田舎はそんなにいいところじゃない #2 その4
#2 木を切る人々 ④
TOKYOで私が住んでいた街には美しい欅の街路樹があった。どんな季節でも美しかった。時々は剪定の光景に会ったものだが それはとても慎重にやっていた。リフト車に乗って上で剪定する人 下で通行人に気を配る人。 そんなところを通ると 切り取った細ーい枝がうず高く積み上げられた山ができていた。ほそーい枝ばかりだったと記憶している。 TOKYOの センスや知恵のある人たちのやることは信頼できた。ここのように太い枝を何本も切り取ってしまうのは見たことがない。
漠然と思うのだが 都会には自然がないという通念があるから樹も大切にするんじゃないのか。田舎は自然がいっぱいと思いこんでいるので重きを置かない杜撰なことをしている という単純な構図が裏にあるような気がする
数年住んだので このイナカら辺がどんなところか説明すると 例えば見渡せば雑草だらけだし 散歩する歩道のアスファルトを割って雑草が生えている。歩いても 歩いてもずーっと生えている。雑草なんかあとからあとから生えてくるから しょっちゅう刈らないと始末に負えない代物だ。そんな環境なので 木だってそれと似たような扱いの範疇で ありふれていて邪魔くさい価値のないものとされているんだろう。
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