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短篇小説『雅客』

 目醒めて、わかりました。天から地へひとすじのすきまより僅かな陽のさす、蒲団にくるまれている分にはいつもと何ら変らぬ朝でしたが、私にはわかるのです。主人が隣に眠るのも忘れ、闇をつきやぶるように障子を、建付たてつけのわるい雨戸をひらきました。雲の残りかすもない好天でしたが、その青と澄んだかがやきをつなぎあうように、木木を田をはたけを、離れあった家の屋根屋根を、丘を、純白の雪がつつんでおりました。
 私は逸る胸をおさえながら、化粧台の前掛けをはらいくすんだ鏡を見すえ、髪を、着物を、この日だけの長羽織もととのえ、さいごに、べにをさし。一年にたった一日だけの雪に、足をふみいれました。家の者達は眠ったまま。私だけが、永劫の如き白地にうすく、かげりを遺します。


◆◇◆


12月14日(月)
 学校から帰ると、工事のおじさん達が玄関を往き来している。「今日こんにちは」って云ってるぽいけどひとりを除いてまったく聴こえない。電動ののこぎりやドリルの暴れる音だけが髄に迄響き。慣れたのかどこかの感覚が壊れたか、いつ鳴ってていつ止んでいるのか、もうよく判らない。
 いまはマンションの最奥にある風呂場を造っているので、玄関よりそこまで繋げる廊下はずうっと厚手のビニールシートの青い道が敷かれており、その道中にあるリビングは目隠しと埃よけにこちらはうすいビニールの、紗のような、磨硝子のような半透明のカーテンでおおわれている。紗や硝子とはちがうから、荷を担ぐ大人達は勿論、ちいさなあたしがすぎてもカーテンは敏感に、森のさざめきにも似た音をさせ、ふるえて。そこに朧に映るは、クラスの男子が女子に見せこわがらせてた雑誌の心霊写真みたいな人影。靴を脱ぎ、『ドア』って呼んでるカーテンのすきまをひらくと、クッションに物憂げにもたれ、ストーブのだいだいの灯にセーターのちいさな胸としなやかな腰の輪郭を、まつげを唇を染めたママがゆっくりふりむいた。パパはいなかった。


◆◇◆


 雪道を、時には道ですらない雪のやぶを岩場を、つまずいたり眩暈めまいや擦れたような痛みをおぼえようと唯、躊躇ためらわずすすんでゆきます。誰ひとり、すれちがう者はおりません。家家は黒い木戸を雨戸を閉ざし気配すら……時折屋根や枝枝から雪のおちる音や、 住人のいびきが聞えるだけです。風は穏やかですが、たった一日の慣れぬ雪を往き、束髪がすこしずつ乱れます。長羽織は傷み木綿のあわせも着くずれておりましょう。とくに羽織は痩せっぽちの私にはおおきいけれど、あの御方のために新調したいけれど、それは叶いません。お金はもとより、「なぜそんな」と問われたら、答えられません。今年も青天です。想像を凌駕する寒い朝は空気が宝玉のように澄むことを、吐く息が煙草などの鈍重さとちがい夢よりも果敢はかなくひろがり消えることを、いま、この地で私と、あの御方しか知らないのです。丘に積る雪は何故か平地よりも底深く、私の足を沈め喰い止めようとします。それは哀しく重い白の鉄枷てつかせであり、また悦楽の園への牢固ろうこたる階段でもありました。


