きっかけ3
祖父は旅立ってしまった…
どうする?
悲しむ暇もなく、行動を考えなくてはならない。
でも、ちょっとでも気を抜くと涙が止まらなくて、自分でも予想もしてなかった祖父の存在の大きさ、その祖父を失った喪失感の大きさに驚愕した。
できることなら見送りたいと思ってはいるけど、東北の祖父。
私の実家は関西。私は九州。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言は解除されてるとはいえ、予断を許さない状況。
ただ会いにいくことが、こんなに困難なんて…というような状況に家族共々見舞われました。
祖父の元にいる伯父や義叔母、従兄弟と連絡をとってくれてた母と弟。
最初は祖父に会いに行くつもりにしていた私達だけど、その選択が迷惑をかけるかもしれないと…
結局…会いに行くのは止めよう。遠慮しよう。
話に話し合って、私達はそう結論づけました。
新型コロナウイルスが憎い…
当たり前にできていたことは、幸せなことだったんだと身をもって実感しました。
せめて…祖父にメッセージだけは届けたい。
私は電報に、決められた文字数に、ありったけの思いをこめて電報を打ちました。
愛する祖父へ思いをこめて…
『小さなころからおじいさんは私の魔法使いでした。
楽しいお話を沢山寝る前にしてくれました。
独特の「昔な、あったんだって…」
からはじまる昔話を聞きたくて、いつも寝る時はおじいさんの隣にいたのを思い出します。
大雨が降っているのに濡れずに帰ってきたおじいさんに、なんで雨に濡れていないのか聞いたら、おじいさんは雨をよけられるんだと言われて本気で信じれるくらい、おじいさんに不可能なことはないと思えるような人でした。
父とよく難しい話をしていたのも、意味は分からないけど面白くて。
よく大人の中に座って話を聞いていました。
私はおじいさんの孫で幸せでした。
楽しい思い出は話しきれないくらい沢山です。
本当にありがとう。
ゆっくりとお休みください。
心より愛をこめて』
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