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「クエスト攻略」case.6「喫茶店に学ぶこれからの戦い方」

ライブハウスにヒントがあった。

さて、懲りずに再び番外編第6回。今回は純粋にポジティブな学習だ。久々に外出した際、仙台市の六丁の目にある「ケヤキコーヒー」さんで、凄く素敵な戦い方を観させていただいた。「未だ店内飲食は厳しいけれど、成る程この方向性なら戦えるかも!」という希望が得られたのでシェアする事にした。完全に趣味の領域ではあるが、何かのヒントにはなるかもしれない。それでは始まり始まり。

どの道今後も感染症のリスクはある訳で。

さて、今回の対象は「小規模な飲食店」だ。大体客席の数は10〜20位を想定している。この規模で営業する以上、そんなに大量生産に手は回せない。となると店内飲食では比較的「少量×高単価」の方向性に移行するだろう。(テイクアウトも可能ならある程度客数は増やせるだろうが、そちらはどの道自粛中も営業出来ていたので割愛。)要は、「店内の飲食が実質封印された場合」の戦い方を考える事にする。

そも、何が素晴らしかったのか?

実はどの飲食店もそうだが、「店内の客席」は皆封印されていた。大体店の片っ端に積み上げたり、テープや張り紙を作って「禁止」の方向性だ。まぁクレームを起こさない為なのだろうけれど、とはいえあんまり良い気分にはならない。なんとか客席の「ポジティブな転用」は出来ないものか…と考えていたのだが。一軒だけあった。

実はこの客席の空間に、「珈琲の焙煎機」が設置されていたのだ!

※正直Ipadを持っていくんだったととても後悔。是非その写真を撮るべきだった…!しかも色合いがまた実に良い!黒色のボディに金の金具が素晴らしく映える!最高に好みだ!

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こんな色合いなイメージ。実際はもっとカッコ良かった!

何故コレが有効か?

当然根拠もある。大別して4つ。

①パフォーマンスとしてのインパクト。
②オーナー自身のスキルアップ。
③「香り」というオフライン広告の専売特許。
④ライブ配信への転用性。

順に行こう。

①「工場見学」という収益化の糸口。

もう実際に行ってもらえれば一番良いのだが、「インパクト」が凄い。リアルな場にあれだけ「ギミック感」を出されると、それだけでお店に行く理由が増える。むしろ「テイクアウトの商品」に「見物料としてのチケット」の属性が付与出来る。外出自粛で気が参っている顧客にエンタメを提供出来るこの仕組み。かなり強い仕組みだ。

「プロによるショービジネスの場」というのは素晴らしい可能性を感じる。どの道職人技を日々行っているのだから、もういっそ見せた方が収益化出来るよね、というお話。

②「挑戦者」の側面は絶対にファンが増える。

実はこちらのオーナーさん、エアロプレスの選手権で世界大会に挑める実力者なのだとか。元々長野県を中心にした「丸山珈琲」さんで修行されていた時期もあったそうで、実力は折り紙付き。そこは当然素晴らしい売りではあるが…実際問題、「職人の完成品」と「自粛期間」はどうにも相性が悪い。(過去記事参照。)

テイクアウトではどうしても冷めるし、例えUberで届けても…各家庭の内装では、魂の篭った飲食店の内装にはどうしても劣る。(顧客にとっては最高の環境ではあるのだが、商品と相性が良いかは別のお話。)

しかし一方で、焙煎の「勉強をしている」側面は、かなり顧客の心を掴む。

いわゆる、「エモさ」。

コレは既に名を挙げている人ほど効果的な戦略で…「あの〇〇さんが、新しい事に!?」という驚きは「応援」というファンを増やすには凄く相性が良い。

実際、AKB48が狙った「応援相手の成長性」がどれほどの社会現象となった事か。元々の向上心によるものだろうが、結果的に実に良い戦略だ。

③オンラインでは「無料で再現出来ない」優位性。

ココが一番盲点だった。

動画や音声で広告出来るのは、当然「視覚」「聴覚」までだ。
「味覚」はある程度料理が上手な人なら幾分再現出来るし、
「皮膚感覚」も「エクササイズ」でいくらか補える。

では、「嗅覚」はどうだろう?

コレは現状、オフラインの方が圧倒的に強い。「香料」や「アロマ」ならいけるかもだが、どちらも「先に購入する」という「一手間」が欠かせない。つまり、「既にファンになっている人」にしか再現出来ない以上…「新規顧客の獲得」とはどうしても相性が悪いのだ。

そこに、珈琲の香りが漂ってきたら?

「超希少価値」だ。ただ部屋の換気をするだけで、そこはかとなく良い香りが漂う。住まいという日常に対して「非日常的なエンタメ」を広告的に拡散出来る。しかも珈琲は自宅で淹れる事も出来るし、そのお店には道具も器具もプロのアドバイスも、何もかも揃っている訳だ。完璧すぎる。

④ズーム画面越しにサービスが提供出来る。

トドメだ。スタバも普段オフラインでしている事だが、シンプルに「コーヒ教室」として優秀過ぎる。何せ背景の画面越しの絵力とプロの佇まいが完璧だからだ。

そもこの自粛期間で圧倒的に強かったのは、腐らずに「学習の機会」として転用出来た人達。余りに膨大な待機時間中に喜ばれたものは…プロの「完成済み商品」では無い。アマチュアぐらいに自分を高めてくれる「練習教材」だ。

そして必要な道具も提供出来るし、ココでファンを増やせば「珈琲豆」という「生活必需品」を継続的に買ってくれる事になる。正直、オンライン講習は無料で行っても良い位。これ自体が極上の宣伝であり、何より「求人」としての効果がデカ過ぎる。「実際の上司の働き方と教え方を無料で体験出来る」以上、地元で就職したい人が必ず参加するからだ。YouTubeにでもアーカイブを残し、ホームページへのリンクを貼っておけば…広告収入以上に商品の購入で直接的な利益も上げられるだろう。

まとめ。

客席が減った分、開いたスペースを「展示場」として価値を生み出そう。自分のサービス内容を「オンライン学習」へ転用出来れば自粛中もこうして収益化は可能だ。勿論、強みによってはライブ配信や質問会、でも良い。「動画と一緒に商品購入ページを貼り付ける」=「ダイレクト課金」との相性が最高なので、オンラインでもオフラインでも戦える体になるだろう。

もっとも、コレらを考慮して焙煎機を設置したのかは不明だが。是非一度、足を運んで見て欲しい。当然珈琲も美味しいのでね。それでは!

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