![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86796807/rectangle_large_type_2_12977757cab8e80d74b82e32aeac2714.jpeg?width=1200)
カナダ保守党・党首選 ピエール・ポイリエーブルが勝利
日本のネットニュースでは1記事も情報が出回っていませんが、カナダの保守党・党首選でピエール・ポイリエーブル氏(Pierre Poilievre)が勝利し、新党首になりました。
フリーダムコンボイ
日本でのワクチン接種やマスクの着用は任意ですが、世界ではどちらも義務化されてきました。
ロックダウン、営業規制、集会規制なども、日本のような要請・お願いではなく、もっと厳しいレベルで実施されていました。
そういった規制に対し、カナダではフリーダム・コンボイというデモが行われました。
歴史の教科書にのるほどの規模です。2分ほどの動画なので是非ご確認ください。
きっかけはトラック運転手に対する新型コロナワクチン接種義務付けでしたが、コロナを理由に強権的な規制を行う政府に対して、多くの市民が抗議を行った、というのが本質です。
なので動画には大量のトラックが映っていますし、それだけでなく、多くの市民の乗用車があることが分かります。
最初はアメリカ西海岸のBC州からスタートし、どんどん車が合流して大きくなりながら、4,400kmかけて五大湖東のオタワまで抗議をしに来ました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86901055/picture_pc_07fc54575769652205b2196a8de1ec66.gif)
沿道にかけつけて応援する人もたくさんいます。
CANADA - The longest Convoy in the world. Truckers make their way with
— Bernie's Tweets (@BernieSpofforth) January 26, 2022
Supporters lining the way, cheering from bridges, delivering food, drinks and buying fuel.
Trudeau has a problem here, a big one.#TruckersForFreedom #COVID19
pic.twitter.com/4Ix8yz8ZqY
抗議は1月から2月にかけて行われました。緯度の高いカナダはこの時期、昼でも‐10℃、夕方~夜間にかけては‐20~30℃にもなるそうです。それでも行動せずにはいられないほど、市民の心に熱が灯されたのでしょうか。
運動の規模
FOXニュースの報道では、フリーダムコンボイ側のコメンテーターが
「Right now there's 50,000 truckers and about 1.4 million people headed to the parliament in Ottawa」(1:35~)
「今、50,000 人のトラック運転手と約 140 万人がオタワの議会に向かっています」
と述べています。
そんなフリーダムコンボイ運動ですが、カナダのトルドー首相は「小さな過激なマイノリティが受け入れがたい意見を表明している、(中略)カナダ人の意見を代表していない」とコメントしました。
また、ほとんどのメディアは運動の規模を数千人~数万人と報道してきました。
運動の雰囲気
平和的な非暴力・不服従運動であり、明るいお祭りでもあります。
https://t.co/DsQrxx6MP7 pic.twitter.com/YWNSgjYh6j
— You (@You3_JP) February 20, 2022
道中のアルバータ州では警察とハグ。
🇨🇦アルバータ州の米国国境Couttsの抗議デモ撤収。警察とハグして撤収するデモというのを初めて見た。過激派?ナチ?緊急事態法発動で軍隊の出動対象?pic.twitter.com/lHA1XsMKCk
— J Sato (@j_sato) February 15, 2022
一方、カナダのトルドー首相は「憎しみのこもった暴言や同胞への暴力を表明している抗議団体に近づく気はない」とコメント。
フリーダムコンボイに対するメディアの報道を、CNNの記事から抜粋します。
カナダで新型コロナウイルス規制に抗議するデモが全土に拡大している。西部のアルバータ州から東部のケベック市に至るまで、各地で数千人がトラックやトラクター、乗用車、さらには徒歩でデモ隊に加わった。
(中略)
暴動などはほとんど起きていない
(中略)
オタワ警察は、先週デモが始まって以来、関連する400件以上の通報に対応。ヘイトクライム(憎悪犯罪)の可能性がある事件を含め、少なくとも50件の捜査を進めていることを明らかにした。
中部マニトバ州ウィニペグでは4日、デモ隊に車で突っ込んで4人をはねたとして、42歳の男が逮捕された。
警察によると、デビッド・アレクサンダー・ゼガラック容疑者は4人をはねた後に、赤信号を無視して猛スピードで逃走したとされる。その後警察に逮捕され、暴行や危険運転など11件の罪に問われている。
FOXニュースと違い、トラック運転手~乗用車の市民を合わせて数千人と報道しています。
そしてデモによるヘイトクライム(増悪犯罪)の可能性を示唆していますが、具体例として出したのは「デモ隊に車が突っ込む」という事件。
デモ隊がヘイトクライムを起こしてるんじゃなくて、デモ隊がヘイトクライムの被害にあってるじゃん!?
