(Un)seen dialogues #3
絵 : 風をまとう / 幸山 将太
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曲 : air / yumegiwatone
『風をまとう / 幸山 将太』
今回の絵は、3月になって春めいて来た空気の軽やかさを色彩として絵にしてみたくて制作していきました。まずは、僕の中にある3月の空気感を色味としてキャンバスの上に乗せてやりながら。ふと描きかけのキャンバスを眺めた時に見えてきた、両手を挙げている人のシルエットを元に描き進めていきました。その後、軽やかな風と戯れるようにして布をはためかせる絵になり、何だか面白い絵になったなぁと自分でも楽しみながら制作をしました。
そしてひとつ、今回の絵を進めていくの中で今後の僕の制作にとっての指針になりそうな瞬間がありました。ある日、まだまだ描きかけだなぁと感じる絵とその制作風景を現状報告としてmukmukの三人にシェアしたところ、「この状態で既に曲がつくれそうですね」と返事をしてくれて。それがとても嬉しく、「このままで十分絵として成立するのでは」と思えるきっかけになりました。あまり描き過ぎない余白が表現として成立するような、僕がこの一年くらいでずっと描いてみたかった軽やかさをこの不完全さでカタチに出来そうな。そんな不思議な着地点を見つけ、少しの加筆を加えてこの絵を完成としました。まだ三枚目ですが、僕の絵に対する在り方を徐々にほぐしてくれている感じがしていて、この企画のアプローチがもつ面白さを掴み始めたような気がしました。
僕がこの一年くらいでずっと描いてみたかった軽やかさをキャンバスに乗せれたみたいな、制作の体感そのものがお守りになるみたいな、そんな絵になりました。
幸山 将太
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「air / yumegiwatone」
幸山くんから絵のラフが送られてきたとき、ラフの状態でも空気感を十分に感じ取ることができたので、無駄のないピュアな要素を大切にしつつ曲を作りたいと感じました。
見えないけど質量感のある「空気」そのものの存在を強く感じたことが面白かったので、自分はその軽やかな空気感をより強調させるべく、音を重ねていきました。
吹奏楽部だった自分にとってフルートは馴染みの楽器であり、風や空気を体現するのにぴったりな楽器だと思っています。2本のフルートが絡み合うようなアプローチで、「空気」のどこか掴み所がないような、でも確かに存在している、緩急ある柔らかい動きを表現しました。
絵も曲もそれぞれの余白があり、余白を残しつつもそれぞれが影響し合って、想像力が膨らむような関係にしたいと思いながら制作しました。
それぞれを感じながら「風をまとう」「air」の世界に飛び込んでもらえたら嬉しいです。
yumegiwatone