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カチカチの土から始まった畑づくり。武庫之のうえん、2021年4〜6月の記録。

武庫之のうえんメンバーの渡辺(わったん)です。

武庫之のうえん、すっかり畑らしくなってきました。メンバーはみんな、この「畑らしくなった」姿にとっても感動しています。なぜならこの畑、畑をやると決めた3月はまだ、除草シートで覆われた休耕地だったのです。

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尼崎で畑をやりたいと思った僕たちが、市役所に相談に行ったのは2月初めのことでした。そして農協に協力してもらって素敵な地主さんに出会い、武庫之荘にある農地にたどり着いたのが3月の初めごろ。

1,200㎡ある農地に一目惚れして即決断。元々は田んぼとして使われていたそうですが、田んぼを終えてシートが貼られてから数年が経っていました。シートを少しめくると、カチカチで白くなった土が見えました。

【4月】3トンの堆肥を手に入れカチカチの土に運び込む

地主さんや農協の方から「畑にするなら土壌改良が必要ですね〜」と言われて、はて、素人の僕たちは何から始めたらいいのかわからず。まずはメンバーの1人が勤める肥料会社さんにアドバイスをもらうことから始めました。

元田んぼの土は粘土質、乾いてカチカチの状態に

田んぼの土は粘土質で、乾くとカチカチになります。その状態で水を含むこともなく数年間経っていたので、栄養も少なくなっていたようです。まずはたくさんの堆肥を土に混ぜ込み、野菜が根を張れるように柔らかくし、かつ栄養を取り戻すことが必要。

まずは南半分に堆肥3トンを混ぜ込むところから

本当は堆肥を作るところからやってみたいところでしたが、時は既に4月。自分たちで堆肥を作るには3か月くらいかかるそうです。

しかしまずは夏野菜を育ててみたかったので、今回は植え込みに間に合わせるために、全体の半分ほどの面積(600㎡)に対して市販の堆肥3トンを混ぜ込むことから始めることにしました。

3トンの堆肥を手に入れる目処はついたけど、側道が狭い武庫之のうえんにどうやって堆肥を搬入するのか〜2tトラックは誰が運転するんだ〜軽トラは借りれないのか〜などの細かい準備を経て、ここしかないぞと迎えた日は大雨。

一緒に畑をやってみたいと集まってくれた仲間たちとの最初の活動は、大雨の中で始まることになりました。3トンの堆肥を搬入し、除草シートを剥がします。

作業を終えたころにはもはや小さな池のようになってしまい、土づくりが始まる!という実感は湧きづらかったのですが・・・とにもかくにも始まりました。

【5月】土づくり、土づくり、土づくり・・・

ゴールデンウィークは畑をやるぞ!ということで、大雨の活動日の翌週から早速、土づくりに着手。待っていたのは泥のようになった粘土質の土。「ここから始まるのか〜」という感じの真っ平らな土の上に、搬入しておいた堆肥3トンをまいていきます。

森倉ヒロキさんが、ロゴをデザインしてくれました)

心優しい地主さんは度々、僕たちに協力してくださいます。トラクターと耕運機を持ってきてくださり、ありがたく使わせていただきながら、スコップやクワを使って畝らしきものを作っていきました。

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畝らしきものができると、すっごく畑っぽくなった気がするぞ!と気持ちが高まった矢先にまた雨が降り、土はドロドロ。さらには水がなかなか抜けていないことも発覚。今度は泥をかき分けて水路を作ることになりました。

本当に野菜が育つのか?土が硬すぎて不安が高まる

5月中には夏野菜を植えたいところ。まずはなすびやトマト、ピーマン、芋類などオーソドックスな野菜にチャレンジ。しかしこのドロドロ・ゴロゴロの土では野菜が育つ気がしない・・・ということで野菜ごとに必要な肥料を用意しました。

武庫之のうえん図面202105時点_アートボード 1

施肥設計のコピー

動画では楽しそうに野菜を植えているんですが、植えているというかカチカチの土に挟んでいるような感じになり、不安が高まる・・・案の定、植えた数日後には、ダメそうなものも・・・。

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カチカチの土に堆肥や土壌改良材を追加、耕作し直し

さすがに全滅はツライぞ!ということで、粘土質の土に効果があるという黒曜石パーライトという土壌改良材や、堆肥を追加。近所の農家さんに耕うん機をお借りしながら(奇跡!大感謝!)、全面的に耕作し直しました。