◆◇◆


12月15日(火)
 帰ると、今日の工事はもう終っていて。青いシートの道にておおきすぎるストールをまるで喰われるみたいに羽織り却って果敢なげにたおやかに映るママと、タイトな黒スーツ姿がずんぐり体型をより際立たせる、内装業者の切れ長目の小柄なおばさんと、昨日も見た現場の指揮者っぽいあわいグリーンの作業服の、やや撫で肩だけど背高で、ママやおばさんと目をあわさず頭のうえばかり見てとぼけるふうなまなざしと褐色の彫刻みたいな腕をあらわにしたおじさんとで話していた。遠目だと三人は大学生同士みたいでもある。廊下で友達同士のフリした学生達。あたしはこっそり、ランドセルから写ルンですをとりだし写真を撮る。二人が帰り、ママと半透明の『ドア』をくぐりリビングに入る。新しいマンションは電気と、キッチンとトイレの水道がかよう以外はまだ白っぽいコンクリートの塊。リビングは四角いカマクラみたい(カマクラって、テレビでしか見たことないけれど)。そこにあたしとママで持ってきた花柄のポットスヌーピーのマグカップ黒電話バービー人形電子レンジ化粧道具ラジカセ毛布ランドセル家計簿ノートファッション誌漫画本等がシュールに並ぶ。パパの荷はない。ママとレンジで温めた物をたべ、夜は銭湯へ行って、帰るとおなじ毛布で眠った。トイレに起きると青い道をひとり歩いた。別にこわくないけど、昼間より遠くながく少しうねって見える。満月みたいな白熱電球の光、白天井や壁から漏れた配線の枝枝、カーテンのさざめき……そこは奇怪な冬の森、あやかしの森だ。あたしとママ以外の何かが息づいている。写ルンですで撮ろうかなと思うけど、フラッシュ焚くとママが起きるし……それともフラッシュ焚かなくても、霊か何か、写るかな?


◆◇◆


 この島の住民は、『雪の日』に決して目を醒ましません。『冬眠』と、誰もが云います。冬もさして冷えぬこの島にだけ、如何なる理由わけか年にたった一日だけおとずれる白雪の日には、どんな猛者もさも不眠に悩む者も目をひらくことが叶わず、熊か蛙の如く光を命をわすれ深く眠るのです。私は七年前、隣の隣の島よりここに嫁ぎました。日付もこれといって定まらぬ、飾りや奉納や祈祷といった下拵したごしらえもせぬ、しずかな滅びのような『冬眠』に私は、眠れず戸惑いました。「御前もじき眠る」と主人は投げ遣りに、「島の眠りに逆らえば災いが降る。麦にも子宝にも恵まれん」と義母は虚ろな目をして云いましたが、私は蒲団のなか目が冴えるばかりで、こわくて。とうとう五年目の雪の日、嫁入りより虫干しさえしていなかった行李の底の長羽織をまとい、外に出、はじめての雪を眺め、触れ、歩いてみました。ひめごとも何もかも透かしてしまいそうな青天。まるで肌を斬るように冷酷な風と光。頑丈な雪に草鞋わらじ藁緒わらおがちぎれ、足袋でふみしめました。つらさよりも、伝承のみに聞く白銀の美しさに、そしてもしかするとそのときよりすでに『禁忌』に、酔い痴れ……気づけば、丘をいくつも越え、東方の海の桟橋迄来ておりました。そこで、あの御方に出逢ったのです。


◆◇◆


12月17日(木)
 風呂場の工事は週明けには終ると。それからいまとは別の業者が来て又別の何処かの工事が始まる。総て完成するのは正月も冬休みも成人の日も過ぎた頃。だけどママは早早にこちらに来、あたしも前の団地へ帰らずここに居る。「パパからは電話もない」ってママは云う。ママは工事の間殆ど外出しない、したくないみたいで、絶えぬ轟音と埃と粉っぽい男達の往来に疲れたか、それだけじゃないのか、少しやつれて見えた。アイホールが自然に青く翳って。ママがレコードで持ってた、旧いフランスの歌手で女優のひとと似てる。ときどきクッションでなくあたしに凭れてくる。あたしはいま、ママの何だろう。大学の同級生? 姉?
……だけど。カーテンのさざめきに耳を澄まし、朝の、真昼の、もしくは夕刻の青い道を、ストライドながくゆっくりと往く背高のうすいグリーンの霊に向ける睫と黒眼だけは、いたずらな仔猫みたいに瑞瑞しかったのを、あたしは知ってる。


