【宝石解説】翡翠(ジェダイト)①-基礎データ編
はじめに
人類のみなさん、こんばんは。むじゅんです。
この記事を見つけてくださってありがとうございます。
わたしと一緒に、「知らなくても生きていけるけれど、知っていると人生に深みが出ること」を勉強していきましょう!
※筆者は専門家ではありません。ご了承ください。
今回一緒に勉強するのは、翡翠(ジェダイト)という宝石についてです。日本人には翡翠という名前の方が馴染みがあるかと思います。
新しく始めたYouTubeチャンネル「知らなくてもいいこと知りたいの」にて、この記事を「ささやき解説」しておりますので、ご視聴くださるととっても嬉しいです!
もしかしたら、「セーラームーン」がお好きな方は、ジェダイトというこの宝石の英語名を、敵役、もしくは前世でエンディミオンを慕う四騎士の1人のキャラクターの名前として認識している人もいるかもしれませんね。
以下、この宝石の呼び方は翡翠と統一したいと思います。
基礎データ
それでは、まずは翡翠の基礎データや名前の由来からです。
鉱物としての名称は「ヒスイ輝石」。
英語名はジェダイト。これは、スペイン語の「Piedra de ijada」、意味としては「腰・腎臓・肝臓・腹・腹痛の石」という言葉が元になっていると言われています。どうしてそんな言葉がジェダイトの語源になったのかというと、スペイン人が古代メキシコを征服した際、古代メキシコ人が、翡翠を脾臓、肝臓、腎臓などの病気に効く石であるとしていたからなんだそうです。
和名は翡翠、または硬玉。
翡翠は、本来中国語でカワセミという鳥を表す言葉でした。石の翡翠のうち、白地に緑色と緋色が混じる石をカワセミの羽の色に例え、カワセミ、つまり翡翠と名付けたと言われています。石を鳥の羽の色に例えるなんて、風流ですよね。現在でも、「翡翠」という言葉でweb検索をかけると、鳥のカワセミの画像が出てきたりします。
硬玉は、後で詳しく解説しますが、長い間、同じく翡翠だと考えられていた全く別の鉱物であるネフライトと区別する意図がある呼び方です。今回紹介している翡翠、つまりジェダイトの方が硬いので硬玉、ネフライトの方が柔らかいので軟玉と区別されるようになりました。といっても、硬玉という呼び方は死語のようなものらしく、「翡翠」といえば硬玉を自然と表し、ネフライトは軟玉と呼ぶようです。
モース硬度は6.7~7。モース硬度というのは、鉱物の硬さを表す値で、最小が1、最大が10になります。数字が大きければ大きいほど硬いことを表し、世界一硬い鉱物であるダイヤモンドはモース硬度が10となっています。つまり、モース硬度が6.5~7の翡翠は、どちらかというと少し硬めという感じですね。翡翠の硬さは、「ナイフより少し硬い」と表現されています(参照:倉敷市立自然史博物館)。
比重は3.25~3.4。ここで言う比重とは、温度が4度の水に対して、それと同じ体積の鉱物が水と比べて何倍重いのかというもの。つまり、翡翠は水より重く、水に入れると沈むことが分かります。
成分はNaAl〔Si₂O₆〕。
結晶系は単斜晶系。結晶系は、鉱物を結晶の分子の並び方によって分類したものです。
条痕色は白色。条痕色は、素焼きの陶板に鉱物をこすりつけ、生じた鉱物の粉末の色を見る方法で、結晶を見るだけでは特定しづらい鉱物を特定できる方法です。大半の鉱物の条痕は白色になり、翡翠の条痕色も白色です。緑色だけでなく、紫色などカラーバリエーションがある翡翠ですが、条痕は総じて白色になります。
劈開は完全。劈開とは、鉱物が一定に割れやすい方向のことです。劈開が完全なら、ある方向からはきれいに割れるけれど、他の方向からは割れにくいという性質をもった鉱物になります。劈開がきわめて完全であるほど平滑に割れ、翡翠は完全です(ヒスイ輝石の劈開については、調べたところ諸説あるようで、最も信頼がおけそうだと判断した倉敷市立自然史博物館(http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/rock/zougankoubutu/pyroxene.html#jadeite)ではヒスイ輝石の劈開は完全であるとしていました。ウィキペディア(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B9%E3%82%A4)も同様です。しかし、クリスタルワークス(https://chicappa-crystalworks.ssl-lolipop.jp/86.html)では一方向明瞭、owly(https://www.zakkaowl.com/stone/jade)では不完全となっていました。今後投稿を予定している翡翠の解説音声及び動画では、最初に参考にしたowlyという石の販売店のサイトから得た情報で判断しているため、劈開を不完全としています。情報が食い違っていて申し訳ありません)
多色性はありません。多色性とは、見る方向によって結晶の色が変わって見えるという性質ですが、翡翠は見る方向によって違う色には見えないということですね。
光沢はガラス光沢。
産地は、ミャンマー、日本、グアテマラ、ロシア、アメリカ、カザフスタン、ドミニカ、インドネシア、イタリアなどで、限られた土地でしか産出されません。琅玕色の翡翠が愛された中国では、軟玉、つまりネフライトしか産出せず、意外なことに硬玉、つまりジェダイトは産出しません。
ここまでが、翡翠の基礎データになります。
おわりに
今回は、翡翠(ジェダイト)を一緒に勉強していきました。日本人にもなじみの深い魅力的な石ですね。
YouTubeでの音声解説も一緒に楽しんでいただけましたら幸いです。
次回は、「翡翠の鉱物としての特徴」を勉強していきたいと思っていますので、ぜひフォローやスキ!をよろしくお願いいたします。
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最後まで読んでくださってありがとうございます。それではまた次回。
おやすみなさい。
参考文献・web
フォッサマグナミュージアム,2019,「ヒスイって何だろう」,https://fmm.geo-itoigawa.com/event-learning/about_hisui/
倉敷市立自然史博物館,2017,「輝石類(きせきるい) pyroxene」, http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/rock/zougankoubutu/pyroxene.html#jadeite
クリスタルワークス,2019,「ジェイド(翡翠)」,https://chicappa-crystalworks.ssl-lolipop.jp/86.html
三島由加理,2007,『幸せを招く 宝石力』,中経文庫
天然石のピアスやアクセサリーowly.&雑貨販売 Zakka Owl,2017,「ジェード(翡翠/ひすい)Jade-ジェダイト(ヒスイ輝石・硬玉)Jadeiteの特徴・意味と効果」,https://www.zakkaowl.com/stone/jade
天然石パワーストーン意味辞典,2021,「本翡翠(ジェダイト)」,https://www.ishi-imi.com/2006/07/post_7.html
天然石・パワーストーン,2019,「1月1日の誕生石」,https://www.infonix.jp/birth_stone/150/
Wikipedia,2021,「へき開」,https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B8%E3%81%8D%E9%96%8B
Wikipedia,2021,「ヒスイ」,https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%B9%E3%82%A4
画像
ヘッダ画像:mercredi_bleu様
カワセミのイラスト(鳥):いらすとや(みふねたかし様)
ねこ:むじゅん(オリジナルイラスト)
翡翠:むじゅん(オリジナルイラスト)
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