【小説】①売れてゆくビニール傘とどこに行きたいか分からない自分(後編)
三本立ての一応ラストです。
よろしければこちらもどうぞ。
【小説】①売れてゆくビニール傘とどこに行きたいか分からない自分(前編)
【小説】①売れてゆくビニール傘とどこに行きたいか分からない自分(中編)
『シバルリーの新曲 人気爆発』
実彩子はネットニュースの見出しに目がいったが、気にしないようにそのままスワイプをした。
あれ以降シバルリーという文字を見ないようにしてしまう自分がいる。
『ごめん、少し遅れる』
『わたしも』
画面上部に愛彩、咲良の順番でメッセ―ジが立て続けに入った。
実彩子はそのメッセージに触れて、愛彩と咲良のライングループのトークに入る。メッセージは通知で分かったから、脳死で『り』と打つ。すぐに『りょうかい』と予測変換が出てくる。実彩子の指は勝手にその予測変換を押して送信し、スマホを置いた。
実彩子の目の前でロイヤルミルクティーがまだ湯気をたてている。
今日は少し暑い。ホットを頼むのはこれが今季最後かもしれない。
なんとなくあの日以来、ロイヤルミルクティーを飲むようになってしまった。彼女の影響を受けたわけではない、と心の中で言い訳をしてしまう。
愛彩と咲良に会うのは食堂で恵藤夏希に話を聞かれて以来だ。
実彩子は悩んでいた。恵藤夏希と知り合いになってしまったこと、話を聞かれていたことを二人に言うかどうか。
実彩子はもう一度スマホを手にとって、恵藤夏希とのトークを開く。律儀にも彼女は喫茶店で話した夜、ラインを送ってきた。
『今日はありがとうございました』
『またお話聞かせてくださいね!』
『シバルリーの新曲、良かったら聴いてみてくださいね』
恵藤夏希とのラインはそこで終わっている。なんて返信したらいいか分からず、こちらからは何も送っていない。
テレビに出ているようなアイドルだが、話すと普通の女の子だった。ラインも芸能人という感じはしない。ただのサークルの後輩であるような気持ち悪い感覚だ。
ランチタイムが終わって、おやつの時間までの間、カフェ内のお客さんの数は少なくなっている。隣のボックス席でコーヒーを飲んでいた老夫婦も出て行ってしまった。
恵藤夏希と話して以来、実彩子は恵藤夏希の掲示板を読みにいってはいない。
本人と直接、知り合いになった。その事実だけでずっと読んでいた掲示板には近づけなくなってしまった。恵藤夏希の名前でSNSで検索もできなくなってしまった。
恵藤夏希のアイドルとしての気持ちは分かった。自分が浅はかに批判していたのだろうことも。それでも、彼女に対するもやもやは無くならない。
「ごめーん、待った?」
咲良の声が後ろから通り過ぎて、対面の席に座った。
「愛彩はまだ来てないんだ」
「うん」
咲良は荷物を下ろして、飲み物を買いに行く。
実彩子は窓の外を見る。少し雲が増えてきた気がする。
スマホのアプリの予報によると、今日の天気は曇り時々晴れ。降水確率は四十パーセントと出ていた。雨は降らないだろう、と傘は持ってこなかった。
「実彩子、よくホット飲めるねー」
咲良はアイスコーヒーを手に、戻ってきた。
「うん。なんとなくね」
「しかも。それミルクティー? なんか珍しいね」
実彩子はそうかなあ、と言って曖昧に笑った。
恵藤夏希とのことを知られているわけではないと知りながらも、勝手に気まずくなってしまう。
咲良はアイスコーヒーを二口飲むと、ふーっ、とため息をついた。
「外暑かった?」
「うん。いよいよ夏って感じだね」
咲良はボーダーのカットソーを着ている。夏の先取り感があって涼しげに見える。