◆◇◆


 道とおなじく雪に埋れた桟橋に、あの御方はいました。最初の日も、空と海が色をひとつにしていました。あの御方もまた生まれはよそで、「島に流れ着き、嫁を貰い暮している」と、私の頭上を越え景色に、夢幻の世界に聴かせるふうにひくい声で云いました。やはり『冬眠』が叶わずひとり、青天と白雪に酔いさまよい歩いて、ここに、と。私は南の丘、あの御方は北の山よりながい道を経て、この東の桟橋で出逢いました。如来様の玉眼ぎょくがんのようにやわらかく謎めいた目が私を見おろし、冬も褐色の、荒彫あらぼりの像のようなおおきな手が、疲れきり、寄辺よるべをなくした心持でいた私のからだを力づよく、優しくささえてくださったのです。青くさざめく水面が、ふれあう私達の肉體にくたいのみならず、心をも生れた儘に映すようで、とても、とても恥ずかしかった。


◆◇◆


12月19日(土)
 学校は終業式。昼に帰宅。工事の人は最初より少しずつ減っていて、五人程で始まったのが昨日は二人、今日はあの指揮者っぽいグリーンの背高おじさんひとりだった。あたしとママの『ドア』のすぐそば、青い道に中腰で立ち靴紐をなおしていたおじさんはあたしを見て、一瞬きまりわるい大学生のような顔をしたけど、すぐにまたとぼけるふうな、テレビで観たちょっと旧い邦画の俳優みたいな、まわりが轟音でも静寂でもおなじ音色と音量でとどく不思議なひくい声で、あたしでなくあたしの頭上へ「今日は」と云い、忘れかけたのか一歩ふみだしてから工具箱をパパよりずっとふとく節くれだった指でとり、帰っていった。ながい背中と脚を、こっそり写ルンですで撮る。フィルムあと何枚かな。カーテンに、霊の影がない。『ドア』からのぞくとママは、白い床に、ほそい身をなげだしていた。ストーブもつけず毛布も被らず……フランス映画の砂浜の少女みたいに? それともあたしの着がえさせずほったらかしたバービー人形みたいに? 無防備な裸足、シュミーズ一枚の姿。裾に隈なく配された水仙の花のレースが、ほんとの花の薫りとともに、ママの青白いもももてあそぶように透かし。ほどけた黒髪の配線が、ほんのり赤らむ頬から、胸もと迄這っていた。あたしはいま、ママの何だろう。