こんなメチャクチャな事例しかないのでしょうか。むしろ具体例は報道しなかった方がよいでしょう。
トルドーの対応
「デモに参加すればより厳しい処罰を受けるだろう。免許を失い、犯罪歴が残る。コロナ対策はお前らを守るためのものだ。話はもう終わった。もう家に帰れ」
Prime Minister Trudeau warns protesters: "If you've joined the protest because you're tired of COVID, you now need to understand you are breaking laws," and that "the consequences are becoming more and more severe."
— Rebel News (@RebelNewsOnline) February 11, 2022
MORE: https://t.co/DEN7zzSz9G pic.twitter.com/oP7ObrpT4B
トルドー首相はデモ隊を排除するために、燃料の供給を禁止したり、レッカー車による撤去を試みました。
ところが市民が代わりに燃料を届けてくれたり。
After the “fuel ban” it is now illegal to bring gas cans to the Freedom Convoy Peaceful Protest — here is what the streets of Ottawa looked like tonight.
— Benny Johnson (@bennyjohnson) February 9, 2022
God bless these people 🙏🏻😂 pic.twitter.com/kswVn4vtVS
![](https://assets.st-note.com/img/1663199979109-fkTytIBcaW.jpg?width=1200)
トラックの撤去を命令されたレッカー車が、逆に抗議に合流したりと、非暴力・不服従の抗議を続けてきました。
さらにトルドー首相は緊急事態法を発動して銀行口座の凍結(他にも色々)を行いました。
デモに関わった個人や法人の銀行口座を凍結できるようにする。
(中略)緊急事態法は非常事態に対応するために政府の権限を一時的に拡大・追加する。前身となった戦時措置法はカナダの歴史上、3度のみ使用された。2度にわたる世界大戦に加え、1970年に東部ケベック州の分離独立を求める過激派が州閣僚らを誘拐する事件を起こした際、トルドー氏の父親で当時の首相だった故ピエール・トルドー氏が発動に踏み切った。
第一次・第二次世界大戦や、分離運動のときと同じくらい危険なヘイトクライム・テロが発生しているから、仕方ねえよなあ!
とうとう警察が出動し、デモ隊は鎮圧されました。騎馬隊によって女性が倒された(踏まれた?)というショッキングな動画も出回りました。
🇨🇦警察騎馬隊に、頭部を踏み潰されたのは、歩行器でデモに参加していた高齢の女性。0:30が馬が踏み潰した瞬間 pic.twitter.com/KAnoVwqhld
— J Sato (@j_sato) February 19, 2022
保守党の対応
最大野党である保守党の動きはどうだったのでしょう。
当初、党首のエリン・オウトゥール氏は「トラック運転手を教育するべき」とトルドーを援護射撃!