勉強している人。パソコンでなにか作業をしている人。会話をしている人。それぞれの人たちが各々のことに集中している。隣のボックス席はまだ空席だ。
沈黙が流れる。別に気まずいわけではない。この前の一件から勝手に話しづらいと思ってしまう。裏切者みたいな気持ちになる。
実彩子はその気持ちを飲み込むようにロイヤルミルクティーに口をつけた。
「あのさ。恵藤夏希ってどう思う?」
咲良の口からその名前が出てくるとは思わず、吹き出しそうになる。
「どうって?」
「いやー。この前の話……。聞かれてたかなあって」
心臓の音が咲良に聞かれそう。
「大丈夫じゃない? 多分だけど……」
実彩子はなんとか返す。
「私さ。少し考えたというか。彼氏と話したんだよね」
咲良の会話が読めない。
「恵藤夏希のことを承認欲求の塊で好きじゃない。みたいなことを彼氏に言ったらさ、普通に叱られちゃった」
咲良は照れ隠しのように笑って、続ける。
「同意してくれると思って言ったんだけどね。彼氏だし。同じ価値観だろうって思ってさ」
実彩子は震える手を抑える。冷房が効いているせいではないだろう。
「そしたらさ、何も知らない人間が表面だけを見て、知った気になって悪口なんて言うもんじゃないって。優しく諭されちゃった」
咲良はネックレスを触る。毎日つけている彼氏からもらったやつ。この会話が二人の仲を強固にしたのかもしれない。
「そうだったんだ……」
実彩子はなんとか声を絞り出した。
「うん。私もさ。ムッとなって少し喧嘩みたいになったけどさ。でもなんか馬鹿らしくなって。自分とはかかわりのない人のことで勝手に怒って、精神を擦り減らすのはバカみたいだなって。だったら目の前の人のこと考えないとなって気が付いたわけ」
咲良はどこか遠い目をして言う。その目は一体何をみているのだろう。
「なんだ。結局のろけにつながるの?」
実彩子はこちらの内面を悟られないように軽口を言ってみる。
「そうじゃないよ」と咲良ははにかむ。
「なんでこんな話しちゃったんだろ。ごめんね。実彩子」
「何で謝るの」
笑って答えたつもりだけど、うまく笑えているかは分からない。
「そんなことがあったからかな……。恵藤夏希のこと、逆に応援しようかなって……。最低だよね。ちょっと前まで悪口言ってたのに」
実彩子は何を言えばいいか思いつかなかった。
咲良たちは知らないが、自分は恵藤夏希と直接話している。それなのに、まだ恵藤夏希を素直に応援はできない。
「彼女さ。パフォーマンス。けっこうすごいんだよね。普通の気持ちで見てると……」
実彩子は恵藤夏希のパフォーマンスを観れていない。よく考えてみれば、普通の気持ちでシバルリーのパフォーマンスを観たことがないかもしれない。
「そっか……」
咲良のことを遠くの人に感じる。対面に座っているのに、どんどん離れていく。
「別に実彩子に見てほしいとかそういうことじゃなくて、ね。それに恵藤夏希に、まだ思うところがあったならごめんね。でも、このことは愛彩に言う前に、実彩子に言っとかないとなあって」
「まだ」という言葉が自分の体にのしかかってくるような気がする。
咲良の笑顔が歪んで見えてしまう。
あの日。三人で密かな絆があったはずだ。それをあっさり裏切られたような気がしてしまった。
店内は少し寒い。冷房が効きすぎているのだろうか。
「ごめん。遅くなっちゃったー!」
愛彩の声に少し空気が和んだような気がした。
少し肩で息をして、「あっつー」と言っている。額にも汗がにじんでいる。愛彩は代謝がいいのか汗をかきやすい。
愛彩はワイヤレスイヤホンを外して、スマホをテーブルに置いて、咲良の隣に座る。
「あれ? 聴いてるの、もしかしてシバルリー?」
咲良が愛彩のスマホを見ている。画面が音楽アプリのまま、表示されていた。
