戦後80年ー不戦宣言の時ー
2025年度の予算案が昨年12月に公表されたが、防衛費の増額が目立つ。今年はアジア太平洋戦争敗戦から80年の節目の年である。戦後制定した平和憲法の観点から見て、現政権の政策には次のような問題点があると考える。
第一に、敵の攻撃の予兆があるといえ、国境線を超えて他国を攻撃することは侵略にほかなならない。専守防衛を旨とする平和主義の理念とは全く相容れない。
第二に、敵基地を攻撃することで、他国民を殺害するばかりでなく、敵国の反撃によって日本国民にも多くの被害が出る危険性がある。政府の行為によって戦争の惨禍が起こらないようするという憲法の精神に明らかに反している。
第三に、戦争をするのは人間であるという視点が欠如している。戦争は兵器がするのでなく人間がするものである。自衛隊の任務とはいえ、国民を一層の危険に晒すことは平和的生存権をはじめとする基本的人権を国が明にか侵害することになる。
第四に、防衛費を増額することで、現在の日本で大きな課題である少子化対策という重要政策への支出が抑えられ、将来世代の育成が疎かになる。
第五に、日本が防衛費を増額することで、近隣国も抑止力として軍事力を増強することになり日本の安全をかえって脅かし軍拡競争を招く。
以上の点から考え、今日本がなすべきことは、まず平和憲法の精神に立ち返り、「不戦宣言」をして防衛費を削減することである。その上で、日本国民の安全と安心を確保するために仮装敵国とみなす国の首脳と会談を定期的に行い、お互いの信頼を醸成することである。
過去の歴史に学び、20世紀の戦争の過ちを2度と起こさないために、安易に防衛費を増額するのではなく、憲法の精神に立ちかえり、積極的に平和構築のために行動していくことが日本のあるべき姿とか2025年の正月に考えた。