また、トルドーほど直接的ではありませんがフリーダムコンボイを遠回しに非難していました。
ところが、ある日を境に「彼らは我々のヒーローだ」「現政権は狂っている」と論調を変え、フリーダムコンボイを支持し会談をすると表明します。
ポイリエーブルの対応
メディアはフリーダムコンボイを極右・少数派・過激派・わがままなどとレッテルを張って報道してきました。
フリーダムコンボイが平和的なのは、紹介した動画を見ていただければ、そういう側面があると思っていただけると思います。
逆にメディアが絶賛しているBLM・アンティファなどの活動は非常に暴力的です。殴る蹴る、脅迫、店の商品を略奪、火炎瓶で放火などです。そういった事件が問題になっても、目的・理念自体は崇高・正しいのだから、として何かと弁護に励みます。
「BLMの意味を知っていますか」
「Black Lives Matter(黒人の命も大切だ)じゃないんですか?」
そう答える私に、全然分かってない、という感じで首を振る。
「Burn、Loot、Murder(放火、略奪、殺人)の略ですよ」
人種差別に抗議する平和的なデモの一方で、一部で破壊行為や略奪が発生していることを指しているのだ。
個人的な意見ですが、BLM・アンティファの放火、略奪、殺人は、隠したくても隠し切れなかった分だけが報道されていると思っています。
フリーダム・コンボイは、間接的に極右だ、過激派だという記事は多くありますが、直接的に放火、略奪、殺人をしたとされる記事は探した限り見つかりませんでした。
逆にBLM・アンティファは、表面的には平和で素晴らしいデモだという記事は多くありますが、直接的に放火、略奪、殺人をしたとされる記事が見つかりました。
(なお、BLM・アンティファはアメリカだけでなくカナダでも活動し、トルドー首相からは絶賛されました)
そんなメディアの偏向報道にポイリエーブルが切れます。
「BLMやアンティファが過激な活動をしてもだんまりで(報道しないで)、フリーダムコンボイが声を上げたら一部を切り取って、団体全体を非難するのはなんなんだ」
「例えばCBC(カナダ国営放送)の職員が差別発言をしていたが、CBC全体を差別主義者だと言ったメディアは一つもなかっただろ」
と反論をしてくれ、保守党支持者の中で人気が高まります。
(さらに個人的意見を述べると、こういった過激な暴力集団は、フリーダムコンボイの活動に賛同して参加したのではなく、フリーダムコンボイを貶めるために金で雇われて紛れ込んだ者もいると見ています)
オウトゥール氏の二枚舌は、党首をめぐるライバルだったポイリエーブル氏が支持を得たため、前言を撤回せざるをえなかった、という見方もあるようです。
ポイリエーブル氏が新党首に
ポイリエーブル氏は2月に保守党党首そして首相を目指すことを表明しました。
help me replace Trudeau & restore freedom:
トルドーの代わりに自由を取り戻すため、力を貸して下さい。
I’m running for Prime Minister to give you back control of your life.
— Pierre Poilievre (@PierrePoilievre) February 6, 2022
Sign up now to help me replace Trudeau & restore freedom:https://t.co/NWfP7cCPiM pic.twitter.com/ox5WzZmMkj
そしてまずは保守党の新党首になりました。
日本語の記事がメインストリームメディアからは一つもないので、英語圏から引っ張っぱります。
Mr Poilievre was elected leader of the Conservative party on Saturday after winning it in a landslide first-ballot victory with nearly 70% of the vote from party members.
(和訳)ポイリエーブル氏は、党員からの投票のほぼ70%で地滑り的な勝利をし、土曜日に保守党の党首に選出された。
これが私にとって、今月一のビッグニュースです。
さらにカナダ全土で保守党党員が増え、2021年末の4倍、保守党が政権を持っていた時の6倍に膨れ上がりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1663208504635-gccPmhM2bs.png?width=1200)
ポイリエーブル氏の主張としては
・政府閣僚の世界経済フォーラム(WEF)参加を取りやめる。
・農業分野に対する窒素削減を撤回。
・炭素税廃止。
・現政権が止めているエネルギーパイプラインの建設再開。
などのようです。