「そうだよ」
愛彩はあっけらかんと答える。
「このまえさ。どっかの店の有線でかかってた曲がいいなって思って。調べたらシバルリーだったんだ」
「案外いいんだよねー」スマホを操作しながら愛彩は言う。
「でも、この前恵藤夏希のこと……」
実彩子は背筋が凍った感覚に襲われた。
「うん。でも、実際に聴いてみたら、なんかよかったからね」
「私も最近、聴いてるんだ」
咲良は共感者がいて、声色が少し上がった。
愛彩も遠ざかってしまった。
実彩子はスマホを手にとる。
「あ、ごめん。バイト先から連絡がきてて、急遽シフト早く入らないといけなくなっちゃった。せっかく愛彩も着いたのに。ごめん。帰る」
そう言って、隣の席に置いてたカバンを取って席を立った。
「飲み物まだ残ってるよー。それに雨も降りそうだし……」
愛彩が教えてくれたが、「だったらなおさら早く帰らなきゃ」と答えるしかなかった。
早くこの場から離れたい。最近そんなことが多い。
「また大学で」
二人の返事を聞く前に店を出た。
さっきまでは少なかった雲がいつの間にか空を覆い始めていた。空気もじめっとしていて不快でしかない。
愛彩も咲良も何でなんだろう。
ついこの前だ。恵藤夏希のことを悪く言ってたのは。
でも、この変わり身。
嫌ってたのは自分だけだったのか。
あの二人は悪口を言うことを楽しんでいただけだったのか。
対象は誰でもよかったのか。
明確な敵意を持っていたのは自分だけだった。
実彩子は速足で駅に向かう。
バイトからの連絡なんて嘘だ。でも、あのまま二人といたら押しつぶされてしまいそうだった。
分からない。自分は何を思っているのか。
何でこんなことで不満に思っているのか。
自分は恵藤夏希本人と話した。
彼女の言葉を直接聞いた。
でも、納得できない自分がいた。
話したその瞬間は彼女のことを認めようとする自分がいた。でも、その時だけだった。
人はそんな簡単に変われないし、恵藤夏希を受け入れられない。
咲良は「まだ」という単語を使った。自分たちが人として進んでいるかのように。
友達だと思っていたのは自分だけだったのかもしれない。
でも、愛彩と咲良のほうが正しいのだろう。
頭では分かる。でも、何も納得はできていない。
恵藤夏希と話して以降、実彩子はメディアで彼女を見ていない。探しに行けない。
不快な空気が体全体に容赦なくまとわりつく。
家の最寄り駅まで着くと小降りの雨が降ってきてしまった。
傘は持っていない。でも、傘がなくても大丈夫な程度の雨なのが不幸中の幸いだ。そもそも傘をさしたい気分ではなかった。
バイトが早くなったというのはあの場から逃げたくなったからでた嘘だ。だから、バイトまで時間をつぶさないといけない。
家には帰りたくない。だからといってカフェなどにまた入るのも違うなあと感じる。
あてもなく歩いていたら公園があった。
実家の方面とは逆の出口だからか、こんな公園があるとは知らなかった。
遊具があるわけでもなく、ベンチだけがある。ベンチには頼りない屋根がついていた。緑地といったほうが正しいかもしれない。
実彩子は少しの間、雨宿りをしようと思い、ベンチに腰掛けた。小降りの上に風も吹いていないので、幸いにもベンチは濡れていなかった。
咲良も愛彩も本気で恵藤夏希のことが嫌いではなかったのだろうか。別に一緒に嫌いでいてほしいわけではなかった。でも、なぜか裏切られた気分になってしまった。頭の中でそういう考えがぐるぐると渦巻いている。
実彩子はカバンからハンドタオルを出して少し濡れた頭と体、カバンを拭いた。
ふと足元を見ると、いつの間にかネコが実彩子の座っているベンチの周りをうろうろしていた。野良ネコか飼いネコかは分からない。人に警戒しないから飼いネコかもしれない。
