佐久間三絵子

占いの何でも屋。西洋東洋占術研究家。ライター。鑑定歴25年以上。雑誌など執筆多数。Twitterにてタロット bot @bot71142277 テスト運用中。

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最近の記事

西洋占星術における天体⑤木星 あわせてインターセプトとダブルハウス

 最大の幸運星と呼ばれる木星。  およそ12年の周期で公転するこの惑星は、1年ごとにサインを変えます。順行や逆行を繰り返しながら少しずつ移動し、さまざまな恩恵を人々に与えると言われます。  たしかに木星はそうです。あればすごく嬉しい天体に違いありません。 ただし嬉しくない場合もあります。それは『拡大、増幅する』という点です。これはなんでもかんでも大きくしてしまうという意味があります。  さて、これらの木星を読み解いていきましょう。  12年にホロスコープを一周するというこ

    • 西洋占星術における天体④ 火星 惑星における知性とはなにか

       火星はマレフィック天体と言われます。しかし事故などのアクシデント、スピード感、年若い男性など、多岐にわたる意味を持ちますので、凶星と言われているんだな、という象徴的な意識のもと、具体的に読める星です。  ただし、それだけでいいのでしょうか。  そもそも火星は本当にマレフィックなのでしょうか。  火星は『火』という漢字が用いられているところから見ても、火の性質が色濃く反映されています。当たり前ですが火は燃えます。しかし一定のポイントで留まりません。ロウソク一本で考えてみても

      • 「天体を使う」という言葉に潜むカラクリ

         「天体を使う」という言葉は、西洋占星術を勉強していくうちに、なんとなく目にすると思います。  しかし天体を使うと簡単に言われたところで、じゃあなんなのどうすればいいのよ、みたいな思いは当然のように発生するのも、しごくもっともな話です。  では、天体を使う意識はどのようなものなのか、ちょっと説明していきます。  はじめにお断りしておきますが、私はこの「天体を使う」という言葉を、基本的には好んでいます。  まずジオセントリックホロスコープにおいて、ネイタルまたはトランジット

        • 西洋占星術における天体③ 金星

           天体にはベネフィックとマレフィックにカテゴライズされています。ベネフィックはベネフィット、つまり利益や恩恵という意味に通じ吉星で、一方のマレフィックはマレヴォレント、災いや悪質という意味に通じて凶星と言われます。  ベネフィックは太陽、月、金星、木星。  マレフィックは火星、土星、天王星、海王星、冥王星。  水星はどちらでもありません。  地球からみて手の届く範囲、というか目視しやすい星たちがベネフィックとされていて、あまり目の届かない星々がマレフィックとされているのが

          アスペクトのスクエアを真面目に考える

           スクエアは忌み嫌われるアスペクトの代表格です。思わぬ横やりや妨害、それから矛盾と葛藤など、なんだかちょっとスムーズに生きていくのが困難だな、という意識になりがちです。  ではスクエアとは一体なんなのでしょう。  好ましいアスペクトの代表格であるトラインは、同じ元素の結びつきです。火なら火、地なら地、風なら風、水なら水の関係になるので調和的であり支援となります。トラインは円を三分割すれば出てきます。3という数字は創造的で、次から次へと生み出す力があります。そのためトラインで

          アスペクトのスクエアを真面目に考える

          西洋占星術における天体② 水星 その他天体におけるノーアスペクトについて

           私は水星から木星までを1セットにして考えています。天王星と海王星、それから冥王星も1セットで、それらからあぶれた土星は特別枠です。  なぜかというと、カバラの思想の一端である生命の樹で、テファレトのまわりにあるセフィロトが、ホド、ネツァク、ゲブラー、ケセドだからです。  なにそれ、と思われたのなら検索してみてください。生命の樹の図では、中心のテファレトのまわりには、4つのなんらかの塊があります。これらがホド、ネツァク、ゲブラー、ケセドの4つです。  よくいわれていることです

          西洋占星術における天体② 水星 その他天体におけるノーアスペクトについて

          西洋占星術における天体① 太陽と月

            そもそもジオセントリックホロスコープで、太陽と月だけがなぜ別格扱いされるのでしょうか?   いちばん用いられると言っても過言ではない太陽と月は、改めて考えれば惑星ではありません。他の感受点である水星から冥王星やエリスにかけて、すべて太陽系惑星です。しかし太陽と月だけは違います。  太陽は恒星、月は地球の衛星です。  このふたつが占星術を読み解くうえで重要な鍵を握っていると言われるのはなぜなのか。  そのあたりから、この太陽と月にホロスコープに作用する意味合いそのものが、水

          西洋占星術における天体① 太陽と月

          タロット。大アルカナと小アルカナ、読み方のコツ。トランプ占いの有効性。

           大アルカナと小アルカナの読み方について、ややコツがあるので、お話ししたいと思います  大アルカナは、大秘儀と言われます。これは大きな意味での秘密という意味です。一方で小アルカナは小秘儀で、これは大秘儀に比べると、やや小さな範囲での秘密という意味。でもどちらが優位というわけでもなく、大小という言葉の上澄みに流されてはいけないと思います。大は小を兼ね、小は大を根底から支えます。そして大の礎を備え、小はさらに意味を持つのです。  小アルカナについては、よく似たものにトランプが

