限の限界にまでに追い詰めてくれるもんだろうがーーーー!!!!!!
#めんどくせえなコイツら
■というわけで。
詰まる所、「開発段階で生まれてしまったゲキマズプロテイン」は…実は売れるんじゃね?
当然、筋肉や人体にとって非常に有効である事は大前提で、ただ絶望的にマズイというだけで廃棄されてしまったプロトタイプは、案外需要があると思う。
多分、「居酒屋の激辛たこ焼きロシアンルーレット」や「青汁罰ゲーム」的なノリで使用出来るので(しかも成分はただのタンパク質なので安心安全。)…
最初はサンプルも兼ねて、少量包装で良い筈だ。
で、そこそこ知名度が上がってきた頃に、VIP向けに|この大袋を買っていただけたら《貴様が生贄になれば》、一般の方々にまともなプロテインを配布しますで高値で売ればオッケー。
だってもう彼らの筋肉は育ちきっていて、生半可な負荷では満足出来ず、じゃあ追加で「味覚」と「財布」に特大のボディブロー二連撃を打ち込まないと、彼らはもう満足しないよね。
多分、そのゲキマズプロテインを届ける際におかげさまでプロテインを飲んでスクスク育っている子供たちの笑顔の写真と新聞を一緒に贈ってあげると泣いて喜んでくれると思うよ。
鬼かな?
おめでとう少年。キミの願いはようやく叶う。
という訳だ。
■まとめ。
プロテインが真に提供しているものは、強い自分になる為の試練だ。
生まれついての強者などいない。
俺たちは等しく弱者であり、平等で、いつでもきっと何かに苦しんでいる。
だから、共に戦い、奮い、励まし合って、そして今日も己に勝とう。
大丈夫。
例え君が心折れそうな時も、それでも俺は今日も戦っているし、そして俺の心が折れそうな時は、きっと君の背中が俺を必ず支えてくれるだろう。
励まし合おう。
俺たちは、1人じゃあない。
俺たちは、間違いなく一つなのだ!!!
おしまい。