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3. 位置・空間情報技術サービス"iField"の「これまで」と「これから」_社長インタビュー
「どうやって採用ピッチに書こうか…」
入社後1番最初に悩んだのが、サービス説明。
ずーっと改善を続けて早6年。
今回はマルティスープの自社サービス"iField"や位置情報技術の活用意義などについてお伝えさせていただきます。
案の定、全4回のインタビューの中で今回が1番時間が掛かりました 笑
読者の皆様はもちろん、"6年前の自分"にも分かりやすい内容であればイイなと思っています。
是非最後まで御覧ください!
代表取締役 那須 俊宗
2000年にマルティスープ株式会社を創業。「位置・空間情報技術で”その場”の価値を最大化する」を企業ミッションとして、メインプロダクトである「iField(アイ・フィールド)」を中心に様々な産業において屋内外を問わず”現場”におけるデジタルイノベ―ションのチャレンジを続けている。
"iField"の提供価値
ーーマルティスープでは位置情報を活用したサービスやソリューションとして、iFieldを提供しています。データ基盤を整えるという課題を抱える産業の現場において、iFieldはどの様な形で価値を提供しているのでしょうか?
価値提供には、いくつか段階があります。
まずは所在管理です。現場で人・モノ・車両を探している時間って結構多いんですよ。まずは所在管理を通じて、探さない現場づくりに貢献しています。
ーー導入事例の中で言うと、デンソー様のケースが正にそうですね。
次のステップが、現場での人やモノにおけるフィジカルな出来事をデータ化・ビジュアライズする事です。
このフェーズから現場状況を解釈して、何かを判断するために位置や動態に関する情報を取得しているんです。
もう少し言葉を足すと、自動化を検討する前段階である業務の"単純化"と"複雑なものとして残す"この振分けを目的に、ご利用頂くケースが多いです。今、色んな現場で機械化/自動化されていない仕事は、複数の要因が絡み合って複雑性が下がらないか単純化出来ず、人に残している仕事と解釈しています。
ーー機械は複雑なことをやっているものだと思っていました。
本来機械や装置が得意なのは、
単純もしくはパターン化出来る動き
ゆっくり, 継続的な動き
こういったものです。AGVや加工の機械などがイメージしやすいと思います。難しい加工や処理をしている機械も、動きや工程を単純化/パターン化されたものです。
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ーーなるほど。そこにiFieldはどう貢献出来ているんでしょうか?
複雑性が生まれる背景は、現場の4M(人・装置・材料/モノ・方法)それぞれが絡み合う事です。現場業務そのものや現場で生まれる問題に対して、4Mがどの様に絡み合っているか、どう分解出来るのか。
つまりフィジカルな現象をデジタルにコピーして、データ化やビジュアライズし、現場で起きている事を解釈できるようにする事がiFieldの役割の1つです。
ーー何かイメージ出来るエピソードはありますか?
例えば製造装置がよく止まる工場があったとします。色んな要因で装置は止まるので、要因の特定って難しいんです。
装置にかける予定の"モノ"が装置の近くに有ったのか
装置の近くに人はいたのか
iFieldを活用する事で、これらのデータを蓄積・ビジュアライズすると
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この様に現場の状況を紐解き、解釈や課題特定することができます。
ーーなるほど。iFieldを使うことで、現場の状況を解釈可能にする事ができるんですね。この様な、位置や動きなどのデータ基盤を作ることで、ユーザー企業は最終的にどういう事を実現できますか?
現段階では、大きく分けると4つの形にまとめられます。
ムダな時間の削減による実質稼働率の向上
人数・台数最適化による少人化・経費削減
リードタイム、仕掛品削減による利益向上
位置・場所の情報を活用した安全管理
人・モノ・車両・設備における位置, 動き, ステータス情報を蓄積し活用することで、こういった価値提供を行っています。
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iFieldや位置情報技術の今後について
ーー今後の展望はどう考えていますか?
作業報告
作業指示
作業内容推定
これらの自動化を目指しています。単純化出来る業務については、機械化を通じて自動化していただく。すぐに着手できない場合、もしくは複雑性が高く人に残す業務については、iFieldのアプリケーション、例えば作業における、指示・報告・内容推定に関する自動化機能を使って頂くことで効率化や属人性を下げる取り組みが出来ればと考えています。
現場スタッフであれば、
どの作業に取り掛かるべきか
いつからスタートするか
作業予定時間や待つ時間
こういった事を考えたり判断する必要性をどんどん減らすことで、経験が浅い人でも取り組める環境、つまりスキルレス化や本質的なスマートファクトリーを促進したいと考えています。
ーー日本のスマートファクトリー化には20年〜30年などまだまだ実現に時間が掛かると聞いていますのでiFieldは長く現場に価値提供できそうですね!
仮にですが、スマートファクトリーが更に発展した時、iFieldの登場シーンはあるんでしょうか?
それは勿論です。スマートファクトリー化が進むことによって
多様な自動化対象物における一元管理の難しさ
人に残された"判断"の難易度向上
こういった問題が出てきます。
自動化を目的に、AGV導入、製造装置も自動化、その他も…となった際、それぞれのメーカーが異なることで、一元管理が難しくなってくるんです。iFieldは、メーカーや対象物を問わず所在や動態を管理出来るため、プラットフォームとして自動化と共存できる未来があります。
合わせて、様々な自動化と少人化が進められた結果、人に残される業務は難しい判断が必要になってくると想像できます。適切な判断には判断材料となるデータが必要になるため、iFieldから取得出来るデータの価値は、スマートファクトリー化が進むと更に上がります。
ーー製造業以外ではどうでしょうか?
製造業の思想や取り組みが、建設/土木業界にも波及し始めています。街やインフラづくりにおける工場化/自動化という変化も生まれてきているんです。
その影響を受けて将来的に、3Dの技術を用いて、場所やレイアウトをデジタルにコピーする技術が更に発展していくと考えています。その文脈の中で、iFieldはその場のフィジカルな現象をデジタル化/デジタルにコピーし、解像度の高い血の通ったデータづくりに貢献出来ます。
フィジカルデータのデジタル化は重要性が高まり続けるため、求められることも更に増えてくると考えています。
ーー本インタビューは以上となります。これまでのインタビューでは
マルティスープの価値観
産業の現場における問題点と課題化
産業の現場にマルティスープがどういう価値を提供しているかと、今後の展望
これらの内容をお伝えいたしました。
最終回である次回では、今後の展望に向け、どういう人材がマルティスープに必要なのかを投稿させていただきます。
是非次回も御覧ください!