          タロット。大アルカナと小アルカナ、読み方のコツ。トランプ占いの有効性。

          西洋占星術で相性をよんでみる

           よくありますね、この人とは相性いいのかな、悪いのかな、みたいな話。  これを西洋占星術で見るとどうか、という観点で考察してみます。  たとえば「牡羊座と獅子座って相性いいんだってー」とかいうものですが、あれは基本的にアテになりません。  一般的にいわれる牡羊座、獅子座というのは、太陽星座のことです。牡羊座うまれ、獅子座うまれ、みたいな。この文言から『うまれ』と削除すると「私は牡羊座だから」みたいな会話や観点になります。  よくわかります。楽なんです。だって生まれ年なんか考

          西洋占星術で相性をよんでみる

          タロットの勉強法。78枚すべてのカードを書き終えて

           私がここで愚者のカードを書き終えたのは2019年11月だったようです。いま記事を確認したので間違いありませんが、Noteでは4年前、ということになっています。  実際のところ、大アルカナ22枚、小アルカナ40枚と人物カードを書き終わるまで4年もかかったのか、という思いでいっぱいで、4年前の私を振り返るには、ちょっと面映い感じです。でも現在の私が愚者のカードを書いたとしても、おそらく同じようなものを書くに違いありません。アップデートできていないわけではなく、根底に流れる解釈に

          タロットの勉強法。78枚すべてのカードを書き終えて

          タロット。21・世界

          生命の樹ではイェソドとマルクトのパス  大アルカナの旅もついにクライマックス。最後のカードである。  マルクト、すなわち物質界である地球へとまっすぐに着地し、すべての完了を意味している。地上へと生まれ出るこのカードは達成や完成だ。すっきりと道筋は決まっていて、過不足なく安全に着地する。1から始まった愚者の旅は世界のカードで完結する。このパスの安全性は、いままで培ってきた経緯、すなわち経験や振り幅の大きさに関係していて、左右の柱に大きく広げられていれば太いし、それほどでもなけ

          タロット。21・世界

          タロット・人物カードをどう考えるか

           タロットの小アルカナでとりわけ異彩を放つのが、コート(宮廷)カードと呼ばれる人物カードだ。  小アルカナは基本的に数の原理をもとに解釈できるが、人物カードには数字が記されていない。つまり各スートと絵柄から判断するというスタンスだが、それゆえ難しい側面が否めない。  たとえばタロットを勉強するとき、果たしてスムーズにすっきりと解釈できるかというと、個人的な感触ではあるが、なかなか困難ではないのかと思う。  少なくとも、人物を示すという解釈に沿って進めても、広げられたタロットは

          タロット・人物カードをどう考えるか

          2024年 占星術での歩き方

          これを書いている瞬間は2023年末のギリギリなのですが、大改革期というか大転換期と言われている2025年にかけて、2024年は本当にひとつのエポック的な年になると思います。2023年はまだ序章に過ぎない。そのあたりを含め、占星術での歩き方、つまり2024年の占星術的な過ごし方を考えてみたいと思います。   まずは時系列から。火星までは省いてあります。   2024年1月、冥王星が水瓶座へ    5月、木星が双子座へ    9月、冥王星が山羊座へ(逆行)    11月、冥王星が

          2024年 占星術での歩き方

          マルクト・小アルカナの10 生命の樹を体感する

          生命の樹でのマルクトは『王国』という名前がついている。これはそのまま王国であり、地球だ。目に見えるもの、触れられるもの、形になって実感できるものがマルクトにはある。空気は見えないと言われるかもしれないが、たとえば冷える朝に息を吐けば白いものが見えるので、きちんとそこにあると認識できるため、マルクトに存在している。身体、物質、現実的に起こる問題の数々。意志などの精神性はイェソドまでで、マルクトにまで至ると、すっかり生命の樹は様相を変えてしまう。   基本的に生命の樹の流れは上か

          マルクト・小アルカナの10 生命の樹を体感する

          生命の樹イェソド。タロット小アルカナの9。

          イェソドは生命の樹での中央の柱にある。下にはマルクト、上にはテファレトが配置されていて、西洋占星術での月に該当するとされている。マルクトは地球なので、生命の樹の高さから言っても、これが地球にとって天からの最終通告のようなものになる。   ただしホドからマルクト、あるいはネツァクからマルクトのパスもそれぞれ存在しているため、実際のところマルクトに直接的に触れているのはホドとネツァク、そしてイェソドになる。ホドあるいはネツァクからのパスが発達していれば、マルクトに到達するためには

          生命の樹イェソド。タロット小アルカナの9。

          生命の樹。ホド。小アルカナの8。

          ホドはケテルから続く生命の樹の8番目に位置するセフィラであり、西洋占星術での水星を意味している。 そもそも水星は言語能力に代表されるような知性を司っている。ここでの知性は、もうひと段階上がった智恵のような大きなものではなく、どのように使いこなすかという知性であり、応用力として現れやすい。   俗に言う「頭の良さ」というのはいろんな段階が見て取れる。それは信じられないようなところから引き出されるアイデアであったり、考えも及ばぬ発想をするというものから、与えられた材料を駆使して形

          生命の樹。ホド。小アルカナの8。