◆◇◆


 雪は青すぎる空のもと、島ごと白に塗りかえた儘決して融けませんのに、夜が更けるころには島が本来の暖かさを思いおこし、跡形もなく消えてしまいます。人人も朝になればゆるやかに、ことわりにそい、もしくは莫迦らしく目醒めてゆきます。 私は駈けました。一寸でもながくあの御方に、恥ずかしいほどに見られ、腕に抱かれるよう。寒さがあらゆる感覚を奪うかわりに、私のあずかり知らぬ私を研ぎ澄まします。桟橋の突端で、私は待ちました。三年目、三度目の逢瀬です。もしやその儘、ともに舟で島を出てゆこうとおっしゃるかしら……うすい単衣ひとえ姿の、あの御方が見えました。やや撫で肩だけれど褐色の腕と脚が雄雄しさを匂いたつほどあらわし、それでいて白い息で夢のように、橋の雪を裸足でふみしめ近づきます。あの御方の胸で、凍りついた私の髪と頬、指が蘇ります。唇も、紅がほのおとなるようでした。あの御方の鼓動とともに……………突如、何かに突かれたように思いました。あの御方の目が険しく、しかしあらぬくうを見て留まっています。私へのいつもの目のそらしかげんと、ちがう。……背後に、小柄で肥った女がいました。酔ったふうにふらつき、切れ長の目で睨む、この島の女……腿が染めのように赤く。きっと己で針でさし『冬眠』を堪え理をやぶり追ってきた、あの御方の妻でしょう。わななく両手に握りしめた包丁が、私を抱くあの御方の腕を刺していました。血が幾筋も、したたりました……妙です。妻の血とも私の血ともちがう。人の血にしては、すこし淡いのです。やがて傷口から、彫像の腕がひび割れはじめました。………いいえ、それはひびではありません。うつくしく模様の織りなされた、うろこでした。あの御方の腕が、胸が脚が首が御顔が、炙り出すようにすべて、寸分の狂いもない小紋の鱗となりました。青い陽をうけそれらは、鏡のように私を映すように澄んだり、虹の色にかがやいたりしています。如来様の玉眼が真ん丸に、瞼を裂き飛び出そうにひらかれました。唇も厚ぼったくひろがり、逆にきれいな鼻はしぼみ失せ、首は膨らみ御顔との境目をなくし……着物がするりとおち、あの御方の軀、巨大な虹の魚となってしまった軀が、抜け出。刃がひれに刺さった儘雪のうえでしばしのたうちまわったかと思うと、故郷の河へ遡上そじょうせんとするかの如く、高らかに飛び。雪の欄干をこえ、はげしい飛沫しぶきをあげ、海へとおちました。妻はそれを寝惚けまなこで見、紫の歯茎を露に高笑いしながら泣きじゃくり、かつて夫であった魚と皮肉にも似た風情でひくついていたかと思うとやがて、雪に倒れ眠りました。私の『あの御方』であった魚のおちた海原を、私は見つめました。もう泡も濁りも遺さず何ごともないとばかりにさざめいているだけですが、あの御方の鱗に無数に映る私、そして虹の色は、あの御方の天たかくあげた飛沫は、私の目を刺し貫き髄に迄、像を刻みつけていました。


◆◇◆


12月20日(日)
 昼のラジオが『大雪警報』と云った。遠い北の地方の話だ。工事は休みで誰も来ない。あたしはすこし熱のあるママにカップの饂飩うどんを食べさせて、「うつるからだめ」と云うのも聞かず、毛布に一緒に眠った。甘えたかったのではない。唯寒いだけ。


◆◇◆


 目醒めると、ママはいなかった。カーテンの向うが、既に日の暮れたこちらに反し、白熱電球の月どころでない眩い光につつまれている。寝惚けまなこで『ドア』をひらけば、青のシートと白のコンクリート天井である筈が……テレビでしか見たことのない白い雪道と、こわいほど青く澄んだ空にひっくり返っていた………夢なのかしら。それともほんとうのこと? 雪は触れると、テレビで感じたイメージよりも硬い。スリッパの儘ふみこめば膝近く迄沈んでしまい、歩けない。マンション玄関である筈の道の果てでは、空と海らしきものが色と光をおなじにし、吹く風はあやかしと心霊の森ではなく、その水面をさざめかせている。そこへ突きでた桟橋に、逆光で黒い影となった、何かからみあう塊がある。そこからまず、ちいさな者が奇声をあげ、崩れ。そして、見たこともないおおきな魚が、影を脱ぐみたいに虹色にきらめきながら飛び、たかく飛沫をあげ、海におちた。それから残りのひとり、おおきな羽織の右肩がずりおちた、ほそくしなやかな女性の人影が、俯き、海のさざめきにかき消されそうな声で、啜り泣き。乱れた髪に天使のちょっと歪んだ輪っかが生れて。頬が手が足が痛むほど寒いというのに、女のひとは、着物の衿が誰かにフルーツの皮を剥かれたみたいになってて。雪の白に青をうっすらまぜたきれいなうなじから首すじ、肩迄が、光に照らされ、天使の輪といっしょに、ふるえてる。衿のなかの衿には、ちいさく縫われるか描かれるかした水仙がいくつも咲いて。汐風よりも、あまく薫り。
 さっき迄ジャケットを羽織った儘昼寝していたあたしは、雪に沈みうごかない脚、何故か喉が狭まり出せない声のかわりに、ポケットにあった写ルンですのフィルムをかじかむ指でまわし、はじめての雪へ、かがやく虹の魚と海へ、水仙を飾る青白い女のひとへ……シャッターを押しつづけていた。ファインダーなんて碌に見ずに。只管ひたすら

