親ガチャ(6/9)【小説】
『7』の男と『5』の女の素数カップルだ。
コーヒーをすすりながらカフェに入ってきたカップルの頭上の数字を観察する。人の頭上の数字を見て優越感に浸るのがたまらなく気持ち良い。
友晴は自分のスマホを見る。黒画面に反射した自分の頭の上には『100』が浮かんでいる。顔が見えていれば色がなくても、数字は見えるらしい。
『7』と『5』のカップルが隣のテーブルに座る。「この前のゼミでさあ」という声が聞こえるからおそらく大学生だろう。『7』と『5』の癖に幸せそうなオーラを見せつけてい