イノベーションはユーザーが起こす① ― ユーザー・イノベーションについて
イノベーションが技術の革新だけではないことは多くの方が知ることだと思う。そして「新結合」という概念で示されるように、既存の技術の組み合わせで革新的な製品だけでなく取り組み(ビジネスモデル)が生まれることがある。
つまり、学術的な発見を純粋にこれまで知られてこなかった現象の知覚としたときに、イノベーションはそれら発見を組み合わせてこれまでになかった価値を作り出す社会な現象の発見とみなすこともできる。
そう考えた時に、イノベーションは広く社会的に開かれている。最近、週の半分を新潟で過ごしているので、たまに、雪の上でも走れそうな太いタイヤの自転車を見かける。これも技術的には新しいわけではないが、そのような自転車が出てくるまでは雪の上を自転車で走れると考えた人はいないだろう。例えば、SNSは技術的に新しいものではないが、社会的には新しいものであり、その影響力は非常に大きい。
大小を問わず、このようなイノベーションはユーザーを通じて社会的に発見されたモノやサービスである。「既存の技術の組み合わせ」が重要な社会的価値につながることもある。このような現象を説明したのが「ユーザー・イノベーション」である。
久しぶりの投稿のため、本日はここまで。次回はユーザー・イノベーションのキー概念である「情報の粘着性」について、近年のITの普及も含めてまとめてみたい。(「イノベーションはユーザーが起こす② ― 情報の粘着性概念」へ)