 啜り泣きがやみ。
 悩ましくよろめいて、欄干の雪を崩しながら手をかける。
 剥き出された木の欄干は腐りかけた色だけど、マンションや団地のベランダとおなじ、あたしぐらいの高さ?
 かぼそい指で木をにぎり、軋ませ。
 のぞきこむ、海………

 ………だめ。

 行っては、だめ。
 飛びこんでは、だめ。
 ほんとうの青になっては、だめ。

 止めなきゃ。
 あたしが止めなきゃ。

 ママ。


◆◇◆


 気づくとあたしは空と海……でなく、青く煌くビニールシートに寝ていた。あたしを起こしたのは電球の影になって顔は判らないけど、きれいな輪郭と、やわらかな髪、ママだった。ママでさえおおきすぎるストールを巻きつけられ、見ずともわかるほそい指につよく抱かれたあたしは、まるで赤ん坊に戻ったみたいだったけれど。あたしの膝より下は、ついさっきの雪による痺れをはっきりと憶えてた。


◆◇◆


12月21日(月)
 風呂場工事最後の日。指揮者のグリーンおじさんは来なかった。はじめて見る団栗どんぐりまなこのおにいさんが魔法のように後片づけと掃除を済ませ、青シートも「取り替えますねぇ」と云い、呆れるぐらいあっさり丸めて抱えて、持ち去った。
 内装業者の小柄で肥って切れ長目のおばさんが「急なことですが異動になりまして今後は別の者が……」って云ったか、とにかく挨拶に来、バービーみたく唇だけで微笑んだママにたいし、紫の歯茎を見せ不気味にグハハと笑い帰っていった。


◆◇◆


12月27日(日)
 大人は誰しも巧妙にとぼけつつ、ときに別の何かに化けつつ、あらゆることを進める生き物だといまさら、ざらつく床に寝そべりつつ感じる。できあがりもせぬうちにマンションをあたしたちは引きはらい、ホテルで間を繋いだのち年明けにはおじいちゃんおばあちゃんの家へ移ることを、ママはさらりと告げた。結局ここには誰が住むのだろう。パパ? グリーンのおじさん? それとも別のひと? 部屋にはもうカーテンもなく、日が暮れてもあやかしと心霊の森の音も海の汐鳴りも水仙の薫りもせず、たとえあたしが電動鋸やドリルを魔法のように操ったとて時はふるえたりなびいたりわめいたりしなくて、光と影の境界すら造れない。あたらしいマンションなのに、化石みたいな白の抜け殻だった。クリスマスをすっかり忘れていたあたしも、化石なのかな? バービーは裸の儘。
 ラジオだけが遠くの大雪をまた報せる。今年の雪、パパは知らないね、と云うと、ママは「なんのこと」と、クエスチョンマークなしに呟き、段ボールに詰める作業をさぼりファッション誌を絵本みたく眺め、荒く結いあげた髪よりうすく青みがかる首を見せ、俯いた儘。あたしの写ルンですはどこだっけ。箱にもう詰めたっけ。あの日から見ていない気がする。雪に沈めてしまったのかな。
 別の絵本に手をかけようとふりむくママの、青く翳る顔にのる唇が、知らない、でも知ってる女のひとのような、ストーブより赤い色になり、きれいな三日月をかたどっていた。



<了>





©2024TSURUOMUKAWA





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 第2回あたらよ文学賞に応募したものです。

 そして。




 ヘッダー画像は白鉛筆さんに描いていただきました。

 有難うございます!







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