私の恩師その1
私は人に恵まれている。さまざまな出会いのひとつひとつが私の人生にいろいろな影響を及ぼしている。
その中でも初めて私の人生に多大な影響を及ぼした人を紹介する。
それは高校時代の数学教師である。
高校2年生の時に数学の担当教員だった人だ。
初めの印象はくたびれたおじいちゃんだった(失礼ですみません)。
その人は新学年の初めの授業を淡々と進めていた。
たしか、虚数について習っていたと思う。
私は普通に授業を聞いていた。
ふと、先生が黒板に書いていた手を止めて振り返って突然言った。
「いいか、お前たち、勉強っていうのはな、『楽しんでいいんだぞ』」
なんのことか分からない人もいるかもしれないが、その時、私の中で衝撃が走った。それも私の前提を覆すような。
私は勉強というものは『楽しんでいい』とは思っていなかったのだ。
楽しい勉強という考えを持っていなかった。
試験のために勉強する。受験のために勉強する。家族のために勉強する。
そんな考えしか持っていなかった。勉強は苦しくて辛いものとしか思っていなかったのだ。
しかし、勉強を楽しむという、いや、楽しい勉強をするという考えはすぐに受け入れれた。
宇宙に興味があったので、図解シリーズの本を読んだりした。
楽しかった。自分に興味のある事を試験のためじゃなく自分を楽しませるために勉強するという行為を初めて経験したのだ。
先生にはたびたび興味をもったことを質問をした。その度に先生は「面白いことを教えてくれてありがとう」と言ってくれた。
先生は自分が分からないことでも受け入れてくれた。
私の知的好奇心を満たすために勉強するというスタイルはこの先生の何気ない一言によって作られた。
私が恩師から学んだことは『勉強は楽しんでいい』ということ。
まぁ、しかし、残念ながら、相変わらず、私は苦しい勉強は出来ないのだが、、、
最後まで読んでいただいてありがとうございます。