白い毛で目つきが鋭い。
ネコも雨宿りに来たのだろう。実彩子は足がネコの邪魔にならないようにした。すると、ネコは足元で寝転びあくびをした。
実彩子は思わず手が伸びて撫でてしまう。ネコは暖かい。心も癒してくれそうだが、すぐにもやもやが覆ってしまう。
「うわー。すごいですね」
ハッと上を見ると男が立っている。
「あ、すみません。このネコ、僕には全然近づかないのに、すごいなって思って」
男は傘を閉じて、同じ屋根の下に入ってくる。
「あの……。ごめんなさいね。なんか急に……。あそこのコンビニで働かれてますよね?」
男は公園の外を指さす。その方向にはたしかに実彩子が働いているコンビニがあるはずだ。
「はい。ってなんでそれを」
実彩子は男の顔をよく見る。男は目線を逸らした。
「ほんとうにごめんなさい。気持ち悪いですよね。いきなり……」
失礼しました、と言って男は再び傘をさそうとした。その表情には寂しさと優しさが入り混じっているような気がした。
「あ、待って。よくコンビニに来てくれる……」
優しい表情で思い出した。あの優しい青年だと記憶の引き出しが開いたと同時に声が出る。
「そうです。そうです」
青年はヘドバンのように首を強く何度も縦に振った。
小雨はまだ止まない。
青年はそのまましゃがんでネコの様子を窺っている。
ネコは眠っているのか、動かない。
実彩子は少しドキマギしてしまう。まさかコンビニ以外でこの青年と会うとは思っていなかったし、不意のことで変な意識をしてしまう。名前も知らないのに。
「僕、ネコ好きなんですけど、あまり好かれないんですよね」
「え?」
青年がネコに手を伸ばすも触れようとはしない。
「子どものときから僕はネコ好きだったのに、ネコに好かれたことなくって。昔よく遊んでた友達の家のネコにも全然相手にされず、逃げられるばかりで……。一度はネコのこと嫌いになったんですよ」
こんな優しい人でもネコを嫌いになることってあるんだ、と実彩子は意外に思った。
「でも、あるとき悔しくって嫌われるのはなんでだろう、って思ってネットとかで調べたんですよ。そしたら、ネコに好かれる人ってちゃんとネコが居心地よくなるような動作をするんです。最初のうちはあまり目を合わせないようにするとか……」
青年はネコの様子を見続ける。柔らかい目で。
「やっぱ独りよがりじゃだめなんですね。何でも。そこから、ちゃんとネコが居心地よくなるように努力したら、友達のネコは触れるまでになったんですよ」
「へーすごい」
純粋に声が出てしまう。
「でも、このネコはまだ難しいんですけどね。でも、お姉さんには警戒心なく近づいて、すごいですね」
青年が不意に笑顔でこちらを向く。実彩子は反射的にネコのほうに目線を逸らす。
「相手のことを理解しようとしないで嫌いになるってやっぱ良くないですよね。ネコだって居心地がいい相手を求めるに決まってますもんね」
実彩子はドキリとする。
相手のことを理解しようとしないで嫌いになる。
自分はまだ知ろうとしていない。
「あ、やばい。少しゆっくりしすぎた。ごめんなさい。僕。行きますね」
青年はそっと立ち上がって、こちらに頭を下げる。そして、ネコと十分に距離をとったことを確認して、走り出した。
公園はまた鎮まりかえる。雨はいつの間にか上がったようだ。
心がざわつく。
分かっていた。知らないのに批判していた罪悪感。だからこそ、今日は帰ってしまった。
愛彩も咲良も知ったんだ。彼女のことを。
ネコは目を覚まし、何もなかったかのように、伸びをした。
バイトが終わり、すっかり暗くなっている。