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【6月】野菜が育ち始める。そして新たな土づくりへ。

なんとか畑らしい形にするのに必死だった5月が過ぎて、6月は植えた野菜を育てる作業も始まりました。全体的にはまだまだ土が白いし、土はフカフカというよりはコロコロしていましたが、堆肥などできることはやったので、あとは土を信じて、追肥や水をやっていくしかありません。

特に近所に住むメンバーたちが、仕事帰りなどに立ち寄って、毎日毎日、水やりや、細かな手入れを担当してくれています。水は隣接する水路から汲むのですが、武庫之のうえんにはまだ組み上げポンプがなく・・!柄杓を使って水を汲み、じょうろを使って水やり。約600㎡のほぼ全面に野菜を植えているので、地味に1時間以上かかります。

普段はどちらかというと、雨は降ってほしくない・・・と思いがちですが、畑を始めた今は、雨が降ると「あっ、水やりが楽になる」という気持ちに。素人集団の武庫之のうえん、日を追うごとに、農家さんへのリスペクトが増していきます。

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北半分の土づくりにも着手

武庫之のうえんは全体で1,200㎡あり、南側の半分を耕作してきました。そして北側もそろそろ、秋頃の植え付けに照準を合わせて、シートを剥がして土づくりを始めたほうがいいのではないか、と。そこで、半日かけて北側の除草シートをすべて剥がしました。

畑になってきた南側と、北側の土の色を比べてみると、シートに覆われていた土がいかに白く硬くなっているかがよくわかります。北側もまた、カチカチの土からのスタートです。

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堆肥づくりにもチャレンジ

北側の土壌改良は、手づくりの堆肥も使っていきたいね。ということで、堆肥づくりにもチャレンジすることにしました。またメンバーのつながりから、他の農家さんから籾殻をいただけることに。大阪の松原市から大量の籾殻を運び込んでくれました。(お疲れさまでした!)

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この籾殻を使って2種類の堆肥を作りました

①籾殻堆肥
・米ぬか、籾殻、鶏糞、水を1:10:2:5くらいの割合で混ぜる
・タンク内で3ヶ月ほど発酵。週に1度はタンクから出して混ぜ込み。
②籾殻ぼかし(有機肥料)
・糖蜜、水、籾殻、米ぬか、EM菌(有用微生物群)

北側のカチカチの土はまず、籾殻と石灰を全体にまいた後に、地主さんがトラクターで耕作してくださいました。しばらく様子を見つつ、堆肥などを使って土壌改良していく予定です。

生ごみを堆肥に変えるコンポストも

自然農法に興味のあるメンバーもいて、コンポストもやってみることになりました。畑ではこれから、切り落とした葉や収穫時期を逃した作物などが出てくるので、それらを活用して、土づくりに使える堆肥に変えていきます。

コンポストとは「堆肥(compost)」や「堆肥をつくる容器(composter)」のことです。家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させる、昔から伝承されてきた日本の大切な知恵のひとつです。

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南側はついに野菜を収穫!土づくりは引き続き。

7月の活動日には、ナスやキュウリやトマトなど、みんなで収穫できるようになりました。サツマイモやサトイモ、カボチャなども順調に育っている様子です。

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一方で、カラスが飛来するので対策をしたり、アブラムシやナメクジなどの対策をしたり・・・色んなことが起きるたびに、みんなで色々と調べて知恵を持ち寄り、どうにかこうにか、野菜を育てています。

武庫之のうえんが始まってから、まだ3ヶ月すこし。土壌改良に引き続き取り組みつつ、これからは夏の除草や秋の植え付けはもちろん、実は倉庫もまだないので(笑)倉庫の制作も始まります。

カチカチの土から始まった武庫之のうえん。まだまだ試行錯誤の段階です。自分の手で食べ物を作ってみたい、土のことを知ってみたい、畑の作り方自体を知りたい、という人にとっては、学びがたくさんある場だと思います。

毎週末の土日のどちらか定例活動日として、誰でも参加できるようにしています。興味のある方はぜひ、Facebookページにメッセージをいただくか、メールで連絡をください。

定例活動日
第1日曜日、第2土曜日、第3日曜日、第4土曜日、第5日曜日

【メール】 mukono.nouen@gmail.com


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