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2. 今、産業の現場で何が起きているか【社長インタビュー】

御社って
"よく分からないけど"
とても面白そうな会社ですよね!!
(素敵な笑顔で)

カジュアル面談や面接での当社"あるある"。
数々の応募者の方から、このコメントを頂いて来ました。(実は…私も言っていました…)

今回のインタビュー企画で「よく分からないけど」を、少しでも減らせる様に改善したいと思っています!!

全4回のうち2回目として、
製造業を中心に産業の現場で起きている問題は何か。それを、どういう観点で解決していくのが良いのか?についてのインタビューです。


今、産業の現場で何が起きているか


ーー色んな現場で起きていることの中で、どういった事を、那須さんとしては問題と捉えていますか?

  • 解決できない人材の問題

  • ベテラン層への依存

集約するとこの2つと考えています。

ーーでは、それぞれについて聞かせて下さい

解決できない人材の問題

業界を問わず、人材不足は深刻化しています。城谷さん(インタビュアー/採用担当)も採用、とても難しくなってるでしょ?

ーー毎年難易度が上がっていますね…

産業の現場でも年々「本っっ当に採用出来ない!」と語気が強くなってるんですよ。なので今は、派遣社などからのリソース提供で、なんとか回している状況です。日や週毎にスタッフが入れ替わることも多くて、以前は当たり前だった、社員へ実施するような教育/スキルアップ施策を打ちにくい環境です。

日本は今だけでなく将来も人材確保が難しい。年月を掛けて人材育成に取り組むのも難しい。つまり、人の数や質で現場を改善し続けるのは、厳しい環境です。

ベテラン層への依存

ベテラン層の方々は、若手時代に自分たちの手で立ち上げた工場の改善を繰り返してきました。そこから時間が経過し、老朽化が進む設備環境にも関わらず「最高レベルのものづくり現場」と世界から評価を得続けています。これは、ひとえにベテラン層の方々による、努力の積み重ねから生まれていると思っています。

ーー最近だとスマートファクトリー化によって、ベテラン層への依存は軽減する傾向にありませんか?

そうですよね。スマートファクトリーは理想的ですよね。だけど、おそらく工場や物流センターのほとんどは「スマートファクトリー化を促進するために、工場を建て替えましょう!」とはならないんです。
今ある資産を活かしつつ、部分的/段階的な自動化や改善を繰り返していかないといけないんですよ。ただ、前回のインタビューで話した、AGVの様なケースを防ぐために"全体最適"の観点を持ち、ベテラン層が改善に取り組んでいます。

ーー世界から高評価を得続けているという事は、製造業のベテラン層の方には相当優秀な方が多いんでしょうか?

もちろんそういう側面もありますが、別の見方もあります。今のベテラン層の方々は、文字通り工場と一緒に育って、工場の隅から隅までを理解しているんです。

ーーそれは、改善に対する打ち手の豊富さにつながるという事でしょうか?

そういったものよりも…経験による"勘"に近いかもしれません。
問題が起きたときに「多分ここが原因だから、ここを変えましょう!」って分かるんですよね。で、大体それが当たっていて。
工場を立ち上げて一緒に育ってきているので、頭の中に工場のすべてが入っているんですよ。製造ラインが決まった背景、どうモノが動くのか、人はどう配置され活動しているのか。そしてその時、他の工程はどういう状況なのか。もう工場のすべてが頭の中で再現出来ているので、データを元に判断する必要がないことも多々あります。


問題をどう解決していくか


ーーこの現状に対して、現場はどういうことに取り組む必要があると、那須さんは考えていますか?

色んな方向性がありますが、自分が考える"目指すべき姿"は、スキルレス化です。
経験が浅い人でも、ベテランに近い課題特定や改善提案が出来るようにする。そのためには、データ基盤を整える事。この一言に尽きます。ベテラン層の"勘や感覚"を色んなスタッフが持つために、現場での"フィジカルな出来事"をデータ化することで、結果が生まれたきっかけ状況を、解釈出来る様にしなければならないと考えています。

ーーデータを揃えることで、スキルレスに判断や行動が出来る様にするという事ですね。最近はDXの文脈から製造業では、色んな情報が収集出来ていると思っていました。

と、思うじゃないですか?でも収集できているデータ、実は足らないんですよ。
例えばですよ?製造装置の稼働率を上げたいとなった場合、装置が"いつ, どれ位, 何回止まった"といった実績や結果のデータに限られてて…つまり"なぜ止まった?という全体像"が分からないんです。

ーーでは、どういうデータを集める必要があると、那須さんは考えていますか?

現場の状況を解釈可能にするデータが必要です。生産効率を改善する際に利用する4Mという要素があるんです。

  • Man: 作業員/人

  • Machine: 製造装置

  • Material: 材料/モノ

  • Method: 生産方法

この4つで4Mです。現状では、4Mのうち"装置"と"その装置に掛かっている最中のモノ"に関する情報はすでに取得できています。
これに他の要素、例えば""や"装置に掛かっていないモノ"の状況に関するデータもあれば、現場で何が起きていたのかを解釈出来る様になり、課題特定や改善策の検討が実現できるようになると考えています。


ーー本インタビューはココまでとなります。インタビューの1回目は、産業向けに事業展開をする経緯と価値観。2回目である今回は、産業の現場において何を問題〜課題と考えているか。次回3回目では、自己紹介らしく、「当社サービスiFieldの"これまで"と"これから"」と題し、課題に対してどう私達が価値提供をしているのかを公開させて頂きます。次回も是非ご覧ください!