実彩子は家に帰る気になれなかった。家に帰る前に、観てしまいたい動画があった。
実彩子は夕方いた公園にまた戻った。
あれから雨は降っていない。公園の土も乾いてくれたようだ。
この公園は人通りが少ない。女の子一人でいるのは少し怖い気もしたが、そんなことはどうでもよかった。
ネコはもういない。
公園は電灯が一つだけだが、今日は月が良く見える。そのおかげで思っていたよりも公園は明るく感じる。
昼ご飯以降、何も食べていない。バイト中はずっとお腹が鳴っていた。お客さんにも一緒にシフトに入っていたグエンにも聞かれないことを願っていた。今もお腹は空いている。でも、今やらなくてはいけない。
実彩子は心を落ち着かせながらカバンからイヤホンを取り出し、スマホとブルートゥースで接続する。YouTubeを開いて、シバルリーと検索する。
愛彩も咲良も言っていた。
「シバルリーのパフォーマンスが良い」
あの青年が言っていた。
「知らないで嫌いになるのは良くない」
もちろん、恵藤夏希のことが嫌いなのはそんな簡単な話ではない。
でも、やっぱりちゃんと見ないといけない。
実彩子は深呼吸をする。
シバルリーの検索結果の一番上には新曲がある。一カ月前にアップされてすでに七十万再生を超えている。
最近人気が伸びてきているのだろう。
実彩子は震える人差し指を再生マークにもっていくとイントロが流れだした。
イントロでは恵藤夏希も含めたシバルリーの中心メンバー五人がどこかのビルの上でダンスをしている。そこから歌が始まり、街のいろいろな場所でメンバーそれぞれがダンスをしている。
センターの一番人気の娘ばかりが映っている構成ではない。メンバー全員が見せ場があるようにみえる。
曲調は明るくポップな印象だが、どこか哀愁も漂う。
Bメロが流れだしたところで恵藤夏希の個人ダンスがある。
歌詞は前向きな応援ソングだ。みんな笑顔を見せて楽しそうに踊っている。ファンならこの笑顔で元気づけられるのだろう。
それぞれが特別うまいわけではない。だが、アイドルらしいかわいさと聴いている人にそれぞれの生活を頑張ってもらいたいというのが伝わってくる気がした。
その中でも恵藤夏希にはのパフォーマンスから目が離せなかった。もちろん彼女も笑顔でダンスをしている。でも、その笑顔は他のメンバーとは違うように感じた。
聴いている人を励ますだけの笑顔ではない。努力は苦しい。頑張って何かを成し遂げるためには苦しいことを乗り越えないといけない。でもその先にはきっと笑顔が待っている。そんな応援だけではない、繊細な表情だった。
歌詞以上に歌の本質を恵藤夏希の表情がとらえている気がした。
恵藤夏希は「やりたいことを全部やる」と言ってやり続けている。それも、全力を注いで。それはきっと楽しいだけではなく、苦しいこともたくさんあっただろう。この前の喫茶店でも見せなかった想いが恵藤夏希のパフォーマンスを通してこちらに伝わってくるような気がした。
お腹はもうすいていない。それ以上に胸がいっぱいになってしまった。
恵藤夏希を追っているだけで四分半ほどの動画は一瞬で終わってしまった。
掲示板ではバラエティ番組でのことばかり言われていた。
でも、彼女の真骨頂はそこではないのだ。
愛彩も咲良もやっぱり友達だ。きっと彼女のパフォーマンスを観て、同じことを思ったに違いない。
実彩子は二人のグループラインに謝罪とシバルリーの曲が良かったことを伝えた。
愛彩も咲良もすぐに返信がきた。そして、ノリノリでシバルリーの良さを語ってきた。
そして、恵藤夏希のトークを開いた。
『新曲すごくよかったよ』
それだけ送った。でもこれで十分だ。
月明かりが自分だけを照らしているように感じた。